マンゲキラジオドラマ「サンパチマイク」がすごいって話。

よしもと漫才劇場のyoutubeチャンネルでコロナ禍に立ち上がった企画「マンゲキラジオドラマ」。ここでは芸人さんが交代で脚本・演出を担当し、マンゲキメンバーをキャスティングして一本のラジオドラマを作っている。毎回「この人、こんなん書くんや」と驚かされる企画でもある。特に漫才師でネタを書いていないと公言している方が書く脚本にはとても興味をそそられる。失礼だが「書けないのに、何が書けるの?」と思ってしまう。
私の偏見かもしれないけれど世の中には「すごく書ける人」と「全然書けない人」の二通りしかないと思ってる。「ちょっとだけなら書ける」人っていない。「ちょっとだけ書けます」と「ちょっとだけ飲めます」は同義語。
こちらが想定している以上に書けるし、飲める。

そして満を辞して「令和喜多みな実のネタを書かない方」の河野さんが登場した。

河野さん脚本の物語、キャストは何と相方の鬼才、のむさん。

演出は最高すぎると思った。脚本が駄作だったとしても、演出は最高なのではないのか。そして創作については「じゃない方芸人」である河野さんに大した期待もせず、課金して書いました、脚本。

サンパチマイクが喋ったら、というファンタジーな作品。だと思っていた。
コロナで劇場が止まり、芸人さんたちが大変だったことにも触れていた。
それでも笑かしたい、笑いで誰かを幸せにしたい、っていう芸人さんの姿について。その部分を読んだとき、スタイホーム中にsnsや配信、いろんな企画で笑かしてくれたあの芸人さんやこの芸人さんの顔が浮かんで、noteの有料ページを出勤途中の電車で見ながらボロボロ泣いてしまった。
お笑いなんてなくても死なないかもしれないけど、あったから生きてこれたって人もたくさんいるんじゃないのか。
いつも劇場にいて、会いに行くと元気をくれるあの人たちが今ここにいてくれる幸せ。そういうものが一気に押し寄せてきた。
素朴が文章が、ものすごい凄みを乗せて私に一気に押し寄せたきた。

そして翌日25日のよるに公開されたラジオドラマ。

のむさんが天才なのはわかっていた。けれどそれ以上、それを遥かに凌駕した出来だった。のむさんもアフタートークで言ってたけど「字で追いかけると恥ずかしいこと書いてるからどこまで芝居で(それを消し去ることができるか)」って言ってて、本当にその通りで、河野さんの「処女作ならではのちょっとストレートすぎる部分」を朝ドラ俳優でもあるのむさんが見事にうまく演じていたと思う。

そしてアフタトークでのむさんを褒めまくる河野さんと、照れ隠しなのかいつも以上に河野さんをいじるのむさん。のむさんが河野さんをおちょくるたびに「俺の相方すごいんやぞ」って言ってる気がして、なんかそれも胸熱でした。

で、のむさんもラジオドラマやってたな?と思って漁ってみた。

なにこれやっぱり格が違うわ。
河野さん、まだまだやな(笑)。

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