no title

ただここに遺しておきたい。
タグ付けはしません。

電車に乗ったとき、私に気付かせることもなく触れることもなく、ただ他の人がよろけたときにぶつからないように私の後ろに手を回していてくれたことを電車の窓に映ったときに知った。
車に乗ったとき、Bluetoothを使いスマホと車のスピーカーが繋がっていたために、なんの気無しに自分のスマホから曲選んでかけていいよと、私や友達にサッと自分のスマホを手渡せることは普通の人にはあまりできることではないのだと最近やっと知った。
あの日、貴方が提案してくれて星を観に行って、少しヒールのある靴に気付いてゆっくり歩こうと言ってくれて、夜中牛丼屋さんに入って二人で牛丼を食べて、何もせずただ隣で寝た、その中にどれほどの想いや大切なものや貴方の人柄が詰まっているか、冷静になった今、やっと知った。
あの夜、異性の隣で何も考えずゆっくり寝れることにさほど疑問を持たなかったが、自分が驚くほど神経質で後にも先にもあの夜以外に異性の隣で寝たりましてや安眠なんてありえないのだと知った。
あのとき、私が遠慮して、躊躇って、握ろうとしたけれど出来なかった手に気付いて、そっと貴方が握ってくれた温もりを、私はもっと大切にするべきだったと、この色褪せない思い出と後悔とともに、後に知った。


あのとき、私には私の想いがあって、きっと貴方には貴方の想いがあったのだと思う。けれど、どちらかが、何か少しでもその想いを言葉に出すことができていたら変わっただろう。

あれからどれほど私達は話していないだろう、お互いの顔を久々に見たら懐かしく思うだろうか、また変わらない関係で話ができるのだろうか…。

それでも、いまだからわかることもたくさんある。

自分の欲しいものを欲しいと言うのは難しい。

私は与えられることに慣れ過ぎていたし、自分が欲しいものだからこそ、自分も欲しいと思われたいという気持ちが強かった。愛した人に愛されないのはとても悲しいからはじめから愛さないようにしてしまった。

貴方の気持ちはわからない。
ただ、私は知ってしまったから、気付いてしまったから…。

その優しさ、魅力、人柄にちゃんと気付けなかったのは私の異性との経験の浅さであり、貴方に対しては優しい人だなくらいにしか思わずそれらの行動は普通だと思っていた。あれから色々な人と出会った、貴方と近い年齢の人達と関わることなんて嫌というほどあった。だからこそ、貴方の全てが普通ではないとやっとわかった、やっと知ったよ。

貴方という人間は、本当に素晴らしく魅力的で優しくて思い遣りに溢れてる。

愛してくれたから愛を返すわけじゃなくて、相手も愛してくれそうだから愛するわけじゃなくて、私がただ貴方を愛したいから愛す。そしてその後の未来でもし愛した人から愛されることができたのなら、私はとても幸せ者だろう。


In the name of love.