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【#昌平学園】労働者代表へ非常勤講師のAさんが立候補しました!

 私たち私学教員ユニオンへ、埼玉県にある昌平学園で非常勤講師として働くAさんが加入し、労働環境・教育環境の改善に取り組んでいます。

 これまで団体交渉を2回行い、無期雇用への転換を約束したり、タイムカードの導入や休憩取得、非正規教員の待遇改善など包括的な改善の回答を得るなど、学校全体の環境改善を前進させてきました。

 そして、2月29日(木)の第2回団体交渉の2日後、校長から全教員向けに「就業規定など各種規定の見直しを順次進めていく」旨、そしてそれに伴い「労働者代表選出選挙」を行う通達がありました。
 
 2月5日締切で2月7日告示でした。Aさんは非常勤講師の立場から、非正規教員の職場環境、待遇改善を目指し、勇気を出して労働者代表へ立候補しました!

 立候補者は、もう一人専任教諭(正規雇用)がいます。本日から投票が始まり、13日(水)に投票結果が発表されます。

 労働者代表は、学内の様々な労働問題に関するルールの決定に関わることができます。団体交渉や宣伝活動に加えて、従業員代表を通じても、学内の環境改善を進めていきたいとAさんと私たちは考えています。

 ぜひ、昌平学園の教員の方々は、Aさんを応援してください。また、昌平学園に限らず、他の学校でも今の労働環境を変えたいという方は、私たちと一緒にアクションを起こしてみませんか?ぜひ、ブログ最後の連絡先までご連絡ください。


◆「非常勤講師の立場だからこそできることがある」労働者代表へ立候補したAさんの想い

 昌平学園の非正規雇用の教員数は約半数にも及び、私たちがいなくては学校は運営できません。しかし、非正規雇用の労働環境は劣悪であり、また学園へ意見を言うことも雇い止め等の報復の恐れがあり困難です。

 例えば、常勤講師(フルタイム・1年契約)は、専任教諭(フルタイム・無期契約)と同じ仕事をしていますが、「同一労働同一賃金」にはなっておらず、待遇は差別されています。また、非常勤講師(パートタイム・1年契約)の給与もなかなか上がらず、時間外業務の賃金も支払われません。

 過去には、心を病んで休職されたり、職場を離れる先生方を何人も私は見てきました。若くて優秀な先生が何人も、この職場での将来に希望を見い出せず去って行っていると私は思います。

 そして、劣悪な労働環境では、生徒への教育の質を維持・向上していくことは困難ではないでしょうか。余裕のない職場で疲弊していく先生方を見るにつけ、「自分には何かできることはないだろうか?」といつも考えていました。

 2月29日(木)に行った第2回団体交渉の後、就業規定の改訂に向けて学園に動きがありました。私は団体交渉を通じて無期雇用への転換を勝ち取ったため、雇い止めの危険性はありません。労働者代表として、職場環境と待遇改善に非常勤講師の立場だからこそできることがあると考え、私は立候補することに決めました。

 非正規雇用含む、先生皆が自由闊達に意見を交換し、生活と心に余裕を持って教育に携われる職場にしていければと考えています。ぜひ、応援をお願いいたします。

◆労働者代表のできること、選出方法など

 改めて、労働者代表とは、事業場等における労働者の過半数を代表する者を指します。 労使協定を締結したり、就業規則を作成・変更するなどにあたって、職場の過半数を組織する労働組合がない場合には、労働者代表を選出する必要があります。

 労働者代表になると、時間外労働の上限を決める「36協定」の締結など、様々な職場のルールの決定に参画できます。

 選出にあたっては、以下を守る必要があります。

・正社員だけでなく、パートやアルバイトなどを含めた「すべての労働者」が手続に参加できるようにする
・選出手続は、労働者の過半数がその人の選出を支持していることが明確になる民主的な手続(投票、挙手、労働者による話し合い、持ち回り決議)を取る
・使用者が指名した場合や社員親睦会の幹事などを自動的に選任した場合には、その人は労使協定を締結するために選出されたわけではありませんので、当該協定は無効。

 また、使用者は、過半数代表者になろうとしたこと、過半数代表者であること、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、不利益な取扱い(報復など)をすることはできません(不利益取り扱いの禁止)。

厚労省HPから

参考:「過半数代表者の要件と選出のための正しい手続」

https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-hellowork/content/contents/001467646.pdf


◆スシローでは、労働組合の組合員が労働者代表に!


 労働組合の組合員が、職場の労働者代表になったケースが最近でもあります。首都圏青年ユニオンの回転寿司分会( 回転寿司ユニオン)では、昨年10月から回転寿司最大手「スシロー」と団体交渉を続けています。

 当初は賃金の1分単位計算での支払いや、物価高騰下での賃上げを求めて学生アルバイト2人がユニオンで立ち上がりましたが、問題を社会的に発信する中で、全国でユニオンに加入し環境改善に取り組む人が増えているとのことです。

 そして、ある仙台市内のスシローの店舗では、ユニオンに加入していない労働者からの信頼を得て、パート労働者として働く組合員が労働者代表に選出されています。労働者代表には副店長と組合員の二人が立候補しましたが、圧倒的な票数で組合員が選出されたそうです。

 それ以前の選出は、パート・アルバイトの立候補ができないシステムとなっており、自動的に正社員が選出されていたそうです。しかし、本社との団体交渉を経て、今回から非正規労働者も立候補が可能となり、組合員が選出されたということでした。

参考:スシローの仙台店舗で組合員が「従業員代表」になりました! 首都圏青年ユニオン 事務局長 尾林 哲矢(2024年2月19日)
https://zenroren1989.hatenablog.com/entry/2024/02/19/163707

 2000年代以降、低賃金・細切れ雇用の非正規労働者は特に増加を続けています。教育現場でも非正規労働者が年々増え、私立高校では約4割に及んでいます。今回の声を上げたAさんの取り組みは、昌平学園のみならず、広く非正規労働者の権利の向上に影響を与えることでしょう。

 私たちは、Aさんと共に、非正規労働者の権利拡大を求めていきます。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

電話番号 03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
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