中東アラブ湾岸諸国の儀典兵、親衛隊の魅了について
この前サウジアラビアの皇太子殿下が中東湾岸諸国を歴訪した際に、この皇太子殿下をお迎えする儀仗隊や親衛隊などが独特な、いわゆる伝統的な装束に身を包む部隊が多く、その姿が素敵だったのでマニアックな話かもしれませんが取り上げてみたいと思います。
(先に申し上げておきますと儀仗兵とまとめていますが、親衛隊だったり、軍警察だったり、軍属だったりと所属が国によって異なるケースがあることはご理解ください)
まずは最初に訪問したオマーンの出迎えの兵士達。
なかなか独特な色のどことなく昔のイギリス風?なヘルメットが特徴的。
ちなみにオマーンはなかなかカラフルで素敵な女性軍楽隊の部隊があるのが特徴的。オマーンはインドやアフリカなど周辺諸国の影響を受けているせいか、衣装が部族ごとに異なりカラフルです。
アラブ首長国連邦のアブダビの空港、宮殿で並ぶ儀仗兵達はアラブ首長国連邦の伝統的な民族衣装カンドゥーラに身を包み、同じ色のベシュト(マントのようなもの)に両袖を通しています。アラブでよく見る、湾曲した短剣、ジャンビーヤ(腰に置いている短剣)を金の鞘につつみ黒ベルトを巻いた姿は砂漠の近接戦闘を行う戦士の装いと言えます。白と砂色の混ざったシュマッグを頭に巻いています。
民族衣装ではないですが、アラブ首長国連邦のアブダビにある大統領官邸、「カスル・アル=ワタン」は人生の中で一度は訪問しても良い場所だと思います。1,800円くらい(記憶が正しければ)で一般開放されてますのでぜひ皆様も訪れて見てください!ルーブル・アブダビの近くになります。
栄誉礼で国歌を演奏するのは白の制服に身を包む軍楽隊の皆様。
次はカタールの民族衣装に身を包む儀仗兵。
こちらは白のえんじ色の国旗カラーを意識したゴトラ(頭に巻いている白い布)に白のトーブ(服)、カタールでは襟付きのトーブが多いのですが、こちらは襟なしのトーブで肩章がついているのが特徴的です。
脇に抱えるのがライフルであるためか、黒いベルトにはアラブ首長国連邦と異なりジャンビーヤ(短剣)を付けずライフルの弾を胸と腰に差し込んでいます。
そしてカラッと変わって第一次大戦の頃、明治時代を感じさせるようなデザインのバハレーン(バーレーン)旗持ちの皆様がお出迎え。
ただわからなかったのが、この旗が現在の国旗ではなく1800年くらいのバーレーン国旗か?とも思ったのですがデザインちょっと違うんですよね...王室旗でもないし...結局この旗がなんの旗かわかりませんでした。
今では国際的な地位は落ち込んでいますが、かつてはバーレーンは金融都市、貿易都市として今のドバイやドーハの先輩格に当たる存在でした。
赤の軍服、白のシュマッグを巻いた騎兵団が王宮までの道のりを先導します。 全部黒毛かな?と思ったら前列のみで、後列は全部白馬です。 後列の白馬に乗っているのは礼装が異なるので(空港出迎えと同じ)部隊か所属が異なるのかもしれません。
中東で伝統的な剣舞、アルダを踊りながら宮殿前で歓待する衣装が凝ってます。 サウジアラビアを意識した緑とバーレーンを意識した赤白のジャケットを着た人たちが交互に入りライフルを持ち踊り、ベシュトを着込んだ剣舞を踊る人と旗持が脇を固めています。緑色のベシュトの心臓部分にはバーレーンの紋章が入っています。
そして宮殿で行われるバーレーンの栄誉礼はなんというか、赤い!
どちらか言うとシャア少佐的な赤ではなく、ジョニーライデン系の紅です! 伝統的な中東のマントのような礼服、ベシュトの金のラインを意識したジャケットとバーレーンの赤を全体的に意識した礼服デザイン!
これぞ『バーレーン王室赤揃え!!』
...まぁ国旗のカラーが赤と白なので(笑)🇧🇭
最後にクウェート。
クウェートも赤いですが、こちら民族衣装ではなくて軍服。
赤い色が強いのは今のクウェート国旗になる前の1960年代以前に使われていた赤い色の国旗の時代の名残ではないかと考えられます。
さて、最後に各国国王を今度はサウジアラビアの儀仗兵が受け入れた時の様子。
ジャンビーヤ(短剣)だけでなくサーベル(セイフ)の置き方が待ち構えている感!!やばい。かっこいい!!
サウジアラビアの白のシュマッグに黒のトーブは冬服なのかもしれませんが、かなり珍しいです。
いやー、皆さまも人生で一度でもいいので儀仗受けてみたくないですか??
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