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ストレステスト

いま、あなたの心の中には、どの様な音楽が流れていますか。
 
「ストレス」と言う言葉、毎日のように、見たり、聞いたりしているかと思います。
そもそも、「ストレス」の意味ですが、「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態」の事の様です。

その外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因などがあるそうです。
特に、社会的要因がイチバンの問題かも知れませんね。

厚生労働省では、職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等としてのストレスチェック制度の導入を呼び掛けています。

では、ストレステストとは何か?

これも様々な事業で使われている言葉ですが、今回は金融におけるストレステストについて、お伝えしたいと思います。
 
最近では、SVB(シリコンバレー銀行)の破綻がありましたが、銀行が破綻するには、様々な要因がありますが、最大の要因は急激な預金の流出かと思います。

例えば、先ほどのSVB破綻や、株式市場の暴落など、金融市場に不測の事態などが発生した場合、預金者は現金を手元に置くことが安全と思い、銀行などの預金機関から預金を引き出します。
通常で想定している預金引き出しより、多くの引き出し要請が発生すると、預金機関の手元の現金が不足する可能性があります。
さらに、預金機関が保有している高流動性資金以上の引き出しが続く場合には、払い出しに対応しきれずに破綻と言うような可能性も出てきます。
銀行などの預金機関の保有資産が、債務超過でなくとも破綻の可能性があると言う事です。

過去には世界恐慌など、過度な預金引き出し(取付騒動)により、多くの金融機関が破綻しています。
 
特に、SVB破綻の例にもあるように、ネットを主な主戦場としている預金機関などは、預金者の粘着性が低い(高い金利だけが目的)ので、その傾向は顕著となります。

その様な、不測の事態に備えて預金機関などでは、いわゆる金融システム危機に耐えて業務を継続できるかどうかを調べる様々なストレステストを実施しています。

これは、銀行などの預金機関だけではなく、例えば、投資信託を運用する投資運用業においても同じです。投資信託とは、受益者からの資金を株式や債券といった有価証券に投資することで運用しています。

金融市場の不測の事態により、投資信託の解約請求が大幅に増えた場合には、現金化を急ぐ事になります。
例えば、東京証券取引所では、株式の取引が成立した日を含めた3営業日後に受け渡し、株式の現金化が行われます。

さらに、金融市場の不測の事態となれば、多くの投資家が株式売却を行う事から想定より低い価格での売却になってしまったり、さらには売却注文が殺到し、取引が成立しない可能性もありす。
特に、流動性の低い中小型株や、マザーズなどの新興市場の銘柄には、その可能性が高くなります。

その様な事を念頭に、各社はストレステストや、流動性のチェックなどを日次・月次などで行い、投資家や預金者の保護につとめているようです。
 
ちなみに、日本の監督当局も指針や検査などで、金融機関に対して頑健な業務運営を求めています。
 
なお、日本特有の条件として、金融市場の不測の事態とは別に、巨大地震発生などの大規模災害による不測の事態についても、ストレステストを実施することも考慮しています。
 
本日の1曲は、プリンセス プリンセスで 『世界でいちばん熱い夏』です。

 
本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。
 

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