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人間嫌いを実感した話


Twitterのタイムラインを見て、どっと疲れて。

街中に飛び出してみて、どっと疲れて。

人と話して、またどっと疲れが出た。


各々が何かを批評し、誰かを否定し、正義のヒーローにでもなったかのような理論が崩壊した善人論を放ち、自分自身の価値を何度も言い方を変えて猛アピール

己の願望だけを押し付けるようなチケットノルマ、勧誘、お願いごとの連絡の数々



その多くの言葉は、誰かのために生まれた言葉ではない。

自己満足だ。


自己満足の何が悪いと言われてしまえばその通りだが、今の私にはその全てがしんどい。

「選挙行ってきました♡」というツイートすら、「私いい人でしょ??」ということをアピールするためだけに発信しているとしか思えない。

いや、でもそれで票数が増えるならいいことなのか・・・と、心で呟いた。

あえて人にアピールすることでもないようなことをわざわざ大音量で発信している光景にほんの少し当てられて、そっとiPhoneの画面を閉じた。


久しぶりに、街に出てみようと思い外に出るとマルチのお姉さんたちに声をかけられて、これまたどっと疲れた。

「この辺で、いい飲み屋知りませんか?え、てかお姉さん背が高いですねー!私も背が高いのですごい親近感です!!え、良かったらお友達になりませんか?」

言葉って、こんなにも血が通っていないものだったろうか。

なんの思いやりもない、己の欲だけのために取り扱われる言葉たち。


そして極めつけは、先日お会いした人から鼻に付く程の自慢話とマウント取りを長時間されて自分の心にはっきりと思い浮かんでしまった言葉がある。


そうか。そもそも私は人そのものが嫌いなのかもしれない。


その瞬間全ての糸が繋がって、激しい吐き気に襲われた。

誰かを消費しようという手ってこんなに世の中に沢山あったけ。

あれ、私ってこんなに人が嫌いだったっけ。


やばい、私今ちょっと一旦立ち止まった方がいいかもしれない。


今度は人を見るだけで、吐き気に襲われた。



助けて

たすけて

タスケテ・・・


気付いたら、友達にLINEを飛ばしていた。

あ、私って頼れる人が今2人いるんだ。

とっさに思い浮かぶ人。


話がまとまらなくても、「話が長い」なんて茶々を入れずにずっと聞いてくれる。

すっぴんで会いに行っても「いい歳なんだから化粧しなさいよ」なんて言わない。

顔がむくんでる日に会いに行っても「今日、顔 不細工だね」なんて言わない。

にきびができた日に会いに行っても「吹き出物」なんてあえて言わない。

ぐちゃぐちゃに泣きながら電話かけても「今どこ?ちょっとまってて」って言って何も聞かずに来てくれる。



あー、そうか。


私、普段人と会う時けっこう無理してるんだなぁ。


人を嫌いだと思う心理には、私なりに答えがある。

その人が嫌いなのではない。『その人に接触してる時の自分が嫌い』なのだ。


私は、上辺な言葉が心底苦痛だ。

しかし、それ以上に求めていない時に”他者から自分の評価をされること”の方がずっともっと苦手だった。

故に、その言葉を相手に言わせないために”嫌いな自分で”どうしても立ち回ってしまう。

私は、人を嫌いになることが苦手だ。

嫌いになるくらいなら、多少の我慢はできる。

私は、充分今の自分のことが好きだ。

だから、人から安易に評価されたくない。

好きなものを否定されたくないから。


私はよく、人間関係や発信の世界(Twitterなど)をお芝居の世界に例える。

お芝居の世界では、いかにも嘘くさい芝居は好まれないことが多い。

これは、リアルな世界にも当てはまる。

そして、目立ちたがりな役者は他の人などお構いなしに芝居の世界観を壊していく。これを個性と評価する人もいるが、私は正直、苦手だ。

お芝居の世界において、最も好感が持てて見ていて存在感を放つのは『他の役者を生かす役者』だと私は思っている。

ものすごい観察眼で、相手を活かす役者さんは本当に美しい。

私はそんな役者さんが大好きだった。

そして、リアルな世界でもそんな人が好きだ。

美しい。

好き。大好き。



だからこそ、私は相手を生かせない会話回しをする人が苦手だった。


ポジショントークが苦手。

傷跡を残す事を目的に、性の暴露をTwitterでする女性が苦手。

否定から始まる会話が苦手。

男性が、街中の女性の顔を無神経に評価し口にするのが苦手。

フォロワー増やしだけが目的の、ツイートが苦手。


SNSの発達のせいだろうか。言葉そのものが、簡単に誰にでも取り扱えるものだからだろうか。

血の通わない言葉が、世の中には溢れすぎているように私は思う。

己の私利私欲のための言葉。

魂が本気で震えるような、心の動く瞬間が好き。

そういう人に、もっと会いたい。

好きな人に会いたい・・・



あ。

良かった。

私人そのものが嫌いなわけじゃなかったんだ。

そんなことをぐるぐると考えた日。

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