見出し画像

むかしむかしのその昔⑱初めてのベートーヴェン

私はnoteでいつくかのシリーズに分けて文章を書いています。
だけど、最近はそんなシリーズのことをすっかり忘れていました。

さて、「むかしむかしのその昔」、私が小学校に入学した頃のことです。
1年生になった私は、クラスのみんなと校内の見学をしました。
一番の衝撃は、階段を昇って入った図書室でした。
本棚にはたくさんの本が背表紙を見せてぎっしり並んでいました。
また、表紙が見えるように並べる棚には絵本がありました。
そこに『お月さまをたべたはなし』というタイトルがあったのを
記憶しています。たぶん、それを読みたいと思ったんでしょうね。

驚いた部屋は、もう1つありました。それは音楽室でした。
何がすごいかというと、こわい顔のおじさんたちの絵が
壁にずらっとならんでいたからでした。
たぶん一番こわい顔はベートーヴェンだったと思いますが、
1年生の私がそんなことを知るはずもありません(笑)。

因果なもので、私の小学校のチャイムは「エリーゼのために」でした。
一日に何回も流れるベートーヴェン作曲の「エリーゼのために」を聞き、
私はあっというまに覚えてしまいました。
でもその曲名も知らないままで1年と4カ月が過ぎ、
私は遠くの町へ引っ越しました。
転校した学校のチャイムは、定番の「キンコン、カンコン」でした。

たぶん、童謡やテレビで流れる歌謡曲以外で、
私が音楽らしい音楽を耳にしたのは
「エリーゼのために」が最初だったと思います。
ピアノ演奏で曲のすべてを聴くのはそれから何年もあとになりますが、
クラシックとの出会いもそこからだったのかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?