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Roland S-1を改めて讃える

今年買ってよかったモノとして、Roland SH-4dに並ぶ同社のS-1を再レビューします。

シンセ界隈では、新しく買った機材をMNG(My New Gear)とか言うらしいですけど、初めてこの表記を見た時「マ⚫️ゲ」と読んでしまったので、僕は使いません。

それはさておきGAIA 2といい、ソフトウェア・プラットフォームのGALAXIASといい、今年のRolandはいろいろ仕掛けてくれました。
箱推ししたい勢いです。

こんな記事を読みに来た方に、いまさらS-1とはどんな楽器なのか説く必要もないんですが、端的に書けば「2万ちょっとで買える、シーケンサー・アルペジエイター付きの価格大破壊4音ポリフォニックシンセサイザー」です。

ベースになったのは1982年製のアナログ・モノフォニックシンセSH-101。
ACBというソフト音源によってサウンドの再現のみならず、4音ポリフォニック化。

さらに高品質のリバーブ、ディレイ、コーラスを搭載し、波形まで弄れるため、単体で鳴らせる音の幅が異様に広がってしまいました。
スペックで見れば「上位モデル」と言ってもいい充実度です。

もともとSH-101のオシレーターはアナログシンセとしてはピッチが安定し、輪郭のハッキリした音色なので、VA化で印象が変わるリスクは少なかったかもしれません。

逆に言えば当時のアナログシンセに、ここまで真っ直ぐな音がするシンセ自体少なかったことの証左ですね。

SYSTEM-1の登場以来、MC-101などでACB音源、Zen-Coreシンセに親しんでいる身として、軽量・小型・高機能を果たしたS-1に触れていると、来るべきところまで来たかと咽び泣きそうです。

そして充電式のリチウム電池内蔵で薄型となり、ポーチに入るサイズになったことも進化ポイント。
乾電池じゃないメリットは大きいです。

ガジェットとしての所有欲を満たすのみならず、通勤バックにポーチごと入れて持ち歩ける実用性の高さ。
スマホのバッテリーが微妙な時など、時間潰しグッズとしても活用しています。

そして個人的にはiOS対応も嬉しいところ。

実は先日「初音ミク16周年記念 1枚絵動画投稿祭」に投稿した楽曲「Peppermint Rainbow」では、iPadアプリのYAMAHAのMobile VOCALOID Editor(GUMI、氷山キヨテル)、KORG Gadgetのノート入力をS-1で行っています。

制作時間がこれまで以上取れなかった上に、複雑なコーラスアレンジをイメージしていたので、S-1がなければどうなっていたことか。
あのラバー製の、グニャっとした鍵盤がこんなに頼もしく感じられるとは思いませんでした。

いま書きながら気づきましたが、新曲は音源がYAMAHA、KORG、そしてクリプトン他ボカロメーカーで、コントロールはRolandと日本のメーカーだらけ。

ちなみに前作「楽耳未来神社」のバックトラックがSH-4dの一発録音だったのも含めて、日本の電子楽器メーカーはやっぱり素晴らしいなと。

ここまで来ると、同じAIRA CONPACTサイズでシンセ機能付きサンプラーやFMシンセも夢じゃないなと。
あ、それじゃVOLCAか。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。