#176 水道水の危険性

こちらの動画では、水道水の危険性がわかりやすくまとめられている・・・というのはフェイクで、水を言い換えてその特徴を水=悪と思えるように切り貼りした内容である。

動画に登場するDHMO(Dihydrogen Monoxide=ジヒドロモノオキサイド=二酸化一水素)とは「水」を分かりにくく表記しただけのもので、「酸性雨の主成分である」などマイナス面だけを抜き出した表現がアメリカのジョークとして広まった。

上記サイトには、次のような実験が紹介されている。

1997年のこと、米国の中学生がDHMOなる化学物質の危険性を書き連ね(もちろん英語で)、周囲の大人たちに読ませて「このような危険な物質を規制しなくて良いのか?」と尋ねたところ、質問を受けた50人のうちの43人が規制に同意したという。曰く、
・Dihydrogen Monoxide(DHMO)は水酸の一種であり、無色、無味、無臭である。
・DHMOは比較的古くから工業に使用されてきたが、産業の巨大化や軍事技術の発展に歩調をあわせて使用量が飛躍的に増加した。
・DHMOは、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの金属を侵し、水素ガスを発生させる。
・DHMOは毎年無数の人を死に至らしめ、その多くはこの物質を液体のまま吸引したことによる呼吸不全が死因である。
・固体となったDHMOに接触すると、身体組織に激しい損傷を引き起こすことが実験的に確かめられている。
・DHMOは、不妊男性の精液、死亡した胎児の羊水、がん細胞から多量に検出される。
・DHMOは犯罪者の血液や尿に多量に含まれ、暴力的犯罪のほぼ100%がこの物質を摂取した後24時間以内に起こっている、など。

http://www.mac.or.jp/mail/100801/04.shtml

このような切り取り方をすると、あたかも有害な化学物質のように受け取ってしまうが、ただの水の説明である。
わたしたちをとりまく情報には多かれ少なかれこのような誇大表現や悪意のある編集がされていることがある。
情報化社会において、情報に対して「ほんとかな?」と冷静に一呼吸置く能力(メディアリテラシー)が求められている。

【目次】

【参考】


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