どっちだっけの二択

昔、好きだった女の子の前でほかに換えがきかないと言う意味のことを言いたくて”唯一無二”という言葉を使いたい場面に出くわしたことがあった。

ただ、字面はあたまに浮かんでいるのだが”ゆいつむに”と”ゆいつむじ”のどちらの発音が正しいかが会話の流れで瞬時に判断できず、勢いにまかせて「ゆいつむじって感じだよね。」と口走った。すると聡明な彼女はすかさず「唯一無二ね。」と、こちらにいちべつもくれずに静かに指摘してくれたのを今でも”唯一無二”と出会うたびに思い出す。
「ひょえー、インテリぶろうとして張り切った分余計に頭悪い感じになっちまったぜぇ」と脳内で状況説明をしながら、ほぼ同時にしどろもどろで「あへっ、おっとまちがいまちがいもごもご」みたいなことを言って無様さに磨きがかかったところでこの記憶は途切れている。その人は最近年上のしっかり者ので名の通った方と結婚されたらしいと聞いた。こころから本当によかったと思った。ゆいつむにの二択間違えるやつは今後のもっと大切な二択も平気で外していくはずだ。ちゃんと唯一無二と言える人であった方がいいのは間違いないのだから。

大事な二択に迫られるときは突然やってくるので日頃の準備が大切だ。
あと、“ゆいつむに”じゃなくて、”ゆいいつむに”だったので以後気をつけます。


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