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【#広尾学園】未払い賃金の一部支払い、ICカード導入、賃上げなどを約束

2024年1月12日、東京都港区にある「広尾学園中学校・高等学校」との3回目(実際は1回目の団交では学園側が私たちが求める議題について、話し合いのテーブルにさえつくことを明確にしなかったため、事実上2回目の団体交渉になります)の団体交渉が開催されました。

これまでの交渉の経緯は以下のブログをご参照ください。


◆未払い賃金の一部支払い、ICカード導入、賃上げなどを約束

今回の団交では、私たちが要求した3つの労働問題について、大きな進捗がありましたのでご報告いたします。

①学園側がAさんに対する未払い賃金の一部を支払うこと。
②一昨年廃止されたタイムカードに代わり、ICカードを1月から非常勤講師へ導入したこと。
③私たちの賃上げ要求に対して、学園側が賃上げをする方向と約束したこと。

◆未払い賃金の一部を支払う方向

未払い賃金の支払いは、三田労働基準監督署からの是正勧告を受けて支払うと学園側は通達してきました。

しかし、学園側は、労働基準監督署の是正勧告には従うが、法律違反とは認めず、是正勧告の内容は納得できないというような驚くべき発言をしました。反省の弁はいっさいありませんでした。

是正勧告は、国が違法行為を認定して出る行政指導です。通常、真摯に受け止め改善をする使用者が多いのですが、広尾学園からは、それを感じられませんでした。残念ですが、コンプライアンス違反を軽視しているとしか思えません。

◆客観的な労働時間把握としてICカード導入


一昨年の9月、学園側は突然タイムカードを一方的に廃止し、ハンコを捺すだけで労働時間が把握できない出勤簿を導入しました。

私たちは、これまでの団体交渉にて、タイムカードなどの客観的な労働時間の管理を求めていましたが、学園はなかなか応じてきませんでした。

こちらも、労基署から是正勧告を受け、やっと学園は1月からICカードを導入しました。しかし、これは、よく考えると、タイムカード廃止という改悪を、当たり前にもどしただけの話で、改善とは言えません。

こちらも、過去の状況を違法行為とは認めないが、労基署から是正勧告があったので導入するという歯切れの悪い回答を学園は繰り返していました。

◆来年度は「賃上げをする方向」と学校が回答!

私たちは、昨今の物価上昇等を鑑み、教職員全員の10%の賃上げを学園へ求めています。先日の報道でも実質賃金がどんどん下がっていることが報道されており、特に非正規雇用の教員は生活が非常に苦しい状況です。

23年11月の実質賃金3.0%減 20カ月連続でマイナス(2024年1月10日・日本経済新聞)

そして、私たちが賃上げ要求をしたところ、今回の団体交渉で学園側からは、具体的な水準は検討中というものの「賃上げをする方向だ」という回答を得ました!

私学教員ユニオンに加入して闘う以前にも、Aさんは何度となく学園に賃上げを打診しましたが、財務が厳しいの一点張りでした。

そこで、私たちは、東京都私学部に学園の財務計算書類データの開示請求をし、それを分析したところ、驚くべき事実が判明しました。

広尾学園の2022年の人件費率はわずかに47%でした(都内私立中平均は59%、都内私立高平均は65%です)。

2020年には49%でしたから、さらに2%もダウンしていました。学園の収益が伸びているにも関わらずです。

さらに、生徒のために使われる教育研究費構成比率は17%でした(都内私立中高平均は27%です)。

つまり、広尾学園という学校は、ここで働く教職員のためにも、ここで学ぶ生徒たちのためにも、利益を還元しない学園であることがわかります。

ちなみに、非常勤講師の授業単価は毎年なんと50円程度しか昇給しません。また、広尾学園の教職員の非正規の割合は約半分です。それだけ、非正規に教育活動を頼っている現状があるにも関わらず、非常勤講師には、賞与も支給されません。

ここに、キラキラの人気校広尾学園の真実の姿を見ることができるのではないでしょうか?ちなみに、学園には、現在のキラキラの新校舎建築に伴う負債がありますが、毎年それを利子とともに返済したうえで、約4億もの資産運用支出があります。

定期預金などにしたことが想像されますが、なぜそのわすかでも人件費に、頑張っている広尾学園の教職員の賃上げに回すことができないのでしょうか?

Aさんは、「私は、広尾学園で働く教職員、広尾学園で学ぶ生徒たちが、安心して過ごせる学園にしたい」と想い、教員・生徒皆のために声を上げています。

◆今後は、Aさんの雇用契約の更新が焦点

この間、学園はユニオンに加入し改善に取り組むAさんに対して、報復のように厳重注意や懲戒処分を繰り返しています。

Aさんの来年度の雇用契約について問うと、学園からは「未定」としか回答がありませんでした。

4月以降の雇用が明らかではない中では、安心して生活設計もできません。他の私学では、非正規教員を仮に雇い止めする場合も、転職期間の猶予を持たせるために、12月頃には翌年度の契約更新の有無などを伝えるところも多いです。

教員採用のピーク期間はすでに終わっているので、年度末直前に雇い止めを告げられても、教員として他の学校で4月から働こうとしても非常に困難です。

私たちは、早期にAさんの契約更新を確約するよう求めています。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 ぜひ、私たち私学教員ユニオンまでお気軽にご連絡ください。相談は無料、秘密厳守でおこなっております。
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・労働者のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

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