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公道からプロの世界へ…【 ニードフォースピード プロストリート 】 (360)

NFSだけどリアル重視

俺はライアン・クーパー。走り屋だ。だけど、そんな世界もちょっと飽きてきちゃってさ、そんなこんなでレースの大会に出てみようと思ったんだ。そしたら、そこには元走り屋にして、この大会のキング「リョウ・ワタナベ」(CV:小杉十郎太)というランエボに乗った万年パーカーの嫌味な日本人が王座に座り続けている。俺の実力がどこまでかわからないが、必ず王座を奪ってみせるぜ…。

舞台は前作カーボンのストリートレースから、うって変わってサーキットや公道を舞台とした警察とは縁のない完全合法なプロの世界へ。第一印象は「なぜ他のレーシングゲームと似たような事をNFSシリーズがやらなきゃならんの?」と思ったが、そこはNFS。遺伝子を受け継ぎつつも新しいステージに試みているぞ。

重いハンドリング操作にクラッチ操作、ぶつかれば壊れてしまう車体、もちろん修理費は自腹。現実じゃ当たり前だけど、ゲームでは煩わしいだけのリアリティ重視な要素がたんまり入っている。しかしこれが一つ一つのレースにとてつもない緊張感を与え、己を試す要素となっているのだ。ただここまでリアル指向ならドライバー視点が欲しかった…。

車のカスタマイズはNFS定番の外装から中身のパフォーマンスまで細かく設定が出来、外装の塗装やバイナルの貼り付けもより細かく設定できるようになった。又、パーツによる空力のバランスも設定できるようになり、更に本格的なチューニングが可能だ。車種も前作から80台以上に増え、日本車もたっぷり。本作からGT-R(R35)とランエボXも初参戦だ。

レースの種類も多く、普通のレースからドラッグレースからウィリーコンペ、ドリフトにハイウェイを爆走する廃車と隣り合わせのスピードチャレンジとバラエティに富んでいる。
コースは全て架空だがサーキットから、空港、カリフォルニアのフリーウェイ、そして東京の首都高を模した港に、福島の国道まである。日本人がラスボスなだけあって今回は嬉しい要素たっぷりだ。街の看板もコードマスターズのヘンテコ看板が連なるコースと比べると雲泥の差があるくらい街並みはリアルだぞ。

無骨ながら盛り上がるテンション

そして本作の見所はなんといってもローカライズの気合の入り方が凄まじいところ。
一度大会に出場すれば小気味の良いMCがどうでも良い情報から、他のドライバーの事、そして主人公を褒めたり貶したりとメニュー画面で面白おかしく本作の雰囲気に花を添えてくれているので、ついつい指を止めて聞いてしまう。
これがまた堀内賢雄、大塚芳忠、MCナイクと豪華な声優陣で喋ってくれるので聞き応えもバッチリだ。無骨な本作のテンションを超盛り上げてくれるありがたい存在に違いない。

ただストーリーというストーリーは特になく、ただ頂点を目指すだけなので、ラスボスとの関わり合いなども特に無いのがちょっと寂しいし、ヒロインも今回はいない。又、今回は実写ムービーは無くなっている。 ちなみに主人公は名前はあるのに、表彰されようといつでもフルフェイスのヘルメットを着用しているのがなんとも言えないぞ。

完成度は前作カーボンの中途半端な印象に比べると、システム、クオリティ、ボリューム共にとても高く。独自の要素が其処彼処にあるので一つの作品としてとてもよく出来ている。
だけど無骨な内容なので、ハードルは高く、わかりにくい部分もあり、ドリフトバトルなどは癖が強くて慣れるまで何度も車を破壊しながら走ることになるし、スピードチャレンジに至っては一つのミスが廃車に繋がるなど難しい点も多いのも確か。

そのためじっくりとコツコツするプレイスタイルが要求されるため、前作までオートマで雑にぶつけまくっていた自分としては、非常にクリーンなプレイの素晴らしさを享受しつつも、他のレーサーを1ミリも動けなくしてやりたいという衝動にも駆られるちょっともどかしいゲームでもありました。


DATA

ニードフォースピード プロストリート
発売:エレクトロニックアーツ
開発:EA Black box
対応ハード:Xbox360、PS3、Wii、PS2
発売日:2008年1月31日(Xbox360版)
ジャンル:レーシングゲーム



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