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5つの新築住宅 夏の暑さ対策|夏涼しい家にするのは案外難しい

夏涼しい家にする方法(新築住宅の夏の暑さ対策)を、具体的に紹介します。

住宅会社が良く使う「冬暖かく夏涼しい家!」のうち、冬暖かい家は結構簡単。夏が難しいんです。住宅会社が言うほど、日本の家は涼しくないです。年々暑くなってますし。

で、残念ながら、これだけやっとけば大丈夫!っていうウルトラCはなくて、最低でも5つの要素をクリアしないと難しいです。

本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!

新築住宅の夏の暑さ対策

①窓・断熱・気密
基本性能。ここでミスしたら、どうあがいても無理です。

②窓の配置
朝日と夕日を室内に取り込んでしまうと、サウナハウスになります。

③外部建材の色
中学校で習いましたね?黒は熱くなるんです。

④エアコンの活用
エアコンに頼らない暮らし…とか無理ですからね。うまく付き合いましょう。

⑤サーキュレーターの活用
意外と、扇風機は侮れないよって話です。

①窓・断熱・気密

夏の暑さ対策の基本は、家の性能。当たり前ですね。これは夏冬共通です。ここをこだわらないなら、新築住宅を建てないほうがましとも言えますんで、絶対にクリアしておきましょうね。

詳しくはグッシンに書いてますので、ここでは結論だけ書いておきます。

■窓:熱の出入りが最も多い場所
・サッシ→オール樹脂サッシ
・ガラス→Low-Eペアガラス(アルゴンガス)
・スペーサー→樹脂スペーサー

■断熱:UA値だけじゃなく全体の断熱バランスに配慮
・UA値→ZEH基準+αクリア(1~2地域:0.4以下、3~4地域:0.5以下、5~8地域:0.6以下)
・屋根裏断熱→屋根断熱(壁の2倍の断熱性能)
・玄関ドア→D2/K2クラス

■気密:断熱が良くても隙間だらけではだめですね
・C値→0.7以下

関連記事:第1章 「断熱・気密・換気性能」について|記事まとめ

せやま基準一覧表「せやま性能基準」>

せやま性能基準2

②窓の配置・選択

結論、東西の窓をなるべく減らしましょうという事です。かつ、遮熱タイプの窓を推奨します。寒冷地だと断熱タイプでもいいですが、夏の暑さ対策が弱いので、基本的には遮熱タイプを選ぶ事を推奨します。

(Low-Eペアガラスには、夏の暑さ対策になる遮熱タイプと、冬の寒さ対策になる断熱タイプの2タイプがあります。)

マンションのベランダに、日よけのシェードやよしずが設置されているのを見たことがありますか?朝日と夕日って、太陽の角度が低いので、もろに部屋の中に入ってきますよね?

なので、東西の窓は極力小さく、できれば無い方が良いです。どれだけ①で断熱性能を高めても、太陽光という自然ストーブで部屋をガンガン暖めてしまうと、意味を成しません。

採光・道路の関係で、どうしても東西に大きな窓が来る場合は、外付けブラインドの採用を検討してください。遮熱カーテンなどで、室内で遮熱しても効果は低いので、外で遮熱するのが基本ですよ。

じゃあ南は大丈夫なの?という話ですが、南の窓は影響少ないです。正午近くになると太陽の角度が高くなるので、太陽光はさほど部屋に入ってきませんよね?なので、南窓はデカくとってOKです。

ちなみに窓が設置された方角は、①UA値には反映されません。どれだけUA値が基準をクリアしていても、窓の配置でミスすると、夏めちゃ暑い家になりますので、ご注意ください。

<夏と冬の日射角度の違い>

日射

(出典:株式会社MonotaRO

③外部建材の色

中学校?小学校?で勉強しましたよね?黒は熱くなり、白は熱くなりにくいいってね。夏の暑さ対策でこの知識が役に立ちます。

色に注意すべき建材は、外壁材、外部窓枠、屋根材です。まー詳しい説明は不要ですね。熱くなりやすい黒っぽい色は、なるべく避けましょうってことです。

外壁材・屋根材メーカーのカタログに、「日射反射率」という数値が掲載されていますので、なるべく数値の高い色を選ぶことをお勧めします。

屋根

(出典:JFE鋼板株式会社

④エアコンの活用

エアコンを我慢せずに使いましょうってことです。日本人って、「いつまで冷房をつけずに我慢できるか?」と己と戦う人が多いですが、戦わなくていいです。早め早めに付けましょう。

冷房の光熱費は、暖房に比べて安く、付けっぱなしにしても月数千円でしょう。夏の暑さを我慢して節約するより、コンビニに行く回数や、スーパーレジ前の何となく買いをは減らす方が、健康的な節約です。

で、基本付けっぱなしをオススメします。こまめにon/offより少し光熱費は上がりますが、快適さが違います。周壁温度ってご存じですか?壁や天井の温度のことです。

人の体感温度は、部屋の温度や湿度だけじゃなく、壁や天井の温度にも「左右されます。部屋の空気が冷えていても、壁や天井の温度が高いと暑く感じるってこと。

で、壁や天井の温度は一度上がるとなかなか下がらないので、エアコン付けっぱなしで、周壁温度を上げない方がいいですよってことです。日中ずっと外出でもったいない!って方は、帰宅の数時間前にonタイマーをつけてから外出すると良いでしょう。

エアコンの設置場所については、新築で経験ある工務店なら、屋根裏エアコンが理想。冷気は下に落ちるので、上部で冷やして各部屋に「落とす」のが理屈上正しいからです。

ただ、いくつか制約があるので、また別記事で詳しく紹介しますね。無難なのは、1階リビングに1台(14畳用くらい)+各部屋に1台ずつ(6畳用)です。各部屋エアコンがもったいないですが、大失敗はありません。

<冷気は下にたまるので蓋がなくても溶けない>

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⑤サーキュレーターの活用

でっかり扇風機をうまく使いましょうってことです。人の体感温度は、

①温度
②湿度
③周壁温度
④気流感

の4要素で決まるので、④空気を動かすと涼しく感じるよってことです。理想は、大風量のサーキュレーターを首振りせずに一定方向に運転し続けると良いです。バルミューダのサーキュレーターがおすすめ。

サーキュレーターが難しければ、扇風機でもOK。ポイントは首振りしないこと。直接人に当てずに、壁にあててください。10分くらいで家全体に気流が生まれて、涼しく感じるはずです。

<おすすめサーキュレーター>

ばる

(出典:バルミューダ株式会社

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