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プレゼンはたった1枚の紙でよかった

こんにちは。
自分の人生に革命を起こす
「新世界」をつくる深谷百合子です。

「資料を紙1枚にまとめる」
最近はよく聞くようになりました。

あのアマゾンでは
パワポ禁止とか。

私はパワポをつくるのが
大好き人間だったのですが
会社の会議とかって
結構要らない資料が多かったりします。

私は
中国でこんな体験をしました。

ある日本のメーカーさんが
40ページ位の分厚い資料を持って
わざわざ日本から出張でやってきたのに
説明したのはたったの1ページ
15分で会議が終わってしまったのです。

いったい何があったのでしょうか?

中国では工事をする時などは
入札をするので(←これは日本でも同じ)
入札資料が発行されます。
設計情報がメインなので
設計会社が作っていました。

工事で使う材料にも条件があって
業者が
「安かろう悪かろう」な材料を
使うのを防ぐため
過去の実績とか品質とか技術レベルを
考慮して
設計会社が予め購入先候補リストを
作っているんですね。

要するに
「このリストにある業者から
材料を買って下さい」
ということです。

ある設備で改造をすることになって
流量メーターを交換しなければ
ならなくなった時のことです。

今までよりも
大きな流量を測る必要があるのに
候補リストに載っているメーカーさんには
そこまでの流量を測れる商品が
なかったのです。

それで、リストに載っている以外の
メーカーを調べてみると
唯一日本の1社だけが
大流量に対応する商品を持っていました。

でもその日本メーカーさんは
候補リストに入っていません。

候補リストに入っていないと
直接発注ができないので、
候補リストに入れる必要がありました。

それで、
候補に足るべき実績があることを
入札資料を作っている中国の設計会社と
発注者である中国の国有企業へ
説明しにきてもらったわけです。

初めての商談ですから気合い入りますよね。
日本メーカーさんは
分厚い資料を持ってきて配り、
パワポを投影して
会社概要の説明から入りました。

会社の沿革とか商品の構成とか……。

しばらくすると
国有企業の中国人部長が
ちょっとイライラし始めました。

設計会社の中国人も
「ここら辺は関係無い話」とばかりに
スマホを見ているばかりで
話を聞いている様子がありません。

発表している側は一生懸命なのに
空回り感満載です。

するとイライラしていた部長が
ひとこと、こう言ったのです。

「私が知りたいのは
お宅の会社の実績です。
うちと同じ業界への納入実績を
説明して下さい」

説明していた営業マンは
慌てて資料を先送りし
納入実績のページを映します。

日本の工場への納入実績が
書かれています。

するとまた部長が
「中国の工場への実績見せて!」
と言います。

あわてて次のページを映して
中国の工場への実績一覧を見せる
営業マン。

中国人部長や設計会社の責任者は
そのページを見ながら
いくつか質問をしていました。

15分位の問答があった後
「OK、分かりました。
問題ないので、リストへの追加と
発注の手続きを進めます。以上」
で会議終了。

結局分厚い資料の中で使ったのは
中国工場への納入実績の1枚だけ。

配付資料のコピーとか
準備するのも大変だったろうに……。
営業マンもちょっと苦笑いでした。

もともと打合せの趣旨や目的は
中国人担当者から相手側の代理店経由で
日本メーカーに伝えられているので
意図が正確には伝わっていなかったのかも
しれません。

でも私はこのシーンを目の前にして
相手が本当に欲しい情報は何かをつかんで
それをズバッと提供することって
大事だなと思いました。

私自身もそうですが
資料を作ったりするとき、
相手の知りたいことって
たぶんこういうことかな?
これもいるかな?
あれもいるかな?
とか頭を悩ませがちですが

こうかな、ああかな と考えるんだったら
その時間を使って
相手に聞いた方がよっぽど効率がよいかも
と思いました。

相手が欲しい1メッセージって
何だろう?

そんなことを考える癖を
つけたいなと思います。

それでは、また。

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