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ママ、嘘を見抜く~読書記録330~

ジェームズ・ヤッフェによる安楽椅子探偵ママシリーズだ。

三年に一度の地方検事選挙を控え、町はなにかと騒がしい。そんなある日、デイヴたちは殺人容疑をかけられたホームレスの弁護を引き受ける。彼の話はあまりにもうさんくさく、とても勝ち目があるとは思えなかった。しかし、ママの推理は選挙の行方をも左右する、思いも寄らぬ事実を明らかにしていくのだった。シリーズ第四弾。

ママシリーズは、これで終わりとなる。
作者が意図して終わらせたと言うよりも、年齢的なものだろうかと思う。

今回の真犯人は色々想像を巡らせ楽しかった。あれ?こんな意外な人が?となったのだ。

今回はアメリカの民主主義による選挙事情というものが少しわかった気がする。日本人の多くは投票に行かないのだ。
アメリカ人だって惰性で投票に行っている人が多いと思った。

デイブのこの独白は実はアメリカ人の多くの人が抱くものかもしれない。

わたしは政治家が嫌いである。
前にも述べた通り、政治家は嘘つきのペテン師であり、選ぶに値するような者はいないと考えている私だが、にもかかわらず、投票はする。そうするものだと教え込まれて育った者の。いわば身に着いた癖とでも言おうか。
(本書より)

そう、政治家なんか誰も嘘つきのペテン師なのだ。
今の日本だってそうだ。与党、野党、皆そうだ。
けれども、アメリカのように「選挙には行くものだ」と教え込まれていない。そのことも考えることとなった。
もっとママシリーズを読みたかったなが本心である。


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