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SE7EN

49階から見下ろす街は生きていた
フェンスの向こう側は自由だった
君はいつも金網に手をかけては
バレエを踊るように泣いていた

これまでとこれからの境目で
ついた嘘を数えては指を折る
星空と高層ビルの境目で
笑った夜を数えては涙ぐむ

7回目の木曜日が雨なのは
踏切の警告灯に見惚れたから
夜を駆け抜けて君は踊る

屋上から見下ろす街には何もない
フェンスの向こう側にも何もない
僕は今も金網に手をかけては
震えている 震えている

これまでとこれからの境目で
笑った夜を数えては涙ぐむ
曇天と高層ビルの境目で
ついた嘘を数えては指を折る

7回目の金曜日が白なのは
踏切の警告灯に見惚れた君に
僕が見惚れてしまったから

7回目の土曜日が来ないのは
自分でもとうにわかっていたさ
ずっと前から決めていたんだ

7回とも会いたくて会いたくて
ただ君に会いたくて会いたくて
ずっと前から決めていたんだ

夜を駆け抜けた君を追って
僕は今星空と高層ビルの境目に
踏み出した  踊るように

49階から見下ろす街は生きていた
フェンスの向こう側は自由だった
君はいつも金網に手をかけては
手招きするように笑っていた

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