小島節子

心・体・声と表現を結ぶボイストレーナー・女優・シンガー・セラピスト。宝塚歌劇団の女優、…

小島節子

心・体・声と表現を結ぶボイストレーナー・女優・シンガー・セラピスト。宝塚歌劇団の女優、劇団四季の俳優・大劇場やTV・映画など第一線で活躍中の俳優・声優を中心に、声や演技、表現に関わるトレーニングやメンタルセッションを提供。

最近の記事

美は1日にして成らず

今やTOPスターであるある方に 『これやれば上手くなる 発声を教えてください』 と言われたことがある。 ビジネス感覚のあるトレーナーなら これをやって! とプロモーションしたかもしれない。 私ははっきり 『そんなものはない』 と言った。 『今』必要なものは刻々と変化するし 子供の時の服は必ず 着れなくなる時がくるのと 同じなんだ。 『今』必要なことを 必要な分 必要な力の負荷をかけて トレーニングするのが私の仕事だ。 もちろん、技術、感性、身体や意

    • 『小島節子 オンラインサロン』開設のお知らせ

      この度、DMMオンラインサロンにて『小島節子 オンラインサロン』を開設しました。 『小島節子 オンラインサロン』で私が伝えていきたいことは「美意識」です。 「美意識」は、人生をより豊かに自由に、創造することができます。 ⻑年、表現者たちに伝えてきたことを、表現を生業とする方々だけでなく、 一人でもたくさんの方々に届けたいと思い、『小島節子 オンラインサロン』を開設することを小島節子は決めました。 下記のURLより『小島節子 オンラインサロン』の詳細をご確認いただけます。

      • 活きのいい魚であり続けるために

        先日、ある劇団の 若手だけの公演を観劇した。 若手の公演はこなれた感じはなく ひたすらな熱で挑んでいる感じ。 そんな中に、ひときわ 『活きのよい魚』 のような人がいた。 なんというか。 私は初めてこういう人を観た。 ゆったり泳ぐ魚の中に 1匹だけ 抜群な鮮度で泳いでいる魚のようなのだよ。 ベテランの方の演技は確かに こなれたり、安定感もあるだろうし 探求力もあり、技術もある。 新鮮さや鮮度ではない、熟練度や器用さや巧み。 ただ、これはもうけっこう お腹が

        • 表現におけるzoneと悦

          今日は久しぶりに観劇で感動した。 この仕事をしているとどうしても、  お誘いや仕事の関係の方を 観に行くという感覚で もちろん、自分のクライアント の方の成長や華やかさに 感動したり、涙することもたくさんある。 そして、今日はちょっと違った。 私の出演する作品を一度観に いらしてくださった あるスターの方が出演の舞台だった。 その方がどんな風になられているかなぁ という興味もだが、作品を観たかった。 ある劇団にいらして退団され数年が 経っている方。 そして想像

        美は1日にして成らず

          夏の喉のために気をつけたいこと

          四季のある日本では季節ごとに 喉にかかるストレスも身体同様です。 最近、風邪をひいている クライアントさんが多い。 湿度が高い日本は喉に潤いが あるのでは? と考えがちですが 湿度も気圧が不安定なため 身体にその圧がかかり 体内の血液や水分の循環が悪くなります。 夏の暑さで水分が失われやすくなりがち ですが 冷房の肌にあたる風が冷えの原因でも ある。 水分の補給の仕方には注意が欲しい季節。 喉を良い状態に保つために こまめに水分補給を行うこと。 冷たい飲み物は

          夏の喉のために気をつけたいこと

          表現力の向上と潜在意識

          表現力と潜在意識は密接に 関連しています。 前半は精神分析用語として 使われている言葉を使いますね。 潜在意識とは 意識に届かない心の深層部に 存在する信念や感情、欲求 などのことを指します。 これらの潜在的な要素は 日常の表現に深く関連づいて います。 自己表現力が高い人は 自分自身や周りの人々に対する潜在的な感情や欲求を自然に表現することができます。 一方、表現力が低い場合い (高い、低いの問題では ありませんが、わかりやすさで あえて【低い】と言う表現)

          表現力の向上と潜在意識

          プロの輝きと生き様

          プロは舞台の上やスクリーンの中で 本当に活き、生きている。 夢や感動を与える。 私も音楽と演劇と運命的に出会い その人生を生きる1人であろう。 プロは長年の経験と継続的な トレーニングによって 演技の技術や表現力を高めているため スキルや経験がアマチュアに比べ豊富だ。 自分自身を演技に必要な 身体や心の状態に維持するために 日々、健康管理やトレーニング 食事や睡眠の管理などの 自己管理能力も高い。 それは時代性も増して必要不可欠。 私は最も自分がプロとして 最

          プロの輝きと生き様

          声の美しさと歌唱力の高さは別なこと

          声はその人の個性でしかないのだが。 声が美しいといことは 音質や音色が心地よく 感じられることを指します。 歌が上手いというのは一般的には メロディーを歌いあげ 歌詞を深く感じきり表現する。 聴衆に素晴らしい感動を 提供することを指しめすのでしょう。 声が美しいと思われる人が 必ずしも歌が上手いわけではなく また、歌が上手い人が必ずしも 『声が美しい』とは限りません。 歌唱力を評するとき 声の美しさと技術面、 歌う力と表現の深み を考慮しながら私はレッスン

          声の美しさと歌唱力の高さは別なこと

          感情感覚と発声の相関関係

          感情感覚と発声の相関関係は非常に 深いものがあります。 感情が高ぶると 声のトーンやリズムは変化し それが相手に伝わります。 逆に、感情が穏やかな場合は 落ち着いた声が出ることが多いです。 感情が大きく激しい時 声が荒くなったり 声をはり上げたりすることが あります。 一方で、感情が穏やかな場合は、 声が低くなったり  モノトーンになったりするのです。 これは、感情と声のトーンが 相互に影響しあっているためです。 さらに、発声には 意識的にコントロールできる

          感情感覚と発声の相関関係

          呼吸バリエーションと姿勢の関係が美の根源である

          現代人の姿勢は本当に 悪くなっている。 背骨が曲がり首から頭が 落ちていたり 腰が反ってアゴがでていたり 様々だ。 姿勢が悪いと呼吸の質は ガタ落ちする。 皆さんもよく耳にする ⚫︎胸式呼吸 ⚫︎腹式呼吸 全く持って大雑把な 表現で呼吸に名前つけたなぁ という感想。 医学的にはこの表現なの だが 表現芸術からすると 呼吸は卓越した 技術と共に使われる。 音大時代に先生が 『お腹に息を入れて!』 と言われ 「お腹に息入ったら人間じゃ ないけどっ」 と斜

          呼吸バリエーションと姿勢の関係が美の根源である

          あなたがひとつの色である真実

          桜が散りはじめると 新たなスタートが始まったと 私は感じてしまう。 時の波と上手に付き合えているのかと ふと思ったり。 今日はテクニカルや表現の話しではなく あ、いや もしかしたら表現の話しかもしれない。 私が最初にヨーロッパに行ったのは 大学を卒業して一年くらい経った頃。 贅沢にも大学院浪人をさせてもらい 親には悪いが、勉強もせずに ある種腐っていた時期で ただ歌うことには必死であった時期。 なんとなく腐っている私を見兼ねて ヨーロッパに出してくれた 親には

          あなたがひとつの色である真実

          表現とエネルギーと方向性

          最近は本当に緊急度の高い 仕事が多い。 歌のステージ、ミュージカルの オーディション、台本の 分析やその作品の本質的な 意図を汲み上げる。 表現者達の様々な課題や葛藤 は様々だ。 様々なフェーズで活躍する 方々で、そのスキルの質も 様々ではある。 そして、その多くの 根本的な原因のベースと なっているのは 自己の性格や性質が どんな風に形成されてきたかも その表現者の感覚感性に 大きく影響している。 舞台やステージの上は 日常では表現出来ないことが 出来る場だ。

          表現とエネルギーと方向性

          言葉を話すことにおいての「音」

          舞台を観ていて 俳優の台詞がなんだか スーッと頭の上をかすめていってしまう 感覚になる時がある。 キャラクターとしては 活きているのに キャラクターと役と演者がピタッと はまってない。 例えば20代の若い方が 80歳の老人を演じれば 見かけはメイクや衣装でいくらでも おばあちゃんになれるが 声はやはり老人になれない。 声優さんのレッスンなどでも 『老け役』が出来るかは 仕事を取る上で大事らしい。 女性が男性の役をやるなども 同じような原理でもある。 ボイストレ

          言葉を話すことにおいての「音」

          季節と喉の付き合い方

          レッスンにいらっしゃる方々が 花粉症だと訴える。 季節柄仕方ないが 花粉症はそもそも私が生まれた頃には無いものだったと思う。 大気汚染や食べ物 環境や住空間の変化で 起きたアレルギーである。 春は花粉症 夏はクーラーによるトラブル 秋はブタクサアレルギー 冬は乾燥 1年を通して身体も喉も バランスを崩しやすい。 そもそも江戸時代にアレルギー 自体が無かったんではないかと 想像する。 花粉症の方は粘膜に炎症が 起きているため 浮腫みも生じ声が出しにくく なるし、響き

          季節と喉の付き合い方

          世界が歳をとっても

          世界は太鼓の昔から 現在に至るまで様々な 発見や創造性で 変化し続けてきた。 それは進歩であって 進化とはまた別な状態なのだと 考える。 世界は闘いにまみれ 親和から遠のく。 なぜか。 物質やプライドが あるからなのだ。 私は世界は歳をとっていっているの だと思う。 地球もあと数億年。 太陽もあと100億年くらいで 消滅すると天文学者は言っている。 つまりもう地球なんて 老後に入ったのだと思うのである。 だからあるがままの自分を 需要、受容をし自分の財産は 惜し

          世界が歳をとっても

          演じるから演ずるへ向かう

          LAからアクティングコーチの レジェンドであるIvanaが来日しワークが終わった。 私も2016年、2018年とLAに渡り、 日本でのアクターとしての登壇は2回目。 彼女は演じることをやめさせる。 人間は日常で様々に自分を演じている。 演じわけている。 顕在意識は日常が自分にとり都合良く、 安全であるように、日々、無意識に演じるのだ。 人間100%演じて生活しているのだ。 何かの役割を果たすために。 自分にとり状況が安全であるために。 例えば素敵な男性の前で、

          演じるから演ずるへ向かう