自販機産業ユニオンは、ジャパンビバレッジ社と春闘交渉(賃上げ交渉)を実施しました!

 先日、自動販売機オペレーター大手ジャパンビバレッジ社との団体交渉を行いました。

 以前から、私たち自販機産業ユニオン(ブラック企業ユニオンの支部として結成)は、ジャパンビバレッジ社に対し残業代未払いやパワハラ問題などの交渉を行ってきましたが、今回の団体交渉は春の風物詩である春闘として賃上げを要求しました。

 私達の賃上げ要求に対しジャパンビバレッジ社からの返答は結論から言うとNOでした。
 そして、ジャパンビバレッジ社の私達の賃上げ要求に対する対応はとても不誠実なものでした。

~それってアリ!?NO準備団体交渉~
 私達は去年の11月の時点で賃上げの要求書をFAXで送っていましたが1月の団体交渉では「この議題はやらないと思った。」との返答で交渉が出来ませんでした。団体交渉の議題として事前に告知しているにもかかわらずジャパンビバレッジ側の勝手な“今回やらないだろう”という思い込みにより事前に準備も回答の用意もしておらず団体交渉になりませんでした。
 ジャパンビバレッジ社で働く私達の業務では車を運転することが多いので日頃から“だろう運転”ではなく“かもしれない運転”をするようにと教えられています。ジャパンビバレッジ社の本社に務める部長たちが“だろう交渉”で団体交渉に臨んでいてはお話になりません。誠実な対応をして“かもしれない交渉”で臨んでもらいたいものです。

~企業の考える労働者の“幸せ”とは~
 そして2月28日に私達は遂に念願となる賃上げ交渉を行いました。
 私達は今回の賃上げ要求額を月額5,000円(年額60,000円)と設定しました。これはジャパンビバレッジ社がサントリーグループに属しており親会社のサントリーの社長である新浪氏が「春闘で実質3%アップを目指す」という趣旨の発言しており、そこから交渉できる適正であろう額として5,000円を導きました。
 私達は新浪氏の発言通り基本給の3%の賃上げを要求したかったのですが、いきなり3%の賃上げ要求をするより、少し低い額を要求することで交渉を円滑にしやすくする狙いもありました。
 前年度のジャパンビバレッジグループの純利益は40億円を計上しており、もしジャパンビバレッジグループ社員全員約3,000人に対し、月額5,000円の賃上げする余裕があると私達は考えました。もちろん賃上げが実現すれば、皆いっそう仕事を頑張るので、もっと利益も出るはずです。

 ところが、私達がその5000円の賃上げ要求を提示したところ、ジャパンビバレッジHDの人事部長は黙り込み、頭を抱えて悩んだ後「今ここではYESともNOとも言えない。」と話しました。
 そこで私達は「今まで賃上げを考えたことがありますか?」との問いを投げかけました。人事部長は「この職について三年になるが今までその様なことを考えたことは一度もなかった。」との返答が返ってきました。
 この返答に私達は呆れを通り越して、失笑がこぼれました。人事部長は、私たち現場のルートセールスの仕事がいかに大変なものか、それにどうやって報いるかということについて、想像さえできなかったのです。

 続けて人事部長は「同業他社に比べウチの賃金は良い。同業他社と遜色ない賃金を払っている。」と発言し、今の賃金のままで十分であることを主張しました。しかし、私達からの「その同業他社の賃金の情報はどこから得たのか?私達の給料はどのように決めたのか?」の問いには「求人情報サイトに記載されている情報を見た。そこから決めている。」との返答。
 どうやら私達の給料、賃金は求人情報サイトに記載されている情報だけで根拠もなく決められているようです。

 その後、私達から「こんなにも儲かっていて内部留保にたくさんの金額を回しているのにそう思ったことがないのですか?」「従業員の幸せは考えることは出来ないのか?」
 問いが次々投げかけられ、黙り込む人事部長。
 また、しばらくして口を開いた人事部長が「皆さんが働きやすくなるように考えてはいました。」
 しかし、最終的な回答として「賃上げは認められない。」との回答が出ました。

 どうやらジャパンビバレッジという会社は賃上げという具体的な案をもって従業員の幸せを願うということは出来ないようです。

~少しでも労働者の環境、待遇を良くすることで~
 私達労働者は労働の対価として賃金を得ています。
 もちろん働く理由として“やりがい”というものもあるでしょう。しかし“やりがい”だけでは生きていくことは絶対に出来ません。生きるために賃金は絶対に必要なものです。それを少しでも上げることが出来れば労働者のモチベーションを上げることが出来ます。
 
 現在、ジャパンビバレッジは自販機産業ユニオンの要請により、ハローワークや大手求人情報サイトの一部で、求人が差し止められています。そして労働環境の悪さから次々と従業員が退職しており、慢性的な人手不足に直面しており、酷い悪循環に陥っています。

 賃金を上げ労働環境をよくすれば、それを見た求職者達がジャパンビバレッジに入社したいと思うのではないでしょうか?
 先ず隗より始めよといいますが、ジャパンビバレッジは人手不足を解消したいのであれば、まず現在働いている労働者の賃上げをしてみて待遇の改善をしてみたらいかがでしょうか?

 最後になりましたが、私たちは、労働に見合わない低い賃金水準にある現状で満足はしません。会社の不誠実な対応から見るに、少し時間はかかるかもしれませんが、必ずや月額5,000円の賃上げを実現してみせます。

 そして、そのためにもジャパンビバレッジ社で働くルートセールスの皆さんの力が必要です。ぜひ、自販機産業ユニオンに合流してください!ともに春闘交渉を行い、賃上げを勝ち取りましょう!

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