Setoka Natsumi

Setoka Natsumi

最近の記事

【積読を買いに⑦】本屋さん探訪vol.4 神保町ブックセンター

本屋さんめぐりのボトルネックは、自分の体力である。本棚をくまなく見て購入する本を決定して会計をし、次の本屋さんまで歩き、また本棚を見る……という繰り返しで、足が休まるところがない。 複数の本屋を巡りたい日は、必然途中でブックカフェ等カフェが併設された本屋さんを道程に組み込むことになる。 神保町ではここに寄った。 神保町駅から地上に出ると、いの一番に目に入るのがこの神保町ブックセンターだ。「疲れたらここに入ろう」と最初から目をつけておいていろいろな本屋を回り、疲れたところで

    • 【積読を買いに⑥】積読に関する考え方

      前回までのあらすじ 本屋めぐりをしている。前回はハリ書房。 積読のプレッシャー 昔は積読が少し怖かった。 読みたくて買った本が、実際に購入して部屋の片隅に置いた瞬間に、こなさなければいけないタスクのように感じられる。読書は楽しい趣味であるはずなのに、やるべきことをやっていないときのような焦燥感に駆られる。 「本を読みたいのに読む時間がない」 がいつしか、 「本を読まなければいけないのに読めていない、そんな自分は読書家を名乗る資格はないのではないか」 と、アイデンティティ

      • 【積読を買いに⑤】本屋さん探訪vol.3 ハリ書房

        前回のあらすじ 忙しくて本を読めない生活にほとほとうんざりしたので、会社を辞めて本屋めぐりをすることにし、二軒目としてROUTE BOOKSに行った。 神保町本屋めぐり 会社を辞めたので、平日も本屋さんをめぐりほうだいである。 神保町は土日に閉まっている本屋さんが多く、会社に勤めている頃はなかなか行ける日がなかった。だから会社を辞めたら、まず行きたいエリアだった。本屋さんが密集していてこのnoteもはかどりそうだし、本とだけではなく本屋さん自体とも偶然の出会いがありそう

        • 【積読を買いに④】本屋さん探訪vol.2 ROUTE BOOKS

          前回のあらすじ 忙しくて本を読めない生活にほとほとうんざりしたので、会社を辞めて本屋めぐりをすることにし、一軒目としてBookshop Travellerに行った。 特別に美しい本屋 本屋巡りの事前の情報収集で の2冊を読んだが、その双方に出てくる本屋さんがある。 ROUTE BOOKSだ。 『東京の美しい本屋さん』では、その表紙も飾る。 インターネットで簡単に本を買える時代に、それでも本屋さんに足を運ぶ理由はいろいろ考えられる。選書の良さ、本との偶然の出会い、応

        【積読を買いに⑦】本屋さん探訪vol.4 神保町ブックセンター

          【積読を買いに③】本屋さん探訪vol.1 Bookshop Traveller

          前回までのあらすじ 本が読めない生活にほとほとうんざりしたので、会社を辞めて本屋めぐりをする準備をした。 https://note.com/setoka_natsumi/n/n21bae4f05fdc 最初の本屋さん 最初にどの本屋さんから訪れるべきかは、本屋さんを調べるうちにおのずと決まった。Bookshop Travellerだ。 下調べをするために読んだ本の4冊の内、実に3冊に携わり、BOOKSHOP LOVERも運営する和氣正幸さんが営む本屋さん。数々の本屋さ

          【積読を買いに③】本屋さん探訪vol.1 Bookshop Traveller

          【積読を買いに②】本屋めぐりの理由・ルール・準備

          前回のあらすじ 多忙なあまり読書週間を失ってしまうような人生はナンセンスなので、仕事を辞めて本を読むことにした。 https://note.com/setoka_natsumi/n/n071f64906bc9 始動 週明けから退職交渉を進めると同時に、個人事業主としての独立の準備も始めた。 本当は、 「本で食っていく!」 「無職で本だけ読む!」 みたいなほうがかっこいいのかもしれないが、本を買うお金を確保しなければ元も子もない。ぎりぎり食い扶持を稼ぐだけではなく、「ほし

          【積読を買いに②】本屋めぐりの理由・ルール・準備

          積読を買いに

          親戚の結婚式で上京したという友人に会う機会があった。実に3年ぶりの再会だ。前回はわたしが最後に帰省した時に会った。 人格形成期にあんなにも毎日一緒にいたのに、地理的に離れると全然会う機会がない。特に昨今の感染症のせいで帰省も喜ばれない。久々の再会がとても楽しみだった。 彼女とは、地元で中・高時代を一緒に過ごした。ふたりとも小説が好きで、一緒に図書委員を務めたのが仲良くなったきっかけだ。 彼女とわたしの小説の趣味は、今思えばけっこう違った。私は外国文学と、その影響を受けた日

          積読を買いに