ジャパンビバレッジ社との春闘交渉の経過報告~月額500円のベースアップの会社回答

 前回2月の団体交渉で自販機オペレーター大手ジャパンビバレッジに対し、私たち自販機産業ユニオンは5,000円の賃上げを要求しました。
 春闘ということでジャパンビバレッジで勤務する労働者の待遇改善を目指しました。
 賃上げ額の5,000円はジャパンビバレッジの親会社であるサントリーの新浪社長の発言から現実的な額として設定しました。(詳しくは前回のブログ参照)

~みなさんは500円のペースアップで納得ですか?~
 前回、団体交渉時点での話ジャパンビバレッジHD人事部長は賃上げはできないとの返答でしたが、3月半ばに私たちに提示されたジャパンビバレッジHDの回答書では「組合員のみ基本給500円アップ。特別一時金で10,000円支給。」と書かれていました。

 社内労組であるジャパンビバレッジグループ労働組合(以下JBG労組)は、既にこの条件で妥結してしまいました。本当にみんな、納得しているのでしょうか?
 組合は組合員のものです。要求内容も妥結内容も組合員の合意がなければ決められないはずです。そういった議論がしっかりあったのでしょうか? 私たちは心配でなりません。

 前回の団体交渉時には、人事部長はJBG労組から賃上げ要求は来てないとの返答だったので半月ばかりの短い期間で妥結してしまったようです。
 JBG労組はサントリー労組傘下の社内労組ですが、月額500円という低水準で、ストライキや抗議することもなく妥結してしまったようです。
 社内労組は数千人の組合員がいるにもかかわらず、この水準での早期妥結は残念でなりません。

 今回の春闘の回答は、ジャパンビバレッジで勤務する労働者にとって大きな一歩であるが、とても物足りない結果であると言えます。

 私たち自販機産業ユニオンはこのジャパンビバレッジとJBG労組の結んだ協定の条件は到底、納得できるものでは無いため、今後、よりよい条件で協定を結べるようにジャパンビバレッジと交渉を粘り強く続けていきます。

 世間のジャパンビバレッジの印象は既に“最強最悪のブラック企業”となってしまっています。少しでもジャパンビバレッジの印象を良くするために、ジャパンビバレッジ社は労働者の待遇改善に努めてもらいたいものです。

~買いたたきが常套手段?~
 先日ジャパンビバレッジは2014年に引き上げられた消費税3%分を自販機設置している事業者への手数料に上乗せして払っていなかったということで公正取引委員会より、その行為が“買いたたき”にあたるとして再発防止の勧告がでました。
 取引先に対しても“買いたたき”をし、労働者に対しても労働の“買いたたき”をするジャパンビバレッジ社のやり方は、到底許せるものではありません。

 これまでジャパンビバレッジ社は、長時間労働、事業外みなし労働時間制の違法運用、残業代未払い、有給チャンスクイズ等の労働者の権利、命、プライベートを蔑ろにしてきました。

 ジャパンビバレッジで働く労働者の安全、幸福のために早急にジャパンビバレッジの“買いたたき”を辞めさせなければなりません。

 これからも私たち自販機産業ユニオンは、ジャパンビバレッジや自販機業界で働く労働者の労働条件、労務環境の改善を求めていきます。

 最後になりますが、ジャパンビバレッジや自販機業界で働いていて現在の労働環境、待遇に不満を持っている方は、私たち自販機産業ユニオンに参加し、自販機業界の置かれている状況を変えていきましょう。

 私たちが声を上げることによってふんぞり返っているだけの経営者たちは焦り、考え、正常な経営をするかもしれません。

 一緒に世の中を変えていきましょう。

総合サポートユニオンの活動を応援してくれる方は、少額でもサポートをしていただけると大変励みになります。いただいたサポートは全額、ブラック企業を是正するための活動をはじめ、「普通に暮らせる社会」を実現するための取り組みに活用させていただきます。