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月極放置自転車

先月から毎朝、うちに自転車が放置されている。
夜になると、その場から無くなっているからタチが悪い。

だけど、両親が亡くなって一人で暮らすアタシはそこそこ忙しく、
ご近所付き合いもしておらず、この放置自転車をどうにかすることもできない。
まぁ邪魔ではあるけど、別に害はないからいいんだけど。

アタシは宝くじ売り場で勤務している。
高校時代からの友人である、霧島まどか・28歳からは「マジで」と鼻で笑われる。
言っておくが、ターミナル駅そばにあるアタシが働く宝くじ売り場はそこそこ忙しい。まどかに笑われるような職場じゃないし、まどかより頭を使って働いている自信もある。

あと。スクラッチくらいなら、当たりそうな顔の人がなんとなくわかってきた。ほうれい線の濃い人は当たりやすい(アタシ調べ)。

ある日、職場に(売り場)に自転車が止まった。サドル下のシールから察するに、アタシの家の放置自転車だ。

乗っていたのは、身長170センチ近くはありそうな、髪の長いキレイな女性だった。切れ長の目は一度見ると忘れられそうにない。
「え……」

彼女はサマージャンボ宝くじをバラで大量に買っていった。
彼女は何者なんだろう。

夜、家に帰ると自転車はなくなっていた。

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