次のトレーニング
マスタリングの新しい実験を昨日から始めました。
素材は今から20年ほど前、私が20歳の頃に作った2mixです。
Windows版LogicでRoland XV-2020などを鳴らして作っていました。
砂原良徳さんは、買ったCDを全て自分でリマスターしているというエピソードがありますよね。
私もそうやって実験するようになりましたが、市販の曲や仕事で作った曲だと自由に扱えないので、これを近況報告代わりにアップしてみようかと。
あの頃の宅録って、多くの素人は素人なりのものしか作れませんでしたよね。
今はプロとアマの制作環境の差が無くなりつつあって、それ故に終わりのない壮絶な課金ゲームが繰り広げられていて、私はある意味そこから降りてみた訳ですが。
#ただでさえ円安が進みすぎて厳しい
#弱者の戦い方を規模を広くして考える
当時は鹿児島市の中郡に住んでいて、曲を作ってはCD-Rに焼いて配っていました。
同級生や毎週土曜に弾き語りライブをさせていただいていた喫茶店の関係者、近所のダイエーにあったCDショップや谷山の楽器店の店員、あと、家庭教師で通っていたご家族にも。
家庭教師の時なんて、そのお宅にグランドピアノがあったので、授業の後にいつも弾かせていただいていました。
あの時なりに頑張って作っていましたが、今聴くとキックが行方不明だったり、パンの振り方がめちゃくちゃだったりする。
ミックスやマスタリングという考えが無かったので、頭の中の音と実際に鳴っている音が一致していない。
つまりは、音を聴くことが出来ていない。
それでも。
曲は今でも気に入っていて、それは単に思い出補正じゃなく、当時から私が成長していない証拠なんでしょうけど。
ちょっと蘇らせてみようかと。
フォークソングが好きで、現代音楽にのめり込む前の素朴すぎる曲ばかりです。
手始めに昨日1曲マスタリングしてみたら、取り敢えずの音決めは数十分で終わりました。
先日お預かりしていた曲なんて、20日間以上掛けても決まらなかったのに。
気が狂いそうになりながらも、その曲に鍛えていただいたのでしょう。
今回の実験はマスタリングだけでなく、各SNSへの動画投稿のトレーニングにもしたいと考えています。
先日もXの立体音響界隈で話題になっていましたが、いざ動画を投稿しようとして意図と違う音になるとか、めっちゃ「あるある」ですよね。
まあ、私の動画は相変わらずの静止画だし、そうこうしているうちに、また仕様が変わっちゃうんでしょうけど。
鈴木おさむさんの『仕事の辞め方』に、30代前半は「実力を作って『本物の自信』を掴む」とあります。
私の30代は人気も実力もある方々とのご縁に恵まれて、そこで満足したつもりは無かったものの、更なる成長をサボっていたんじゃないか。
当時から「金魚のふん」を自認していましたが、今になって、ますますそう考えます。
山口周さんが「少数派であることがなぜ重要なのか?」と投稿されたように、今の私の取り組みをビジネスの観点で捉えると「レッドオーシャンの市場に大した差別的優位性もなく後発で飛び込むというのは戦略として最悪」なんだが。
私がマスタリングに取り組むのは「音を聴く人になる」という生き方の問題。
音を聴くことなく仕事できてしまった過去への反省と申し訳なさと、これから作りたいものへの希望と絶望と。
今朝の西野亮廣さんのVoicyは「乗る船を間違えると、努力は報われない」というテーマでした。
#オンラインサロンの集客の話題にも大きく頷いた
その中で、イジメへの立ち向かい方として次のように仰っていました。
「貴方がイジメっ子には目もくれず、貴方の時間を貴方に使って、そしてチャンスを掴みとって、幸せになること」
「これが正しい復讐であり、最大の反撃」だと。
西野さんも絵本作家になってから「イジメられる奴に原因がある」という暴力をたくさん受けたが、そうやって集団で暴力をふるってきた人に「絶望的な差をつけてやろう」と「僕は僕に時間を使って」自己研磨し、ブロードウェイへの前人未踏の挑戦など、今のご活躍がある。
こういう生き様に、いつも鼓舞されています。
昨日も書いた通り、マスタリングの勉強はやらざるを得ないもの。
でも、それ以上に。
ある若者が作曲を始めたきっかけとして、私が音楽について語るのを見て「あんなに楽しそうな大人が居るんだ」と思ったことを挙げてくれましたが、あの頃のギラギラとした目を、マスタリングに取り組むことで少しは取り戻せているんじゃないか。
さあ、多く試し、速く失敗しよう。
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