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主軸(回転対称軸n)と縦,横の対称面m

m・n:m 雪の結晶,機械部品,日用品など

このタイプの対称性は,対称要素の数が多いにもかかわらず,その図形は非常にシンプルに見えます.それはおそらく,対称群の位数が高いためでしょう.ここであつかうm・n:mという対称性は,初歩的なよく知られている多くの図形に当てはまります.
対称m・n:mをもついろいろな図形:
正方柱プリズムm・4:m,正5角柱プリズムm・5:m,正3角双ピラミッドm・3:m,双円錐m・∞:m,シリンダーm・∞:m,回転楕円体m・∞:m

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これらの図形の特徴は,いずれも,n回回転軸を特異軸(主軸)とし,それに沿ってn枚の縦の対称面mがあり,さらに,横の対称面mが,主軸に対して垂直に配置されていることにあります.
横方向の対称面と縦方向の対称面の相互作用から,横方向の対称面に平行なn本の2回軸が生まれます(図).

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図は,対称クラスm・3:mの対称要素の配置を示す.垂直に配置したの3回軸(▲)にそって,3枚の対称面mが交差している.3回軸に垂直な対称面mがある.垂直と水平な対称面の交線は2回軸(黒い小楕円)である.

特に,位数が偶数の主軸の対称クラスには,対称心が現れる.これは,軸と軸に垂直な対称面との交点にできる.奇数位数の主軸の場合には,対称心はできない.

このタイプの対称性は,上と下,右と左,前と後ろを区別する必要がないものに適している.自然界では,果物や種子,小石などに見られ,非常に広く結晶にも見られる.特に,氷の結晶(雪の結晶)はこのような対称性を持っています(図).

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雪の結晶の形は実に多様で,BentleyとHumphreyが作成したアトラスには,1,000枚以上の写真が掲載されています.

この対称性m・n:mは,箱,タイル,レンガ,シャフト,チューブ,ナッツ,缶,コイン,鉛筆など,大量生産される技術的なものに広く採用されています.

記号m・n:mに現れる対称要素は,この群の生成元(群を生む対称要素)です:n回回転対称の主軸n,主軸に垂直な対称面m(:は主軸に垂直の意),主軸に平行な対称面m(・は主軸を含む面の意).これらの極限群は,n=∞の場合で,m・∞:m


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