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【News】テンセントのポニーマー会長、全人代に対し恒例の複数の提言 (20210304)

【一言コメント】
またまたテンセントネタです。
先週まで全人代(日本で言う国会)が開催されていましたが、中国の名だたる企業のCEOの中にはこの全人代に、「(中国各地の)代表」として出席される方がいらっしゃいます。
テンセントのポニーマー会長もその一人で、兼ねてより全人代の場で、いくつかの政策に関する提言をすることが恒例となっています。
影響力のある立場・企業として、単にビジネスのみならず、国民の繁栄に貢献する(したい)という姿勢はこうしたメガプレイヤーに良く見られるところです。
今回は3月4日時点の中国現地の記事にて、今般の全人代の場においてはポニーマー会長がどのような提言をする予定かが分かり、それをシェアする内容が記載されていましたのでピックアップしております。
(トップ画像は全人代の開催場所、人民大会堂がある北京市の天安門広場)

【Newsの概要】
中国では3月5日から第13期全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)が開催され、全人代に構成員の「代表」として参加予定のテンセント会長である馬化騰氏(外国では「ポニー・マー」の名称で有名)は、会期中にいくつかの提言をする予定だと報じられている。
馬化騰氏の提言予定内容は以下の通り。

■地方の活性化
馬化騰氏は以前より地方部(農村)のインターネットの力を活用した活性化を主張しており、今回の提言にもこれは含まれる見通し。
テンセントが独自に地方部で実施したアンケートによると、農業生産施設、医療施設、公共の生活インフラ施設等においてスマート化を通じた改善が期待されているとのことで、馬化騰氏は「新しいタイプの専業農家育成プログラムや、帰郷した新規就農者や農村を管理するコア人材に対する農業技術・電子商取引等の研修提供プラン」等を提案する見込み。

■新規雇用
「新しい雇用形態」も馬化騰氏が以前より注目しているキーワード。
現在「ギグワーキング、シェアリングエコノミー」等様々な雇用形態が誕生してきており、これらは伝統的な雇用形態とルールが異なる中で、新雇用形態従事者に対する保障・サービスが整備されきっていないことを馬化騰氏は問題視しており、これら従事者が社会保障を受けられる体制の構築や、就業困難な人々に対する救済措置としての無料オンライン学習サービスの提供等が提案される見込み。

■カーボンニュートラル
馬化騰氏は、気候変動への対応は中国の持続可能な発展の為の重要なミッションであり、国際的な責任を率先して引き受けるべきだというスタンスを示している。
このミッションに対し馬化騰氏は「データセンターのレイアウトの最適化、グリーン電力調達ルートの整備、企業の再生可能エネルギープロジェクトや分散型エネルギープロジェクトへの投資の奨励」等を提案している。
実際、今年1月にテンセントは自らカーボンニュートラル計画の立ち上げを発表しており、これはネット企業としては初めての事例だと報じられている。

■デジタル経済に対するガバナンス
今年新たな提言として馬化騰氏がフォーカスをしているのはデジタル経済に対する対策。
デジタルによる進化の過程にある伝統的な産業は、バリューチェーンの再構築が迫られ、仮にデジタルが暴走した場合、従来の産業の従事者に悪影響を与える可能性があるとの考えを示している。
そこで今回馬化騰氏は企業の倫理を問うルールを強化し、イノベーションを実効性のある規制の下に置くことを提言する見通し。
馬化騰氏としては、特にP2P、シェアリング(乗用車・住居 等)、コミュニティグループによる一括購入ビジネス等は、未だ規制が確立されていない中、利用者の資金の安全性に配慮すべきであるとの見解を示しており、プラットフォーム経済発展を堅実にする為のメカニズムがあるべきであるとしている。

■粤港澳大湾エリア(広東省、香港、マカオを中心とするグレーターベイエリア)の開発
最後のキーワードが広東省-香港-マカオのグレーターベイエリアの開発であり、これは馬化騰氏が深圳市の全国人民代表大会の副代表の立場があることからも提言に盛り込まれているものだと見られる。
具体的な提言内容として、今年は同エリアにおける「海洋保護区の拡大」をメインに盛り込んでいる。

馬化騰氏は9年連続で全人代期間中に提案を行い、約50本の提案書を提出してきた。
今までの提言には、デジタル経済、農村の活性化、インターネットの産業活用、粤港澳大湾エリア開発等が含まれ、産業発展、技術革新、経済成長、文化、教育と健康、地域発展、生態・環境保護等多くの分野がカバーされてきた。

(深セン商報等の記事から筆者が引用&要約)



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