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猫の日の31文字。

いたずらな 猫戯れる 白花らに
今囲まれて 静かに眠る


愛猫の1匹が亡くなって2年になる。
小柄な体で、
特徴的なかすれた声で、
よくみゃぁみゃぁ鳴いた。

病気が発覚し、
入院してから1週間ほどで亡くなってしまった。
彼女が5年しか生きられなかったことを、
今でも心苦しく感じる。

彼女はいつも私にくっついてきた。
脇元で寝るのが好きなもう一匹の猫と異なり、
私の顔の近くで寝るのが好きだったから、
猫アレルギーの私としてはとても困らされた。


悪戯好きで、
生けた花の香りをよくクンクンと嗅いだ。

特にかすみ草が好きで、
帰宅すると花瓶の近くに
かすみ草だけがよく転がっていた。

「私じゃないよ?」
という顔した彼女に、私はよく笑わされたものだ。


そんな思い出のあるかすみ草を、
彼女のお葬式で手向けたいと思った。

お葬式の前、初めて行くお花屋さんに足を運んだ。
レジ横に、大きないびきをかく犬が寝ていた。

店員さんに、かすみ草が欲しいという旨を伝える。

「贈り物ですか?」と尋ねられ、
思わず、昨日愛猫が亡くなったことを打ち明けた。

当時はあまりのショックで
誰とも話していなかったからか、
あるいは
よぼよぼのいびきをかく犬が
張り詰めていたものを和らげたのか、

話すつもりなかったのに、
亡くなった愛猫がかすみ草を好きだったこと、
よくそれに悪戯されて笑ったことを話した。

店員さんはただ話を聞いて、老いぼれ犬を指さし、
「うちにもこの子がいるから
その幸せも辛さもわかるよ」
と言ってくれた。


葬儀の時には、
かすみ草をいっぱい敷き詰めてあげた。

彼女が天国でも
この白い花と戯れられますようにと。


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