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クライアントへの忠誠心としての内心的独立性

導入
流れの速い現代社会において様々な専門家が多種多様なコンサルティングサービスを提供する中で、まずはそれぞれの分野に関する深い知識と経験が求められているのは間違いない。
しかし、士業やコンサルタントが企業や個人からの相談に乗った上で特定の問題の解決を支援するためには単なる技術や知識だけでは不足してしまう。
特にマインド面での不可欠な要素について述べていきたい。

独立性の意義/クオリティの源泉
多くの士業やコンサルタントが広い意味で何かしらの組織に属している。大手コンサルティングファームへの所属はもちろんのこと、士業であればその資格者として活動するために加入することを強制される団体(日本弁護士連合会など)もあるわけで、真に「何の組織にも属さない完全独立系コンサルタント」の割合は圧倒的に少ない。
多くの者が自身の属する組織の背景やブランドを活用してクライアントにサービスを提供しているとの事実がある一方で、内心としての独立性を持たない専門家は組織の方針や価値観に縛られることが増えるのは避けられない。独立性を保つことの重要性は「クライアントの真のニーズに対応するための柔軟性」と「既存の枠組みを超えた新しいアプローチを提案する勇気」に繋がっていく。既存のノウハウをそのまま提供するのであれば情報商材をリスティング広告やメルマガで売りつければ足りるわけで、そこを超越した質の高い個別具体的なサービスを提供するためには専門家として常に内心としての独立性を維持しておくことが必要となる。クライアントの最善の利益を考慮して組織のプレッシャーや既定の考え方に縛られることなく個別具体的なレベルにおいて最適な解決策を提案することができるのは内心の独立性を強く持った者に限られる。
質の高いサービスとは、単に専門的なスキルや知識を持つこと以上に、クライアントの課題や要望を深く理解し、真心を込めてサポートする姿勢である。この姿勢を持つために内心の独立性を確保し、組織の方針や他者の意見に安易に屈することなく自らの判断と価値観で積極的な提案を行うことが真のプロフェッショナリズムであると言える。

総括
組織に属することの利点としての安定性もまた質の高いサービスの構成要素の一つなのだが、マルチビタミン的発想で真のプロフェッショナルとしてクライアントに質の高いサービスを提供するためにはやはり内心の独立性を保ち続けることが不可欠である。組織や他者の意見に安易に流されず自らの信念と価値観を積極的に表明することが質の高いサービスの源泉となることについて敢えて明言しておく。

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