【#昌平学園】団体交渉で非常勤講師の無期雇用への転換を約束!

 埼玉県北葛飾郡にある「昌平中学校・高等学校」にて、非常勤講師として働くAさんが、私学教員ユニオンに加入し団体交渉をスタートしました。


 先日1月29日(月)に学校と第一回団体交渉を行いました。そこでは、今年の4月からのAさんの無期雇用転換を学校と約束するという大きな成果があがりました。また、非正規雇用で働く教員の労働環境についても、今後改善していく方向という回答が学校からありました。

 少しずつですが、働きやすい労働環境作りが進んでいます。昌平学園の教員の方や、他校も含めて、Aさんと同様の問題を抱えている教員の方はたくさんいると思います。ぜひ私たちと一緒に協力して学校へ声を上げてみませんか?

 たった1人からでも、今の状況を変えていくことができます!


◆来年度からの無期転換を約束!

 私は、今年度が5年目で、来年度になると無期雇用への転換の権利が発生しました。しかし、学校は来年度の契約更新の話をなかなかしてこず、無期転換直前での雇い止めが危惧されていましたので、私は私学教員ユニオンに加入し、契約更新と無期雇用への転換を求めることにしました。
 
 そうしたところ、1月17日、団体交渉を申し入れた直後に学校側から来年度の雇用契約継続の回答がありました。私学教員ユニオンで団体交渉を申し入れただけで、すぐに雇用継続の回答を得られたのは、これまで勇気を持ってユニオンで声を上げてきた教員の方々の積み重ねが学校にプレッシャーを与えたからだと思います。

 そして、第一回団体交渉にて、来年度からの無期転換の確約を前もって学校と約束することができました。今後の活動に繋がる大きな第一歩になりました。心より感謝申し上げます。

 また、このような次年度の契約更新がわからないまま働く非正規教員を少しでも安定させるために、非正規教員の更新の有無は「原則、10月、11月に次年度の契約を伝える」との回答を得ました。「今回のことは申し訳なかった。」との謝罪の言葉もありました。

 さらに、更新に当たっての人事評価基準は、「生徒からの評価、面倒見のよさ、保護者の視点、周りの教員の評価、管理職評価などの総合判断」ということですが、「できる限りクリア(客観的)になるよう、今後より良い評価基準を作ることを検討していく」という前向きな回答も得ました。

 以上のように、非正規教員の待遇改善について、いくつも改善を学校と約束することができました。この取り組みを、他の私学にも拡大させていきたいです。

◆「非正規春闘」要求は財政事情を理由に「ゼロ回答」

 一方、昨今のインフレによる物価上昇の影響を踏まえ、春闘要求として非正規教員の10%賃上げを提起しました。それに対して、学校側は財政を理由として「ゼロ回答」をしてきました。

 具体的には、来年度の生徒数が予想より減少し、学費の値上げをしたが雇用の確保が精いっぱいであるということでした。また、物価の上昇もあり賃上げは早急な対応が求められると認識しているが、今後は埼玉県へ運営費補助金等の上昇などを交渉するなどし、2,3年で財政を変えていくつもりであるとも学校は答えました。

 埼玉県の補助金は全国的にも低い水準ということでしたので、一緒に埼玉県への行政交渉等をしていくことを提案しましたが、それに対する明確な回答はありませんでした。行政へ政策制度を変えるよう求める点は、労使で一致できる部分もあるかとは思います。

 私たちは引き続き、非正規教員の賃上げを求めて春闘交渉していきます。

◆タイムカードはいつ導入するの?

 現在、昌平学園にはタイムカードがありません。そのため、教員が何時から何時まで働いているか記録が残りません。それでは、長時間労働や残業代不払いなどの実態がわかりません。

 厚労省も、労働時間の客観的な把握は法的義務としています。最近では、昨年11月に広尾学園がタイムカードがないことについて、労働基準監督署から是正勧告を受けたことがニュースとなっていました。

※「タイムカード廃止」で無限残業へ?! 有名私学の恐るべき実態とは…(Yahoo!ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8a0c510adee0b592da32696104c81df9649c2591

 学校からは、「法違反は認識している」との回答がありましたが、ではいつから導入するのかと問うと、「タイムカードは来年度に向けて検討している」という回答を繰り返すばかりでした。

 法違反を認識しているならば、早急にタイムカードを導入すべきではないでしょうか。1万円前後でもタイムカードの機械は販売されています。

◆労災問題は平行線

 最期に私が抱えていた過重労働による腕の負傷(労災)に関しては、双方の記憶に相違があり、平行線をたどることとなりました。交渉の中では、労災申請には協力するという学校回答がありましたが、残念なことに2021年の案件なので労災の時効がきてしまっていました。

 

◆参加した組合員の声

①組合員A
 無期転換ルールが適用される直前で雇い止めに遭う非正規教員は多いと思います。そのような中で、今回の契約更新と、無期転換の確約が取れたことは大きな勝利だと思います。非正規教員の多くの人を勇気づけるものだと思います。

②組合員B

 まず、タイムカードなどの労働時間の管理をしていなかったことついて、使用者としての責任は重いと思います。すぐにタイムカードなどを設置するように私たちは求めましたが、学校は検討するを繰り返し、法令違反をしている自覚に欠けていると感じました。教育機関としてちゃんと対応して欲しいです。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

電話番号 03-6804-7650
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