見出し画像

Bali lifeの始まり #1

思い返せば20年前 バリ島のとある村に リゾート施設を造る為の候補地の土地の氣をみて欲しいとの依頼があり 一人バリ島へと向かったのが始まりでした。

空港へ到着すると 嬉しいほどのムワーッとした湿度と私好みの熱帯の空気感と、どこからか流れる懐かしいような素朴な楽器の民族音楽が耳を撫でる。出口には 既にお迎えの依頼人と運転手が待っていてくれてにっこりしながら挨拶を交わすと運転手がすぐに私の荷物を自家用車に運び込んでくれた。駐車場へと向かう依頼人と話しながら機内で飲みかけのAQUAを片手に私も涼しい車内へと滑り込んだ。車内から街を眺めると 私の好きな南国植物と様々な古い建築物とバラックのような建物が混在する街並み、横を通り過ぎるたくさんのバイク乗りと車、目に飛び込んでくる全てのものに 懐かしさ、愛おしさのような安堵にも近い感情が湧いてきたのを今でも鮮明に覚えている。それまで仕事の一部で海外に買い付けに10年ほど出ていたが初めてのアジア体験だった。車は デンパサールのちょっと高級な住宅街へと入り しばらくすると門番のいる大きな門の前へと停まり しばらくすると敷地内へ通されて静かに停車した。案内された依頼人の家は 敷地内に3軒の建物と中庭に大きなプライベートプールがあり たくさんの植物が生い茂る閉ざされた楽園だった。インドネシア人のセキュリテイー、庭師、メイドが数人ニコニコと笑顔で私を見ていたので 私も笑顔を返す。室内へと通され 一連の挨拶を交わすとベッドルームへと案内されたが既にスーツケースが運び込まれていた。エアコンでひんやりとした床、美しくベッドメイキングされた大きな窓の2階のお部屋へと案内された。窓からは 椰子の木と階下のプールが見下ろせるお部屋だった。その後会食打ち合わせがあるのでシャワーを浴びドレスチェンジして夕暮れの街へと外出した。夕暮れ時の街中は ラフにドレスアップした旅行者がレストラン探しにそぞろ歩き、道路は 帰宅途中のバイクや車の渋滞で 排気ガスと埃っぽい空気でいっぱいだった。まさにバカンスの波間、日常と非日常の狭間、between the sheetsの裏側までが 混在していた。

初めてのバリはこんな感じに始まりました。バリは人種のるつぼ、たくさんの国の人たちが移住して楽園生活をエンジョイしている。そして その中心のバリ人は ほとんどがバリヒンドゥ教徒である。街中で出会う人やレストランで働く人、小さなブティックの店員さん、お祈りに向かう人 みんな笑顔。そんな光景を見ていたら「バリは笑顔の島なんですよ」と依頼人が言った言葉は 今でも私の心に響いている。ある時から故郷を無くした私にとって 翌日起こる出来事から  まさかBaliが 人生で大切な第2の故郷になるなんてあの夜 知る由もなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?