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XPで原点に立ち返る【 コールオブデューティー 】(PC) キャンペーンレビュー

コールオブデューティ。それは今ではFPSというジャンルの中でも代名詞と言うべきシリーズだ。
しかしその生まれは2003年と、メダルオブオナー(1999年)、バトルフィールド(2002年)と同じ大戦系FPSよりも若かったりする。そんな21世紀からのFPSではあるが、常に新作を出しまくり現在まで19作(番外編を除く)と続く息の長いシリーズのキャンペーン(一人プレイモード)は、一本道と揶揄される事はあるけれど、まるで主観視点で見る映画のような演出、リアルなグラフィック、味方の兵士との共闘感、さまざまな戦場を駆け抜けるスピード感と他のFPSにはない特徴を数多く持っている。(もちろん中毒性の高いマルチプレイも素晴らしい)
僕もXbox360で4を初めてキャンペーンを、プレイしてその臨場感の虜になり、2〜WW2まで10作のキャンペーンをプレイしてしまった。毎回時代と舞台、ストーリーと趣向を変え、新鮮な気持ちで手応えを感じつつもカジュアルに楽しめるので飽きずに楽しんでいる。

原点を知りたい!

そんな遊びまくっているCoD シリーズではあるが、僕は1作目をプレイしていなかった。厳密には出来なかった。
2以降は家庭用ゲーム機でも遊べるのだが1作目だけは日本語版はPCのみなのだ。
そんな訳でいざ遊ぶぞと思い立ち日本語版がある当時のPC版を購入。紙箱のパッケージにシリアルコード入力、さらにはディスクをドライブに入れていないと起動しない仕様にはなんとも言えない郷愁を感じる。ではいざプレイ!…あれ?画面が変だ。動かない...。
調べてみるとWindows10では動かない事が判明。流石に2003年のゲームと現在のOSの噛み合わせは悪かったようだ。せっかく買ったのにこりゃ諦めるしかないのか...。

懐かしの草原

...という事で買ってしまった。WindowsXPマシン。グラボも付いてHDMI出力もできる凄いやつだ。(しかも安かった)
そんな事でついに遊べるようになったCoD1。思えばキーボードとマウスで遊ぶCoDって初めてだ。
ちなみにこの頃のタイトルは「コールオブデューティ」で最後に伸ばし棒がつくのね。

地獄のスターリングラード

CoD1の舞台は第二次世界大戦。ノルマンディー上陸作戦から始まる反抗作戦をアメリカ、イギリス、ソ連と三つの国のそれぞれ一人の兵士となりドイツと戦っていく。すでにオマハビーチのミッションはメダルオブオナーなとで扱われていたので、避けるように他のミッションになっているのが面白い。

初代から仲間のAIが優秀で共闘感があるぞ

フランス上陸からの孤立した作戦から、増援を待つ防衛戦はもちろん、捕らえられた用心の救出に破壊工作、カーチェイス、戦車戦と今でもCoDで見るシチュエーションは本作で既にやっている。
この頃からやはりCoDはCoDで、一本道ではあるが演出に凝っており、今でも見るスモーローションや画面の霞みなどを多用しているし、ゲームオーバーになるたびに恒例の『偉い人の言葉』が出てくるぞ。(そういえば最近見てない気がする)

それにその後のシリーズにも何度も登場するCoD名物『キャプテン・プライス』が初登場。相変わらずのお髭で先導してくれて登場した時はテンション爆上がり、だけど中盤のミッションでいつのまにか死んでいて「えっ!?死んでたの!?」と驚くぞ。(ちなみにCoD2で何事も無かったように再び登場している)

そして本作の見どころはやはり後半のソ連のスターリングラード奪還シナリオ。ノルマンディーのオマハビーチも相当だったが、こちらはこちらで相当の地獄だ。怯えた同士たちともにボートに乗って心に響かぬ上官の演説を聞きながら最前線へ、逃げれば容赦なく味方から撃たれ、ボートから降りた瞬間乗っていたボートが爆発沈没していく絶望感(上官も味方もまだたくさん乗ってたぞ!)、そして配られる銃を手に...え?弾だけ?どう戦えと?

なにかのバグだと思ったが、そうではない。主人公はただの弾除けの的として駆り出されたのだ。そこから始まるあまりにも厳しすぎる戦いは、
米軍の共闘感、英国軍の特殊工作のプロ感から一転、他のCoDシリーズでも見たことのない泥臭い戦争の地獄を見せつけてくる。人間扱いされてねーや!
そして一通りのミッションが終わると、最後は三国共同作戦で締めるという、他と比べるとだいぶ淡白ではあるけれど、なかなかまとまりのあるシナリオになっており満足感も高い。

ちなみにロード画面もしっかり日本語化されているが、すごいじわじわくる。

洋ゲーらしい難易度

しかし本作は結構難しかった。
現在のCoDとの大きな違いはやはり自動回復がない部分。ここだけは往年のFPSと同じで回復アイテムを手に入れて回復する方式なのでアイテムの管理が生死を分ける。もちろん雑な突撃は一瞬で死を招くぞ。WW2のようにストックも出来ないので落ちている場所の把握が大事だ。

しかしキーボード操作は慣れないけどマウスエイムは当てやすくていいね!おかげで遠くの敵にも当たる当たる。
それと家庭用勢にはあまり縁が無かったリーン(からだを傾ける動作)が実装されていて驚いた。これで物陰から撃つのが非常に楽だったし、本作ではこのアクションがとてつもなく重要で、使わないと死ぬ。マジで。

そんな訳でチェックポイントも現在のようにこまめにある訳ではなく、死ねば大きく前からやり直しを食らうので慎重な操作がとても大切なゲームでした。
ダメージを喰らったら即、来た道を戻って残しておいた回復アイテムを取ってまた進んでを繰り返していた。お陰でゲームのテンポは言うまでもなく悪かった。やっぱり自動回復は素晴らしいね!(敵が回復アイテムを落としてくれるのが唯一の温情)

鬼門のアパート攻略。死にまくりました。

それにシチュエーションもシビアなものが多く、特に援軍を待ってその場を防衛するシーンなどでは、大量に湧いてくる敵を倒しつつ、戦車も破壊したりとかなり忙しく、厳しい戦いを押し付けてくるぞ。おかげでソ連のアパートのステージ(パヴロフの家)では10回では済まない数のやり直しを食らった...難易度レギュラーなのに...。
あとトラックチェイスもかなりシビアだったな...。というかミッションに難易度のムラがかなりあるぞ。

ここまで長かった・・・。

最終的には他の洋ゲーと同じくパターンを覚えて慎重な立ち回りでなんとか攻略。大変なゲームではありましたが、シリーズの原点はその後に続くだけあって非常に完成度の高い遊びごたえのあるゲームでした。
現在遊ぶには少しハードルは高いですが、おすすめですよ。


DATA

コールオブデューティー(日本語版)
発売:アクティビジョン
開発:Infinity Ward
販売:メディアクエスト・キッズステーション
対応ハード:WinPC(98/Me/2000/XP)
発売日:2003年
ジャンル:FPS



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