#84 台風は右巻き?左巻き?

初夏から秋にかけて日本を襲う台風。「台風」という言葉は、明治時代の終わりに中国語の「颱風(たいふう)」を語源として使われるようになった。英語では"typhoon"という。

さて、台風は右巻きか左巻きかどちらだろうか。答えは左巻きである。日本を襲う台風はおおよそ南から北へ進むことが多い。そのため、台風の東側は進行方向と風の向きが一致することから風がより強くなりやすく、注意が必要である。

では、なぜ台風は左巻きなのか。それは、日本が北半球にあるからである。
地球は北極から見ると左回りに自転している。そのため、コリオリの力が働き低圧部に流れ込む風は左回りに吹き込むことになる。コリオリの力について文章で説明するのは困難なため、以下の動画を見てほしい。

南半球ではこの逆の現象が起きるため、台風は右巻きになる。要は北半球は左巻き、南半球は逆の右巻きだということだ。

また、台風は日本特有の呼び方である。台風とは風速が一定以上の熱帯低気圧(熱帯で発生した低気圧)のことだが、同じような低気圧でも発生した場所によって呼び方が異なる。
例えば、経度180度以西かつ赤道以北で発生するとタイフーン(台風の語源)、インド洋や経度180度以西かつ赤道以南で発生するとサイクロン、大西洋や経度180度以東の太平洋ではハリケーンと呼ぶ。

また、台風には〇号の数字以外に、個別に名前がつけられている。例えば、2019年に甚大な被害をもたらした台風19号は「ハギビス」と名付けられている。これは、台風委員会(東アジア、東南アジアの国々による台風防災を目的とした機関)が定めた140の名前を台風(タイフーン)の発生順につけていくもので、140番まで行くと1に戻る決まりになっている。
なお、顕著な被害をもたらした台風の名前は以後使用されることがなくなる場合があり、「ハギビス」は2019年で使用停止され、現在では「ラガサ」という名前がかわりに使用されている。

日本では台風は〇号で呼ぶことが定着しているため呼称は一般的ではないが、台風にもそれぞれ名前とドラマがあるのである。

【参考】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?