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公開中の映画評、過去作とかもたまに書く。
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2022年3月の記事一覧

映画『マイ・ジェネレーション』/可能性に満ちた「若さ」の街。

 ずーーーーーっと観たかった映画!!  『マイ・ジェネレーション』をついに観ました!!!  本作のあらすじです。(映画.comより引用)  「スウィンギング・ロンドン」というのは、「1960年代のロンドンで生まれた、新たな若者文化。音楽やファッション、映画やライフスタイル」のことを指す。ロンドンは60年代には、間違いなく世界で最もクールで、夢見る若者がこぞって集まった街だったのだ。  この映画はその時代を彩った複数の才能ある人物たちが登場する。聞き手・プレゼンターは、

映画『サムサッカー』/不良にもマザコンにもなれない、男の子たちに捧ぐ。

 映画『サムサッカー』(2005)(原題:Thumbsucker)を観たぞ!!以下あらすじです。Wikiより引用。  そもそもタイトルである「サムサッカー」ちゅうのは、英語で"Thumbsucker"、つまり「親指吸ってる奴」という意味なんですわ。  親指を吸ってる高校生は正直、ちょっと変。それはやっぱり親指を吸うのは普通は赤ん坊がやることだから。  だから主人公のジャスティンもそれをやめたい…というのは無理な話だったんです。だって彼は赤ん坊特有の素質をまだ持っていたか

ついに観た。超問題作、THE BATMANを語り尽くす。

 バットマンは紛れもなく、僕が世界で一番好きなヒーローである。  はじめて『ダークナイト』を観てから、僕の人生は「ダークナイト以前」と「ダークナイト以後」に分かれてしまった。それくらいの衝撃だった。  マーベルでは決して体感できないあの感じ。無頼派というべきか、決して他のヒーローの助けを借りようとしない(というかできない)バットマンは、あくまでチームとして立ち向かうマーベルヒーローたちとは、決定的に違っていた。  しかし、その後に誕生した、DCEUと呼ばれる、DCコミッ

シラノに見る、人間ができる最大の自己犠牲。【映画:『シラノ』評】

 映画『シラノ』、今日観てきましたよ~~!!  ミュージカルというか戯曲の名作だったんだよね、全然知らなかった。まだまだ知らない教養ばかりですわ、ほんとに。  エドモン・ロスタン作の本作は、初演が1897年12月28日にフランスのポルト・サン=マルタン座で行われた。  そもそも、この戯曲の主人公のシラノ・ド・ベルジュラックっていうのは、17世紀を生きた実在の人物で、剣術家であり、思想家であり、作家であった。映画にも登場した戦争で大けがを負ってからは、退役して作家に転向し

ドラえもんでしょ?(笑)と言う人に見せてやりたい。【のび太の宇宙小戦争:リトルスターウォーズ2021】

 最近、僕のTwitterのタイムライン上でこの映画が絶賛されていて、SF好きとしては見なくては!!と思い、思い切って鑑賞。  結果から言うと、すごくすごくよかった。  ちなんでいうと、僕は原作も読んでいないし、1985年のバージョンも見ていない。その辺はご了承いただきたい。  タイトルからもわかるように、元々は2021年に公開される予定だった本作。まる1年間の延期がされて、今年の3月4日にようやく日の目を見た。  しかし、この映画、運がよいのか悪いのか、ウクライナ対

今、暇な人~?『ゴヤの名画と優しい泥棒』を映画館に観に行ってください!

 何気ない気持ちで見た映画が、とんでもなく良いことがある。そんなことは稀だが、今日、それが起きてしまった。  この『ゴヤの名画と優しい泥棒』はそんな映画だった。  日本映画会社は、元のタイトルではあまり日本人には馴染まないだろうと感じた海外作品のタイトルを、どんどんと改変していく傾向にあり、この映画もその影響をもろに食らっている。  元タイトルは"The Duke"。日本語で「公爵」という意味。  この公爵というのは、スペイン出身のフランシスコ・デ・ゴヤ作の『ウェリン

【エッセイ】おい!!本ばっかり帯コメントずるいぞ!!映画にもつけさせろ!!〈1〉

 本についてる帯コメントに注目したことある?  帯コメントは、その本の編集者が書くことが多いけども、有名人が書いた本の場合は、その著者の知り合いの著名人に書いてもらうことが多い。  ほら、例えば、あいみょんが本を出したとしたら、おそらくその帯コメントを書くのは、米津玄師か菅田将暉とかじゃないか?と思うじゃない?  なぜかというと、同業者であるから、「そういう目線」でその人の作品をとらえることができるから。  編集者が堅苦しい文章で書くよりも、有名人が若干かっこつけてつ

ロックが、また反体制になった日の話。【ビートルズ:Get Back評】

 再上映が決まって、本当に嬉しかった。IMAXシアターがない都市に住んでいるから、絶対に見られないと思っていたのだ。  実家がある札幌市に帰省し、なんとか見ることができた。  この『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』は、1969年1月30日にビートルズが行った、客前(人前?)での彼らにとっての最後のライブを収めた映画である。  実は、ディズニープラスで見られる『ゲット・バック』でも同じ映像を楽しむことができるので、わざわざ見に行くこともないの