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不本意ですがアイデンティティを見つけました。

私が幼い頃からずっと「普通」であることをコンプレックスに感じています。

何かキャラクターが欲しい。
無味乾燥な自分に刺激的な味付けを施したい。

そんなこともあって「株式会社人間」というキャラの濃ゆい会社へ転職したわけです。

ここはキャラクターの宝庫。
いや“巣窟”“魔窟”と呼ぶ方が適切かもしれません。

例えば唯一の女性社員トミモトさんは急に「3ヶ月ほどネパールのカレー屋で修行してきます」と言い放ち、来週から本当に休んでしまうそうです。


また、今月から入社した木村さんは「肉以外で腹を満たしたくない」と、ランチプレートに添えられた僅かなキャベツも口にしません。
しかも、高校から生野菜を食べていないらしく、そんな彼の実家は農家。入って2日目に「ミート木村」の名を襲名するに至りました。

私も「10日で企画を1000個作る」みたいな挑戦をして、肩書きも“1000本プランナー”になりましたが、前述のお二人に比べると人工的というか、後天的というか、無理やり組み上げたハリボテ感が否めません。

自分のキャラって何なのか。
そんなもの、あるのでしょうか。

その糸口が最近見つかりました。
ある日のツイートです。

これは前述のトミモトさんが自ら手掛けた「トキメキ迷宮からのSOS」というイベントの終了を振り返ったエモいツイートに、我が師である山根さんの悪行が映り込んでいるのが面白くて投稿したものです。

投稿して数分後、トミモトさんから返信が。

「シャニカマのそういうとこやぞ。」
全てを言わずとも、これが私の投稿を批難する“叱責”であることは明白です。

そこに続けて、張本人の山根さんからも返信が。

「そういうとこやぞ、シャニカマ。」
これも、明確な“叱責”です。

おそらく私の悪意に満ちた言動や、愛のない暴言を指して注意してくださっているのでしょう。

そして時は変わってつい昨日、焼肉屋での一場面。
山根さんと映画「パラサイト 半地下の家族」について語らっていた時。

「パラサイトはよかったなー」
「よかったスね」
「表現が上手くて、部屋に置いてるもの1つひとつが全部比喩になってるんやもん」
「たしかに“上手いこと言いたい感”すごかったですね」
「そういうとこやぞ!」

ここでもまた「そういうとこやぞ」です。叱責です。

その時に私は思いました。
「これがアイデンティティじゃないか」と。

「そういうとこやぞ」という言葉は、一時点での出来事を指しているようですが、実際はその場面から想起する人間性を指している言葉です。つまり、身近に仕事するお二人が日頃から私を見ていて「シャニカマはこういうとこあるな」と共通認識できる人間性がある。「シャニカマ」そのままを表すような、何らかの独特な個性があるということです。

また「そういうとこやぞ」には一種の“呆れ”が入っています。散々見てきている事であり、裏を返せば一貫性があるということになります。キャラクターを欲していた自分が意図せぬところで一貫性のある個性が存在するのです。

いつだったか、山根さんが私をこう形容しました。

「純粋に性格悪い男」

その時、その場にいた全社員が満場一致で「その通りだ!」と口々に言ったのは偶然ではないでしょう。今考えれば、それもまた性格の悪さがアイデンティティであることを裏付ける出来事です。

もちろん「本意か?」と聞かれたなら迷わず「不本意です」と答えますが、何年も探し求めた“天然物のキャラクター”です。大切にしていきたい。

怒られた内容は改善するためだけに使うべきではありません。
事実は1つでも解釈は無限大。捉え方によっては見つかるものもあるのではないでしょうか。

今後とも「そういうとこ」のある私をどうぞよろしくお願いします。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。