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完成しすぎた。

君といるのは完成しすぎてしまった。

だって大抵のエモいことはできた。

春のお花畑、夏の終わりの花火、夜の公園、深夜の海、昼まで寝てた日。

鍵をポストに入れて出ていったり、帰ってきたらかわいい置き手紙があったり。

キッチンで料理してる君に後ろから抱きついて、危ないからと笑いながら怒られた。

君が作るコンソメスープは玉ねぎが細くて、溶けていくようだった。

最初は恥ずかしがってたのに、いつの間にか「乾かしてよ〜」なんて言うようになって。髪が長いとあんなに疲れるなんて知らなかったな。

顔や好きなものは変わらないのに。
時間は環境を変えていく。
僕は変わってないとそう信じていた。
きっと君も、変わっているなんて思ってなかった。
だってあまりにもゆっくりで、気付かない。
君が教えてくれた空のように、あんなにオレンジでキレイな色だと思っていたのに、だんだんと青は濃く、真っ暗になっていく。
火花が散って、火が消える。

普遍的で最上級でどこか儚くて一度きりのような何度でも訪れるような。もう同じ瞬間は来ない。でも事実として残ってる。残ってる。


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