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性格悪い方が人生は豊かになる。

「人間で最も性格の悪い男」
これは私が務める株式会社人間でついた、私の異名です。

社名のせいで「人類史上最悪」みたいに見えますが、そうではありません。あくまで社員10名、非正規合わせて17名程度のなかで、たまたま、偶然にも、性格が一番悪かっただけです。運も悪かったのでしょう。

それに少し前まで私は自分のことを「性格悪い」なんて1ミリも思ったことはありませんでした。優先座席は座らないし、店員さんにも腰は低いし。
しかし、最近会社で「そういうとこやぞ!」と具体的なシチュエーションをもって指摘いただける機会が増えたので、自分のどこが悪いのか徐々に自覚してきました。

例えば先日、会社の飲み会で同期の女の子が元気ハツラツにはしゃいでいました。その姿を見て「あいつ、イベントに登壇した芸人をスベらせて悪びれることもなく進行を続ける雇われ司会者みたいですよね」とボソッと呟いた時に「そういうとこやぞ!」と指摘されました。なるほど。

多分、人のアラを探して指摘する“悪意”が原因なのでしょう。
本当によくないことだと思います。少し反省します。

そして昨日、1人でカフェに籠もって仕事をしていたのですが、奥の席で帰り際に自撮りをする女子2人組が目に止まりました。

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カメラを持っているのは美人な女性。
もう1人は比較的容姿の劣る女性でした。

それを見ていて私は笑いが止まらなくなりました。

綺麗な方が撮影?いやいや、あなたが加工のイニシアチブ取ったら鬼に金棒、撮られた側からしたら泣きっ面にハチじゃないか。あなたもせめて自撮りは自分からいかないと、引き立て役として最良の味付けをされてしまうだけですよ。かといってSNSにアップされる時は「可愛い〜ちゃんと」とか言われてしまい、タグ付もされるだろうし、自分でもシェアしないと角が立つんだろうでしょう。もう四面楚歌ですやん。ああ、なんて面白いんだ。

そんなことを考えていました。
ようやく笑いが収まったのは5分後ぐらい。徐々に反省し始めます。

またやってしまった。
人の不幸をたっぷりと堪能してしまった。完全な邪推だ。

少し凹んでしまったので作業をやめ、カフェを後にしました。
空には周りの街灯に白んだ夜空にうっすらと星が浮かんで見えます。

この星空も佐渡島で見た時はもっと綺麗でした。大学生の時に香川県の山奥で見た時も、北海道の洞爺湖で見た時も、もっともっと綺麗でした。都会が灯す煌々とした明かりが、星空を霞ませてしまっている。

待てよ、これは「性格悪い」に通じることじゃないか。

先ほどの自撮り女子は、他の人から見たら何の変哲もない光景だったと思います。それは「普通」とか「当たり前」みたいなフィルターを通して世界を見ているから、そこに疑問も違和感も抱かないのです。ただ「容姿に差のある女子2人が自撮りしているだけ」だと。

私たちは「普通」と定義してしまうことで、世の中を生きやすく便利にしました。いちいち真新しい気持ちで眺めていたら疑問も生まれるし、時には不安になってしまいますから「普通」と括ってしまう方が楽でいいのです。

しかし、何かに光を当てて焦点を絞ってしまうということは、何かを暗闇に放り込んで見えなくしてしまうということ。街灯の明かりが星空を消していくのと同じです。

つまり私は「普通」とか「当たり前」という街灯を持っていないからこそ、あんなに面白い場面、綺麗な星空を眺めることができたんです。なんて豊かな人生なんでしょう。

性格悪いことは人生を豊かにしてくれる。人から見ると闇につつまれた暗い性格でも、その中からしか見えない景色は綺麗なものなのです。
こんな性格に育ててくれた全ての人に感謝します。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。