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夏の最適なエアコン計画は?|せやま家で毎年行っている空調実験について

夏の暑さ対策として、どこにエアコンをつけるのが理想なのか?について、お話していきます。(結論、これだぁ!という答えがまだ見つかってないから今年も実験するねって話です)

※表題画像出典:バルミューダ株式会社

エアコン1台で、家中「暖かい」は楽勝・家中「涼しい」が難しい

冬暖かい家をエアコン1台で実現するのは、楽勝です。1階エアコン1台で、1階→2階の換気計画を組めば、暖気が勝手に上がって家中暖かくなります。ダクト経由で家中に暖気を送る「ダクト給気型の全館空調」なんか必要ありません。

一方、難しいのは夏。冬と同じように考えると、2階エアコン1台で、2階→1階に冷気を落とせば、冷気は下に落ちるので、家中涼しくなる?はずなのですが、これが結構難しい。

いろんな住宅会社が実験していると思いますが、まだ明確な答えが出ていない分野です。モデルハウスや理論上では成功しても、実際に住んでみると案外涼しくない…ってことも十分あります。なにより体感が重要。

ということで、私の家では、毎年夏にいろんな実験をしています。結論、まだ答えは出ていないのですが、「〇〇はダメだった」という答えはいくつか出ていますので、参考にしてください。

今年の夏の実験が終わったら、また記事を書きます。

実験成功の条件

以下条件を満たすことができれば、実験成功です。

①2階全部屋をエアコン1台で冷やすことができる
②エアコンの直接の風を感じず寒くなりすぎない
③ダクト給気を使わない
④2階全部屋にエアコンを設置するコストと同等もしくは安い
⑤間取りの制限がない
⑥準防火地域・省令準耐火構造にも対応可

ここまでで実験成功。さらに、できれば以下も達成したい。

⑦2階エアコンで1階まで冷やせる

これが実現できれば、冬は1階エアコン1台で、夏は2階エアコン1台で、ダクト給気を使わずに全館空調が可能。エアコン修理のメンテ費用等を考えると理想ですよね。

前提(我が家の性能)

我が家の性能は、だいたいこんな感じ。せやま基準そのままです。

窓:オール樹脂サッシ/Low-Eペア(アルゴン)/樹脂スペーサー
UA値:0.5くらい
C値:0.5くらい
換気システム:1種換気/熱交換80%
換気計画:1階で新鮮な空気を取り込み、リビング階段を通って2階へ空気が回っていく

実験①:輻射式冷暖房(1年目)

まず、輻射式暖房を付けてみました。輻射式冷暖房とは、冷たい風で冷やすのではなく、人間の体から熱を奪ったり、周壁温度(壁や天井の温度)を下げることで体感温度を下げる仕組み。詳しくは調べてみてください。

結果、失敗。

輻射式冷暖房の近くは、冷~っと感じて、確かに体感温度は下がりました。しかし、輻射式冷暖房から離れた場所で効果は実感できず、ましてや壁で遮られてしまうと、効果はほぼ無。

失敗の原因は2つ。

1つ目は、住宅性能がそこそこ高いので、何もしなくても周壁温度が低いので、輻射式冷暖房の活躍の場がなかったということ。

2つ目は、住宅は壁が多いということ。そりゃそうですよね、壁で効果は遮られるので、壁の多い住宅だと効果は感じにくいわけです。

【結論】
輻射式冷暖房は、住宅には不向き。輻射式冷暖房が効果を発揮するのは、「性能が低い」かつ「壁が少ない空間」という結論になり、戸建て住宅には不向きと判断。

実験②:主寝室エアコン1台(1年目)

2階の各居室にエアコンを付けるのはもったいないので、2階全部屋をエアコン1台で冷やせないか?という実験です。

①主寝室にエアコン1台
まず、主寝室にエアコン1台を設置し、子供部屋はエアコン無し。主寝室と子供部屋のドアを開けっぱなしで実験。

結果、子供部屋が暑く、娘からクレーム。失敗でした。

【結論】
エアコンの風下に各部屋がないと、十分に冷気がまわらない。1部屋だけにエアコンを付けて、その冷気をUの字に他の部屋に回すのは限界あり。

ということで、今度はエアコンの位置を変えてみることにしました。

実験③:2階ホールエアコン1台(1年目)

実験②の反省を踏まえ、エアコンの風下に主寝室と子供部屋が来るように、ホールにエアコンを1台設置。主寝室と子供部屋のドアは開けたままです。

結果、涼しく快適。

では次に、主寝室と子供部屋のドアを閉めてみました。

結果、暑い・・・無理。

【結論】
ドアを開けておけば、エアコン風下の部屋は冷えるけど、ドアを閉めると無理。子供が小さいうちはいいかもだけど、ドアを開けっぱなし前提の空調計画は標準化できない。

かつ、エアコンの風下ではない部屋は暑くなるので、間取りに制約が出てくるため、ホールエアコンで2階全部屋を冷やすのは、なかなか難しいという判断になりました。

実験④:屋根裏エアコン(2年目)

冷気は下に落ちるんで、屋根裏を冷やして、各部屋に落とせばいいはず!と考え、屋根裏にエアコンを設置し、各部屋の天井に冷気の落とし口を設置。

理屈的には、結構良いはず。落とし口にファンを付けることも検討しましたが、まずはファン無しで実験

結果、夜はまずまず。寒がりの私には快適だけど、暑がりの娘たちは若干暑そう。昼は無理。32℃くらいまでならいけるけど、35℃超えると無理。

【結論】
屋根裏エアコン+冷気落とし口は、夜だけならあり。エアコンの風を直接感じないので、エアコンが苦手な私みたいなタイプには最高だが、暑がりの娘にはちょっと微妙。

日中過ごすのは厳しいので、実験としては失敗。また来年。

実験⑤:屋根裏エアコン+パイプファン(3年目)

いよいよ今年です。これから実験。

実験④の反省を踏まえて、屋根裏の冷気を強制的にパイプファンで2階居室に落とします。音対策として低騒音タイプを使用。

設置コストは、パイプファン・点検用はしご等で20万円前後(新築時に工事すると仮定)。全部屋エアコンと同等にできるはず。

屋根裏の逆結露の心配があるので、屋根裏エアコンの温度設定は24℃。それなりの空気が屋根裏から落ちるので、屋根裏エアコン近くに給気口を新たに設置します。

【検証】
・夜寒くなりすぎないか?
・日中でも問題なく過ごせる環境になるか?
・パイプファンの音は気にならないか?

実験⑥:屋根裏エアコン+パイプファン+階段吹き抜けにバルミューダのサーキュレーター(3年目)

実験⑤に加えて、階段吹き抜け上部に、パイプファンとその直下にバルミューダのサーキュレーターを設置。

パイプファンで落とした冷気を、階段吹き抜けを通じて1階に落とし、1階まで冷えるかどうかを検証したいと思います。

【検討】
・屋根裏エアコン1台のみで1階が十分に涼しくなるか?

まとめ

この3年で実験にかけた費用は、余裕で100万円を超えましたねーはい。何事も自分で体感しないと落ち着かない性格が、仇となっている感は否めませんが、皆さんも喜んでくれると信じて、今年もしっかりお金かけて実験していきます!

実験⑤が成功すれば、

①2階全部屋をエアコン1台で冷やすことができる
②エアコンの直接の風を感じず寒くなりすぎない
③ダクト給気を使わない
④2階全部屋にエアコンを設置するコストと同等もしくは安い
⑤間取りの制限がない
⑥準防火地域・省令準耐火構造にも対応可

を満たすことができるので成功。屋根裏エアコンを使うので、屋根形状だけ制限がでるかな。それは許してちょ。

さらに実験⑥が成功すれば、

⑦2階エアコンで1階まで冷やせる

も満たすことができるので、さらに最高。

さてどうなるか?乞うご期待です!

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