Good Morning Alaska

着陸のアナウンスに目を覚ます
エコノミーの形に曲がった身体
雪が舞う 一面銀色の世界だ

読めないターミナルの出口を出て
タクシーに乗りたいけど 歩こうか
冬の花 拾い集めるようにただ

君がいなくなって今日までずっと
僕はモノクロの世界を生きてきたけど
案外白い世界というのも悪くないなと
そんなことを思うほどに美しい世界だ

夜になると涙を流し 朝目を覚ます
時計の針とともにただ過ぎる日々
雨が降る 一面灰色の世界だ

夜の来ないこの世界の端っこなら
もう泣かないでいられるのかな
雨が降り 泥濘んだ灰色の道

君がいなくなって今日までずっと
僕は夜が来るのがいつも怖かったし
君だけがいない世界が明けることで
言葉にできない感情に殺されていた

でもここに来てわかったことがある
朝も夜もない銀色の世界の端っこで

夜があんなにも苦しいのは
立ち止まった君との距離が
離れてまた冬が終わるから
笑った顔ももうおぼろげで

どこまでも道は続いているけど
それがいきたい方なのかわからない
時が過ぎ いずれまた会えるまで

君がいなくなって今日までずっと
僕はモノクロの世界を生きてきたけど
案外白い世界というのも悪くないなと
そんなことを思うほどに美しい世界だ

夜の空と北極星
オーロラと空に舞う花
雷が春を連れてやってくる

誰かの呼ぶ声に目を覚ます
ベッドに固定され曲がった身体
蛍光灯 また見知らぬ天井だ

知らない誰かに名前を呼ばれる
答えたいけど声が出ない 窓の外は
雪が舞い どこまでも冷たい世界だ

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