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今年の諸々2023

いまだにnoteだと狐面スーツである。
書いたり作ったりなど、今年やったよ!のまとめです。今年は公募賞に向けた作品にぜんぜん取り組めず、こないだからよしやるぞ〜!と書き出してはいるものの、ちょっとやらなくなると途端に体力がなくなるもんですね。ナムナム。


1月

CALL magazine vol.2 「恵方」掲載
紅坂紫さんが編集長を務めるフラッシュフィクション専門誌に呼んでいただいた。しかもviol.2である。めっさ嬉しい。毎週月曜日にコンビニで印刷できるネットプリントで印刷でき、配信終了後はInstagramで読むことができる。42名の書き手に依頼し、もうじきで1周年を迎えるとのことで、依頼・やりとり・編集・取りまとめ・宣伝など本当にすごい。私は配信終了のタイミングが小正月とかぶっていたので、なぜかそのタイミングで帰らず家に居ついてしまった歳神との生活を書いた。どの作品も1000字以内なのでぜひ。お気に入りの作家が見つかると思います。

「霞食い」にて匿名超掌編コンテスト 1位
板野かもさんが主催する第1回匿名掌編コンテストにて、ありがたいことに拙作「霞食い」が1位に選出された。レギュレーションとしては500字以内・本文中に【試】の文字を使用することで、投票方法は作者が伏せられたままX(当時はまだTwitter)のリプライ、リツイート、いいねの総数で決められる。暮れから春にかけて420字程度の掌編を書いているので、得意な方向性だな〜と思いながらその要領で書いた。総勢120名・178作品という大規模の企画だったが投票がはじまってからほとんどずっと1位を走り続けて、ありがたいありがたい…と毎日画面を拝んでいた。賞金は書籍代に消えました。

3月

世瞬舎『世瞬Vol.4』表紙・本文デザイン
昨年のvol.3に引き続いて編集長の神谷京介さんからお声がけいただいた。判型がA5からB4に変わったりカラーページが基調になったり小説だけではなく雑誌のような造りになったりページ自体も大幅増量と、雑誌としても大きな転換号を迎えるタイミングで関われてたいへんではあったが得難い経験だった。

『祝福(未完)』表紙・本文デザイン
深海ヨルさんから個人誌のデザインをお声がけいただいた。ずっと私の同人誌を購入していただいており、自分でも紙の冊子を作るならぜひお願いしたいとのことで、本当に本当に嬉しいかぎりだ。掲載の作品を読み、ロゴや全体の演出、作品によって版面を変えるなどかなり力を入れて作った。

X(Twitter) #リプライでもらった架空の地名のお話 終了
2018年から年末に行なっている、みんなからリアクションをいただいて小説を書く企画。今年はちょっとお題を難しくした。漢字を左に、物語を右にするフォーマットも同じ。33の漢字が集まり、シークレット4つを含めて36編で奇しくも去年と作品数も同じ、420×36なので15000文字くらい。全作品を合わせて地図みたいにしたいと思っていたが夢と終わった。

5月

「アンソロジー 夢でしかいけない街」編集・デザイン
「饑虎」掲載
以前まとめ記事ふたつも書いたので、あらためてこれといったことはないんだけど…と思ったらあったわ。寄稿いただいた大木芙沙子さん「みずうみ」が三田文学の新同人誌評の2023下半期推薦作に選出された。おめでとうございます! アンソロジーの企画、いま考えると大変ではあったけどめちゃ楽しかったな〜。ぜんぶ自分でやってるので要素が揃ってゆく(漠然としていた全体像がどんどん細密に形作られてゆく、それも自分の想像だにしなかった作品がやってくる)ことが楽しかったんだと思う。まだ半年くらいしか経ってないことに新鮮に驚いてるよ。あと増刷ぶんもそろそろ残部がなくなりそうなのでご興味ある方はどうぞお早目に…。

閑窓6[常しなえの佳日]編集・デザイン
「細蟹姫」掲載
百貨店の隅にある笹に願いごとを叶えにくる人たちと少年が交流する話。
2019年から続いている閑窓も6冊目、今回は架空の商店街。今回も帯つき。既刊と引き続き、カットページは橋本ライドンさん、写真はヒロセミサキ氏。今回は寄稿者の全員を私が「書いてほしい!」の一念で決めさせていただいた。至らない点が多々あったかと思います。本当にありがとうございました。また、寄稿いただいた旗原理沙子さん「鬼の胎内」が三田文学の新同人誌評の2023下半期推薦作に選出されていた。おめでとうございます!

ノンヒューマン歌唱アンソロジー『クジラ、コオロギ、人間以外』
「信仰」掲載

元・人間のおばけとイタチが歌ったり歌わなかったりするお話。
谷脇クリタさん主催のアンソロジーに参加した。創作なんかでよく歌う代表格、クジラコオロギ人間以外が歌うこと、がテーマだったので元おばけに歌わせた。ヒト型だけど生きてないからセーフ理論。昨年の島アンソロジーもそうだが、あいかわらずイラストやデザインまわりが本当に素敵だ。いい本なのでバンバン売れているようで、すでに増刷されてます。ぜひ。

橋本ライドン 著『契約しましょ2』単行本デザイン
2巻で完結。自分のなかでもかなり気に入ってるデザインではあるけど、もっともっと作品にふさわしいデザインや演出ががあったんじゃないかと今でも思うことがある。でもそれとはぜんぜんべつに、ぜひキュートなふたりの姿をチェケしてほしい。単行本よりあとを描いた作品も2作ほど出ているのでそちらもあわせてぜひぜひ。

goonie cafe制作謎解きゲーム
「バロック&ロマネスク 古城と宝石」パッケージ・内容物デザイン
冷静沈着で知識豊富な刑事のバロック、世界中の美術品や宝石を鮮やかに盗み出す怪盗のロマネスク。それぞれの視点から古城に潜む謎を解いていき……というキャラクターなりきり謎解きゲーム。昨年のSORCIERはマーダーミステリーで遊ぶためには複数の人数が必要だったけど、これはふたり用だし誰が犯人かを疑う要素もないので気持ちよくプレイできます。デザインした手前、ギミックが全部わかってしまってるので一緒には遊べませんが、けっこうおもしろいと思います。刑事で活躍or怪盗で暗躍しよう。

6月

「アンソロジー 夢でしかいけない街 増刷版」編集・デザイン
読みが甘かったので1ヶ月足らずで増刷版を作成。本文用紙を変えたので束幅が変わり、それにともなって帯のデザインも変えた。初刷の本文用紙めちゃ気に入ってるんだけど、初刷・増刷のどちらも持っている友人からは「たいしてよくわからん」と言われたので、やはり気にするのは職業病なんだ……の気づきがあった。その紙を使いたかったので初刷はそれなりにヤバイ金額を払ってます。頼まれたってもうやらんもんね。

10月

第60回 文藝賞〈短篇部門〉
「きこえる」で3次選考通過

もうひとつ進めていれば最終扱いで選評をいただく機会を得ることができたが、その前でだめだった。22/4176だったらしい。ここまで進んでだめだったので作品には明確な瑕疵や見落としがあるはずで、残れてよかったと手放しでは言えないんだけど、私もちゃんと書いてるよ!という挨拶ができたのでそういう意味ではよかった。

というのも7月頭あたりに「小説がヘタなくせに売れそうな人に取り入ってアンソロジーを作っている」なるご意見でブン殴られて、ハァ〜〜〜〜!?ということがあり、もちろん無視はしたものの、私そういうふうに見られてるんか…と落ち込んでいたのです。3人でやっている同人誌の閑窓はデザインも担当しているため告知などで矢面に立つ機会が多く、また5月に主催した『夢街』は文学フリマ東京でありがたいことにたくさんの方に手にとってもらったので、いろいろ私のイメージが固まっていったんでしょう。そう広くない文芸同人界隈でやめてくれよ。小説のうまいヘタなんてひと口にはいえないし、そもそもアンソロジーを主催するのにそんなことまっっったく関係がない。でもやっぱり思うことはあって、その言葉に自らを奮い立たせられないのも、わかりやすい権威の力を借りるのもたいへん情けないけど、結果で救われた自分もたしかにいたんだった。秋の文学フリマ東京はもともとひとりでなにか作ろうかな〜と思ってたけど、抽選とこのDMのこともあったし、なかば意地のようにアンソロジーを作ることに決めたので、そういう意味での挨拶でした。こうやって書けば書くほど落選を印籠のように使ってるのがダサすぎますが……結局いまだなにか書くときに脳裏によぎることはあるけど、うまいこと付き合っていかなきゃな〜という感じ。(めちゃくちゃタミングが悪いことにカクヨムで講評をもらう機会があり、そこにも小説がヘタとあってクリティカルでした。ただそれはレギュレーションをうまく守ってなかった自分のせいが大きいし、匿名の加害というわけでないのでまあ合わない人もいるよな〜くらいの気持ちです)

ホラーアンソロジー「INITIATION」
「飛光」掲載
紅坂紫さんが編集長を務めるアンソロジーに参加した。タイトルのとおり、通過儀礼をテーマにした2000字以内のホラー掌編がレギュレーションで、因習にまみれた町から逃げるふたりの少女の話を書いた。あんまり怖くはないと思う。掌編・短編を書くと物語をかなり圧縮する癖があり、本作はかなり顕著なので企みが成功しているか今もちょっと不安だ。無料(!)で読めるので、もし読んだらぜひ感想ください。

11月

「アンソロジー 非実在神様」編集・デザイン
「生まれたばかりの泉」掲載
以前まとめ記事ふたつも書いたので、あらためてこれといったことはない。楽しかったけどたいへんだった前のアンソロジーから半年もたたないうちにもういっぺんやるとは思ってなかった。変な意地のせいもあった。寄稿いただいたみなさま本当にありがとうございました。来年の5月もなにかできればいいけど、いまのところ思いついてない。居酒屋アンソロジー(表紙は店の間取りだけ、収録エピソードに沿ったイラストのシール付きで自分で賑やかなお店を作ろう!)をやりたいな〜と思うんだけど、なんかアンソロジーばっかり作るひとになってもなあという気持ちもある。書いてゆきたいよ。

無料ペーパー閑窓EX[架空のスーパー銭湯]編集・デザイン
文学フリマ東京37で配布するペーパーのデザイン。いつもは作品も載せているが10・11月がありえんくらい忙しく、書く余裕がまったくなかったので架空の間取りとデザインのみ。6のときは無料ペーパーの設定を冊子へそのまま移行させたが今回はどうなるかわからない。スーパー銭湯、物語の幅があまりに狭くなりすぎねえか?という気がするので…。

『夜のフリーペーパーmidnight vol.5』デザイン
友人の北枕ふか子と一緒に作っているウソ100%のフリーペーパー、2年ちょっとの時を経ての最新号。また好き勝手にデザインさせてもらった。毎号ページを増やしているので今回は本文だけで20P、ウソだけで構成された24Pのフリーペーパーです。フルカラー。忙しかったのでズババとデザイン・入稿し(頼むミスよ起こるな!)の祈りが通じたのか無事にできて文学フリマの当日もたくさん持っていってもらって安心安心!……だと思っていたのだが、先日ふか子に渡した際、H2がvol.4のものと差し変わっていることに気づいて絶望した。ドタバタ入稿ダメ絶対。

鳩ほがらかアンソロジー「鳩のおとむらい」
『白く底光りのする』掲載

藤井佯さん主催のアンソロジーに参加した。物語に鳩が出てくることが条件の2000字以下の掌編で、飲み屋で仲良くなった女性とヨガの体験会にいく話を書いた。考えてみたら鳩どころか鳥をモチーフにしたこともほとんどないので、どういう物語の運びにしようか迷った。本当にあらすじどおりなので、鳩がどういう感じで登場するかチェケラしてね。藤井佯さんはXのスペースで掲載された全作の感想も行なっていた。77作もある。本当にすごい。

12月

X(Twitter) #リプライでもらった架空の地名のお話2023 開始
毎年恒例になっている企画、いまやってるやつ。最後のひとりを書くまでお題を募集していますので、どしどし応募ください。平日・週に2〜3と更新ペースは牛歩なんですが、いまのところ募集数がそこまで多くないので1月中には終わるかな〜という感じです。昨年と同じようにリプライツリーでつなげてるんですが、明らかにインプレッション数が減っており(仕様が変わったからか…いや純粋に飽きられたからか…)など思ってます。でもお題いただいて考えて書くのは楽しいんで多い少ないではないんですが……。まあとにかく募集してます!よろしくお願いします!


昨年に引き続き、アンソロジーに参加表明したり、お声がけいただいたりと書いたものが多くの人に読んでもらう機会に恵まれた年でした。自分で2回もやったからかもしれませんが文学フリマにおいてアンソロジーのジャンルが増えているような感覚があり、私も呼ばれるようになりたいな〜、でも掌編ばっかりで長めの作品をWebなどに載せていないので、なかなかむずかしいよな…とか考えたりしてます。

それでも、来年もたくさん書いたり作れたりできたらいいな〜と思っているので、いろいろお声がけくだされば本当に嬉しいです。書くし作るし手伝うよ!誘ってね!!どうぞよろしくお願いします。

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