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気密測定をやめる会社が増えている

高気密高断熱住宅には欠かせない「気密測定」をやめる住宅会社が増えているという情報が。あくまで業界内の肌感覚的なものではありますが、確かにその流れはあると思います。

気密測定を辞める理由

気密測定をやめる理由は、「お客さんへのアピールにならないから」が最も多い。確かに、お客さんが求めていないのに、無駄に費用をかけては利益を圧迫するばかりですから、その気持ちは分かります。

でも、高気密高断熱と言いながら気密測定をやらないのは、詐欺に近い。高気密"風"住宅になってしまいます。そこはプライド持ってくれよ!と言いたいところですが、現実はそう簡単に行かないのでしょう。

気密測定の重要性

なぜ気密測定が重要なのか?それは簡単。

施工の質で、気密性能は大きく変わるからです。同じ材料を使っても、雑に施工すれば気密性能は落ちるし、丁寧に施工すれば気密性能は上がるということ。

もし気密測定をしなければ、雑な工事による気密性能の低下に気づけません。カタログには、C値1.0以下と書いてあっても、実際は2.0くらいだった…なんてこともあり得るわけです。

また、職人の緊張感も違います。気密測定をする現場であれば、適度な緊張感が生まれますの、丁寧な施工をしてもらいやすくなります。

気密測定2

そもそも気密性能はなぜ重要か?

どれだけ高性能な断熱材を使っても、屋根や壁にすき間がたくさんあったら寒いよね?ってことです。断熱性能だけでは、片手落ちなわけです。

また、気密性能が低いと、壁の中で結露(壁内結露)が発生しやすくなり、木材が腐食し強度を失います。木材が不足するとシロアリも発生しやすくなるので、家自体の寿命を縮めてしまいます

つまり、気密性能が低い(隙間が多い)と、冬寒く夏暑い家になりやすく、家の寿命も縮めてしまうということです。

関連記事:「気密性能」を比較する基準と推奨レベル|C値の解説と適正数値

施主が行うべきこと

気密測定を実施しないデメリットを受けるのは、間違いなく施主なので、絶対に気密測定を実施してもらうようにしましょう。

住宅会社の担当が

「気密測定の費用がもったいない。測定しなくても気密性能は大丈夫です。」

と言うかもしれませんが、それは申し訳ないけど無視したほうがいいです。その責任を取るのは、施主自身。担当は責任を取ってくれませんからね。

契約時に、C値0.7以下を保証してもらうことを推奨します。無理と言われたら、最悪1.0以下でも構いません。

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測定は、断熱工事後の1回でOK。断熱工事後であれば、断熱の補修で気密性能を高めることが可能。完成後に測定すべきという意見もありますが、費用のこともあるので、1回で十分だと思います。

気密性能を簡単に上げる方法

気密測定を実施し、C値0.7以下を保証してもらうのは基本。絶対にやってください。

その上で、「屋根断熱の壁の2倍」にすることを推奨します。隙間の多くが屋根裏に集中するので、屋根断熱の厚みを増すことで、その隙間をふさぐことができます。屋根断熱を厚くすると、C値0.5以下も余裕で出るようになります。

屋根断熱

断熱の記事で、夏の暑さ対策として「屋根断熱を厚く!」と書きましたが、気密性能upにも大きな効果があるわけです。

関連記事:「断熱性能」を比較する基準と推奨レベル|UA値の解説と適正数値

まとめ

「気密測定しない住宅会社はだめだ!」という空気ができていけば、施主がいちいち確認しなくてもいいのですが、今はまだその空気ができていませんので、施主自らが気密測定を求めていく必要があります。

気密測定を標準仕様にしている住宅会社は、10社に1社ないと言われていますので、「気密測定は全棟やっています!当然です!」と言ってくれる住宅会社に出会えたらラッキーです。

スマホでも、「気密測定 (地域名)」と検索するなどして、気密測定を標準仕様で行っている住宅会社を見つけてください。

仮に標準仕様にしていなくても、施工に自信のある会社なら喜んで気密測定を実施してくれるはずなので、遠慮せずに言ってみましょう。

「気密測定を実施して、C値0.7以下を保証してほしいです。」とね。


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