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郷愁誘うゲーム体験【 ファイナルソード DefinitiveEdition 】(Switch)

伝説は突然に

Twitterで見かけたそのゲームはSwitchで配信されている代物にはまるで見えなかった。虚な目をした主人公がスウェット姿で歩く冴えないグラフィック、ガタガタな翻訳、物理法則を無視したギミック、そしてヤバいBGM。
突如我々の前に現れた「ファイナルソード」は一瞬で伝説になった。

そんなゲームを僕がやらない訳にはいかない。たまたま手元にはサイバーパンク2077の一件で返金してもらったお金もある。そんなことで、あいも変わらず謎の使命感を持って挑んだ本作は想像以上の冒険を味わうゲームだった…。

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味わい深いソウルライクなゲーム性

本作は片田舎の主人公が剣と魔法の世界を冒険し、悪の元凶であるドラゴンを倒すというスタンダードすぎるストーリーながら、操作に慣れるまでは最初のスライムにすら手こずるはずだ。そして何も考えずにフィールドを走れば突如現れたモンスターたちに囲まれ即ゲームオーバーになってしまうだろう。
そう、このゲームは実際に遊んでみると、普通に難しい。こんな簡素な見た目をしているが、ファイナルソードは歴としたソウルライクな高難易度系の硬派なゲームなのだ。

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もちろん操作性はダークソウルやブラッドボーンなどに遠く及ばないが、成長要素やアクションスキルの解放などシンプルながら戦いの幅を広げる成長バランスが非常に良く、困難に思われる局面も他のソウルライク同様にレベル上げとトライアンドエラーを繰り返す事で切り抜けることが出来る絶妙なバランスで成り立っている。

最初は僕も本作のモッサリした操作性に戸惑ったが、常にギリギリを要求するシビアな戦いに驚き、そして激戦を制した時の達成感に柄にもなく熱くなってしまった。その時には遊んでいるゲームがネット上でクソゲーと呼ばれている事なんて既に忘れてしまっていた。

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クラシカルなゲームの喜びが蘇る

もちろん本作は理不尽な面はある。
当たってるようで当たらない判定、ボスの理不尽な無限ハメ攻撃、戦闘中突然いなくなって全回復して戻ってくるボス、リンチに近い敵の量。
しか思い返せばそんな事すら良い思い出と魅力になってしまうのが本作の不思議な所。

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妖精の森、広い砂漠、古い坑道、謎の神殿…強敵を求めて新たな地に踏み入れる感覚は正にテレビゲームとして正しきワクワク感を与えてくれる。
新たな魔法を手に入れた時の感動、敵の弱点に気づいた時の嬉しさ、無理だと最初は思った苦戦を制した達成感。自分の体が敵のパターンを覚えていく感覚。
ファイナルソードはどこまでもオールドスクールで理不尽ながらも。そんな懐かしいゲームの嬉しい感覚を呼び覚ましてくれる。

ネットとは便利ながら真実が語られない時もある。ふざけ半分でもいいから本作を遊んでみてほしい、きっと本作を半笑いで済ます事は出来ないはずだ。

というかコレでKOTYを取ってしまうのはやっぱちょっと違う気がするんだよなぁ…


DATA

ファイナルソード Definitive Edition
発売 / 開発:HUP Games
対応ハード:Switch、PS5
(PS5版はグラフィックなどが刷新されている)
発売日:2021年1月21日
ジャンル:アクションRPG



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん