アナログとデジタルの狭間で

私が大学に入って大きく変わったと思うことの一つは、

手書きで文字を書くことが減った

ということです。それも圧倒的に。

高校まではあらゆるものをガリガリ書いていたのですが、大学ではパソコンでレポートやらプレゼン資料やらを作成したり、オンライン上でアンケートに答えたりととにかくペンを握ることが減ったと感じます。現にここでもカタカタとキーボードを打って記事を編み出していますしね。

端的に言うと、すごく便利です。

間違えてもすぐに綺麗に訂正できるし、行がきちんと揃うし。「できる奴」になった気分も味わえたりなんかして(それはないか)。

でも、正直なことを言うと、私としては手書きの文化は完全にはなくならないでほしいです。

私は、手書きの文字には手書きでしか出せない味があると思っています。

神経質そうな尖った字、コロンとした丸みを帯びた字、躍動感を感じる字、どしんと構えた筆圧の強い字……

手紙なんかは特に、その人の声で文が聞こえてくるような感覚を覚えて、思わず笑みがこぼれてしまうことだってあります。

そんなわけで、私は手書きの文字を見るのが好きです。

そしてもう一つは完全に自分勝手というか、嫌味に聞こえる可能性も否めない理由ですが……

私は昔からよく「字が綺麗だ」「字がうまい」と褒められてきました。硬筆でも毛筆でも賞を何度かいただいたことがあります。手書きにおいては得をしてきたと言えるでしょう。

だから、完全にパソコンなどのデジタルのみになってしまうと自分の武器を一つ失ってしまうということになるんです。それはちょっと、いや、かなり嫌だなぁ、と思うのです……。

私以上に手書きで得をしてきた人も、手書きよりパソコンの方がいいという人も、どちらもたくさんいると思います。それならば、やはりどちらかのみではなくどちらも選べるのが最善だと思います(もちろん、パソコンでなければならない場面等もあるので一概にそうすべきだとは言えませんが)。

デジタルとアナログの間を自由に行き来できる状態は、心地いいものです。

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