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もてはやされまくっている、ビートルズの『リボルバー』に茶々を入れてみようの回(1)

 さぁさぁ、『リボルバー』評、いきますよ。

1.『リボルバー』ってなんだ?

 ビートルズが1966年に発表した伝説のアルバム。それが『リボルバー(原題:Revolver)』

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 ビートルズ中期のアルバムで、僕がnoteの毎日投稿一発目としてアップした、『サージェント・ペパーズ』(1967)の前作にあたる。

 この記事でも書いたけど、『サージェント・ペパーズ』は、一度、世界一のアルバムになったこともあるような、モンスター・アルバムで、その影響力とセールスはマジで桁違いだった。その数、CDとレコード、ダウンロード件数を合わせると、なんと3200万枚。頭おかしいだろ。

(出典)http://www.we-love-soulmusic.com/pcindex.html

 プラス、すごいのは数字だけでなく、その発売年のグラミー賞の最優秀アルバム賞を受け取ったりして、音楽界からも正式に認められたのだった。


 しかーーーーし!!!!!!!!


 純粋に「ファンに人気」という点でみた場合、『サージェント・ペパーズ』は『リボルバー』よりも人気がないんじゃないか?と、個人的に思うのだ。

 そこで僕のこの意見に信頼性を持たせるために、Googleさんで

 Beatles Album Rank

 と検索し、いろいろ見てみた。


 例えば、大手雑誌のローリング・ストーンの2011年(古くてごめん)の独自の調査によると、『リボルバー』が、『サージェント・ペパーズ』を抑えて1位になったと報告されている。

 ほかにも、ファー・アウト・マガジンというウェブサイトの記事でも、『リボルバー』が『サージェント・ペパーズ』を抑えて、2位になっている。1位じゃないんかい!!という怒号が遠くから聞こえてきたが、1位は『アビー・ロード』であった。(納得)

 しかし、ビルボード誌発表の、音楽ストリーミングサービスSpotifyのユーザー調査では、『リボルバー』は『サージェント・ペパーズ』よりも下の6位になっている。急に低いな。でも、上には『アビー・ロード』や『ホワイト・アルバム』などが陣取っていて、ぐうの音も出なかった

 

 ではでは、海外のまとめサイト的なのが出してる記事も見てみよう。

 1つ目、UCRというサイトでは、『リボルバー』が1位。おそらく個人の見解なので、ソースとしては弱い。

 2つ目、musicradarというサイトでは、アンケート調査を行ったらしく(調査人数を明記していないあたり超怪しいけど)、『リボルバー』が全体の24%の票を得て、1位

 そして最後に、ALBUMISMというサイトでは、4021人のビートルズ・ファンにアンケートを取り、そのうち885票、全体の22%の人が、『リボルバー』を選んでいる。ちなみに、『サージェント・ペパーズ』は427票、全体の11%であった。

 このように、割と信頼できる媒体が行った調査でも、個人の意見でも、大体的に行ったアンケートでも、『リボルバー』が1位を獲ることはよくあるのである。

 実際、僕が知っているビートルズファンにも、『リボルバー』が好きという人が多い。これだけ素晴らしいアルバムの中から、苦渋の決断で選んだとしても、『リボルバー』が選ばれるのである

 あと、これは全然関係ないんだけど、ビートルズのオリジナル・アルバムのレコードで、手に入りづらいやつランキング第2位か3位なんじゃないかな。それぐらいレコード初心者が買っているんだと思う。


 しかし、僕はこれに、一旦、異を唱えよう

 あくまで一旦だ。理由は2つ

 第1に、僕の一番好きなアルバムが『リボルバー』ではないから。

 第2に、みんなが褒めてるから、褒めてるんじゃないの?普通に捨て曲とかあるんちゃうの??

 この2つ。


 1つ目の理由は説明不要だろう。じゃあ何か?というのはまた別のお話。

 それで2つ目がもっとも厄介だ。


 みんなが褒めてるから、自分も褒めるみたいな感情はよくあることだ。例えば映画でも、「好きな映画は何ですか?」と聞かれたら、「まぁ、無難に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかすかねw」みたいに答えてる奴、意外と多いんじゃないかあ??

 『リボルバー』を褒めときゃいい。と思っている人もいれば、妄信的に、『リボルバー』最高!と叫んでいる奴もいるだろう。

 でも、これでは『リボルバー』の本質は見えてこないと思うのだ。


 そこで!今回から、絶対的王者の名をほしいままにしている『リボルバー』の魅力を再確認して、本当にその立場に見合うほどの実力を持った一枚なのかを、独断と偏見で判断してしまおうと思っている次第です!

 では、レッツゴー!!!!!!!!

2.『リボルバー』制作の背景


 この辺は、正直Wikiを見ればいいんで、ざっくりとしたことしか書かないですけど、1966年ごろのビートルズは、度重なるワールドツアーで身体ともにボロッボロだったらしい。

 長い間飛行機に乗り、空港について、へとへとで飛行機から降りれば大量のメディア関係者に囲まれる。すぐに記者会見を開いて、毎回同じことを聞かれる。いざ、ライブの日になっても会場にたどり着くまでに一苦労で、やっとライブがはじまっても、客たちの歓声で自分たちの声なんてなんにも聴こえない。やっと終わったと思ったら、その足で飛行機に乗って次の国へ。

 こんな感じのスケジュールだと、身も心も壊れますわ、と。

 それで結局、ライブを一切やめてしまう。その決定打となったのが、フィリピンのマニラでのライブだった。マニラではライブ終了後に、当時の大統領夫人だったイメルダ・マルコスという人物主催のパーティーに招待されていたんだけれども、ビートルズのマネージャーのブライアン・エプスタインは、彼らが疲れ切っていることに気づいていたため、それを断る申し出をした。

 だけど、その連絡がうまく伝わっておらず、無断欠席をしたと誤解されてしまった。勘違いしてブチギレたメディアが国民を煽り、ビートルズの乗る飛行機がある空港に詰め掛けてきたらしい。彼らは殴られ、蹴られ、物を投げられで散々な目にあった挙句、飛行機の離陸許可が下りなかった。結局、ライブでの収益を全額収めることを条件に、彼らはようやく国を出ることができたらしい。

 いや、やば、、、

 こんなことがあっては、彼らのライブへの情熱は完全に失われてしまうのも当然だろう。

 『リボルバー』はこのような状況下において作られた。


 このような状況ゆえに、このアルバムは今までのアルバムとは全く違う表情をしている

 まず、最初に『サージェント・ペパーズ』と同じく、サイケデリック・ロックと呼ばれるジャンルに足を踏み込んだこと。これはこの記事👇でも説明しているけど、薬物を使ってトリップした体験をもとに、それを音楽で表現する音楽のことを指す。ビートルズもひょんなことから(ここでは割愛)薬物に手を出してしまったために、こういう音楽の表現にたどり着いたのだ。

 次に、ラブソングを極端に減らしたこと。ビートルズの人気が爆発したのは、彼らがアイドルとして売り出されたから。なので、彼らの音楽はわかりやすいラブソングが多く、そしてポップだった。『リボルバー』の前作の『ラバー・ソウル』からは、ポップさが減っていったけど、ほとんどの曲がやっぱり男女の間の話だった。

 でも、『リボルバー』はまったく違う。

 だって、1曲目は税金に対する文句の歌だし、2曲目はとある二人の老人に関する悲哀の歌、3曲目は「眠い、ほっといてくれん?」って言ってる歌なんだもん。

 はっきり言って、歌詞が男女間の恋について書かれてるのは、『リボルバー』では、14曲中、たったの3曲だけ。この変化はすさまじい。


 わかりづらいと思うから、今の感覚に通じるように言うと、多彩な表現で男女の愛について歌うOfficial髭男dismが突然、「死ぬってどんなもんか知ってるか?悲しみって何か知ってるか?」みたいな曲をリリースしだすイメージ。怖すぎる。Mステには出れないだろう。

 あとは、あと数日でデビューするジャニーズの新星、なにわ男子が突然、税金高すぎ、やばすぎ、払ってらんねぇよ、くだらん。とか言ってる曲を出すイメージ。いや、先輩グループとの差別化図りすぎじゃない、、??と一般層からもファンからも心配されるだろう。

 ね?やばいでしょ??

 突然憧れのアイドルがこんなのをリリースしたらめちゃくちゃ焦るだろうし、自分のお母さんにテレビを見ながら「あれ?あんたのすきなビートルズっちゅうの変な歌出すね~また」とか言われる始末だ。

 どうだ、『リボルバー』のやばさ、伝わってきただろうか。


 それでは、詳しい曲の解説に行こう!と思ったら、指が疲れて骨が粉々になってきたので、続きは明日また書こうと思う。

 明日からは、曲の解説!

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!