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真昼の月


私には「特定の好きなジャンル」というものはなく、それぞれ自分の好きな作品を何度も見返したり読み返したりする。


そんな中で、漫画部門の第1位は吉田秋生先生の海街diaryだ。
実写映画でも高い評価を得ていた作品だが、先に漫画を読み始めていたこともあって、漫画を何度も読み返している。

海街diaryの登場人物はみんな中々に重たい背景を抱えている。
しかし、悲観的には描かれておらず、鎌倉の優しい風景と温かな暮らしでそれらを包み込んでいる。
傷付いたり、悲しいことがあったり、後味の悪い出来事に出会ったり。
そんな誰しもが抱えるブルーな側面を優しく包み込んで、暖色な感情へと昇華してくれる。


街中ですれ違う人々にも様々な背景があって、たった今横を通った小学生でさえも、私には理解できないほどの悲しみを抱えているかもしれない。


でも、みんな懸命に生きているのだ。しんどくても、楽しいこと、嬉しいことを見つけて生きている。


この作品はそんなことを考えさせてくれる。


心がしんどくなった時に読み返すと、自分の周囲にも優しい人がいるなぁ、とか、地元(九州のとある離島)の海も優しかったなぁ、と思わせてくれて、心がフッと軽くなる。

ちなみにこの記事のタイトル「真昼の月」とは海街diary2巻の表題である。
おかげさまで昼間に月を拝めると、勝手に優しい気持ちにならせていただいているのだ。

4月から新生活が始まり、一人暮らしも始めたてという人生ペーペー野郎の私だが、人に安らぎを与えられる、海街diaryの登場人物のようになりたいなぁと、うっすら考えている。

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