#133 親潮と黒潮は何が違う?

日本の周辺を流れる海流は大きくわけて4つ。
太平洋側を北東から南西方向に流れる親潮(千島海流)と、南西から北東方向に流れる黒潮(日本海流)、日本海側を北東から南西方向に流れるリマン海流と、南西から北東方向に流れる対馬海流である。

とくに親潮と黒潮は混同しやすいが、名前の由来を知ることで覚えやすくなる。
親潮と黒潮は海水温だけでなく、塩分濃度が違う。黒潮は塩分濃度が高く、親潮は低い。そのため、「黒潮は辛く、親潮は甘い」と表現されることがある。また、親潮は栄養分が多く、黒潮は比較的少ない。そのため、親潮ではプランクトンが大量に発生し、太陽光が反射するため、濁った茶色をしている。「親潮」という名前の由来も、栄養分を多く含んだ水が魚や海藻の成長を促すことからつけられている。北海道から東北地方にかけて有名な漁港が多いのも、沿岸を栄養分を多く含んだ海水が流れているからである。

一方、栄養分の少ない黒潮は、プランクトンが少ないため透明度が高くなる。海水が青く黒く見えることから「黒潮」と名付けられている。黒潮は世界でも最大級の強い流れの海流として知られ、海水表面の速さは毎秒2m、時速になおせば7.2km、人で言うと小走りするぐらいの速さになる。この海流は太平洋側を通る船の速度にも影響を与えている。今は廃止されているが、かつて東京ー沖縄間を結んでいたフェリーの所要時間は、黒潮に逆らう下りが約50時間かかるのに対し、黒潮に乗る上りは47時間30分とおよそ2時間半の差があった。

なお、リマン海流の「リマン」とは、ロシア語の「河口」という意味の言葉である。アムール川の水によって冷やされた海水が南下してくることからリマン海流の名前が付けられた。

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【参考】


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