疾走！爽快！自由！

ジェットセットラジオ。かつてセガが作り出したクールでスピーディーなローラースケートで駆け巡るアクションが楽しい凄いゲームが存在した。
本作「サンセットオーバードライブ」はそんなJSRの遺伝子を継承した一本。開発はラチェクラやSIEのスパイダーマンシリーズでご存知「Insomniac Games」だ。
広大なオープンワールドの街を舞台に超人的な身体能力(一切劇中では説明無し)を持った主人公が、高速で電線を滑り、壁を走り、海を駆け、空を飛び、街を高速で駆け抜けながらモンスターやアナーキスト共をご機嫌な武器でぶち殺していくぞ。

本作の目玉はその疾走感たっぷりのノンストップアクション。
軽快に街を股にかける感覚は操作するだけで気持ちよく、多幸感溢れるし、中毒性も高い。JSRから更に磨きのかかったシンプルな操作性とマップ上に高密度に配置されたギミックのおかげで途切れる事なく移動のスピード感が維持され、思い通りにアクションが次々と続く感覚は本当に楽しい。まぁそのかわり、間違って地面を歩いた日には即ボコボコにされるんだけどね…。

シリアスなんて吹き飛ばせ！笑って戦え！

更に本作を盛り上げるのは、終末的な状況とは裏腹にどこまでもネアカな雰囲気作り。走り出せば始まる痛快なパンクロックに乗せて、とにかくコメディ一辺倒な雰囲気とデッドプールよろしくメタ的な台詞と映画パロディのオンパレード、ナレーションも主人公に話しかけ、主人公だって本作に文句をぶつける始末。次々と飛び出すヘンテコな展開が楽しくないわけがない。
一つ残念な点を上げるなら日本語吹き替えが無いおかげで、操作中にナイスな台詞を追えない所か。

そして本作の個性が集約され極まったボス戦は本当に凄い。
今までのオープンワールドでは見たことのない、プレイヤーが自由に動き回れるから実現出来た、街まるごと戦場にした巨大なスケール戦いは本作だからこそ出来るXbox Oneのパワーを存分に使ってみせる見事なボス戦だ。こんなにテンションの上がった楽しいラスボス戦はないぞ！

そんなどこまでも痛快に笑えて、キャラクターを操作する事が気持ちよい素晴らしいゲームだけれど、JSRがドリキャスだったことで若干マイナーだったのと同じで、本作もハードがXbox Oneという事で国内では日の目に浴びる事が少なかったけれど、Insomniac GamesがSIEの傘下になった事で話は変わってきたようだ。是非とも本作を吹き替え付きでPS5版を！そして何より続編を作ってくれ！俺は待ってるぜ！

DATA

サンセットオーバードライブ
発売 ：Microsoft Studios
開発：Insomniac Games
対応ハード：XBOX ONE、Steam、WinPC
発売年：2014年10月30日
ジャンル：アクション