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【特別編】 一緒に苦労した先に「つながり」がある

今回は特別編ということで、シャララ万博カーニバル開催地である長久手市の𠮷田市長と、シャララ万博カーニバル主催者である神保さんの対談をお届けします。

シャララ万博カーニバルは「交流」がテーマです。世代やジャンルを超えてつながりたい。インターネットが発達し地域のつながりが薄れていく中でも、やはり人と人との「つながり」は大切です。今回は「つながり」のテーマを中心に対談してくださいました。

𠮷田一平
1946年長久手町(後の長久手市)生まれ。長久手市長。
神保慎一郎
1968年名古屋市生まれ。ミュージシャン。ドラマー。シャララ万博カーニバル主催者。
(写真左から 吉田市長 神保さん)


地域の「つながり」が薄くなっていく

神保:シャララ万博カーニバルのテーマは「交流」なんです。世代やジャンルを超えて、つながってパフォーマンスします。しかし、インターネットが発達して「つながり」も変化していますよね。

𠮷田:長久手市は、50年前は5000人の街だったんだけど、今では57,000人になった。でもね、人口が増えるにつれて、つながりがなくなってしまった。私たちは豊かになったけど、つながりだけはお金じゃ買えないものだと思う。

今、日本中で災害が起きているでしょ。大きな地震がきたら、つながりがある頃は「隣の人は大丈夫かな?」とか頭に浮かんでいたんだよ。今は浮かびにくくなっているんじゃないかな。私が今恐れているのは、大きい地震がきたとき、つながりもなくて、全部ぐちゃぐちゃになっちゃうんじゃないかってこと。

だからこそ、私はつながりを大事にしたいと思っている。

今までの世の中は、一部の人でどんどん速くやって、きちっとした社会だった。もちろん適当でいいってわけではないんだけど、それだと置いてきぼりになる人もいる。そういったところからも、つながりがなくなってきていると思う。

例えば、コンサルタントとかゼネコンに何もかも任せてお金を払っても、地域はつながれないんだよね。プロだけがきちっとやって、市民の役割が何もないっていうのがよくない。みんなで苦労しながらでも、一緒に作りあげていくことが大事だと思うな。


みんなで作り上げていく

神保:私もそう思います。今回のシャララ万博カーニバルも多くの方々にお手伝いしていただいていますが、その中に箕輪編集室というオンラインサロンのメンバーがいます。インターネットで知り合った方々です。

そういう同じ想いを持ってくれる人がいて、私の考えに共感してくれた人たちが、一緒に動いてくれています。これも新しいコミュニティだと思ってて、もっと色んな人と繋がりたいってっていう人がインターネットで集まってきて、横に広がっていっていますね。

ちょっと前だと、インターネットのコミュニティってリアルに付き合えない人たちが逃げ込む場だったんですけど、今は少し違っています。

はじめは弱いつながりではあるんですが、実際に会って一緒に悩みながらイベントなどをやることでより強いつながりができていることを感じます。シャララ万博カーニバルもそんな想いでやってるイベントです。

𠮷田:昭和40年の我々の時代は、動力や便利なものがなかったから不便だった。誰かに頼まないとできないことが多かった。田んぼや畑仕事もそうだ。ちょっと苦手な人でも頼まなきゃいけなかったんだよね。

でも、今は機械があるし、お金を払えばやってくれるから、わざわざ嫌な人に頼む必要がなくなった。そうやってだんだんと、つながりがなくなったんだろうね。これから人口が減って、不便な時代がくる。経済も落ちてくだろう。みんなに色んな事を頼まざるを得ないんだよ。そんな時代がもう間もなく来るよ。


遠回りも苦悩も感動を生む

𠮷田:そうやって苦労したり、一緒にひとつのことを作り上げたりといった遠回りなことをやっていると、だんだん人が集まってつながりが生まれるんだよね。だから私は、プロに頼んで簡単に建物を建てたり、物事を進めたりするんじゃなくて、あえてみんなで一緒に苦労するべきだと考えとる。

神保:やっぱり大切なのはストーリーなんですね。でも、みんな苦労するのはしんどいし、嫌ですよね?

𠮷田:しんどいよ。でもしんどいって言ったって、今しんどいことをやんなきゃ、後の人達が苦労しなきゃいけないんだよ。次の世代の子どもたちのためには、今、私たちが苦労するということをしないといかんと思う。

それと、その遠回りも面白いと思えるかは大切だと思うな。苦労が最後には感動に変わって、イベントの帰り道も涙に変わると思うよ。

神保:僕も実感しています。1年目のシャララ万博が終わった時にテーマソングを作ったんです。それを子どもたちが歌いながら帰ってくれるんですよ。それはもう大泣きでしたね。

𠮷田:頑張ったからこそだよね。


多様性にこそ意味がある

神保:今回のシャララは以前に増してものすごく規模が大きいんです。ALS患者さんでありながら、目の動きでVDJプレイされる武藤さんなども一緒にコラボしてくださいます。

はじめは誰一人としてALSがどんな病気なのか認識してなかったんですね。なので、子どもたちとアイドルを集めて、ALSの説明をして、こういうパフォーマンスをして、こういう事をしたいんだという話をしました。

ちゃんと聞いてくれて、そういう話をしている瞬間、顔が変わるんですよね。決してナイーブな話じゃなく、みんなでポジティブにいきましょうって話を終えたんですけど、あの子たちは心に火が付いたんですよ。

「休憩!」って言っても全然休憩してないんです。ずっと踊ってるんですよ。そういうような事をしながらやっていくと、当然周りの家族だとか、地域の人たちも巻き込んでいくんで本当に面白いなって思えますね。

𠮷田:今回は長久手市の三味線と合唱部、アイドルもコラボするんだよね。お年寄りも若い人も、病気も障がいも関係なくみんなでやるのがいいね。

いろいろな人がいるからいいという多様性の例でミツバチの話を聞いたことがある。ミツバチは巣が熱くなると羽で風を送るんだよ。いろんなミツバチがいて30℃で熱いなって思うミツバチがいれば40℃で熱いと思うミツバチがいる。

30℃が熱いと思うミツバチが頑張っているとき、まだ40℃のミツバチはボーッと休憩している。40℃になったときには、40℃で熱いと思うミツバチが頑張る。
自然の世界では、指示を出さなくてもちゃんと上手くいくようになっている。だから、多様な人がいるっていうのは大事なことだと思うな。


シャララ万博カーニバル

神保:私もみんなとともに苦労しながら、最高のステージになるように頑張ります。パフォーマーにとっても一生忘れない感動的なステージにしますね。本当に当日が楽しみです。今日はありがとうございました。

𠮷田:こちらこそありがとう。


「つながり」を大切にするシャララ万博カーニバルはもうすぐ。夏休みの最後の思い出はシャララ万博カーニバルで決まり。8月31日はみんなで長久手市のモリコロパークへ!

そして、今回の対談も動画で見ることができます!こちらもチェックしてくださいね。

さらに詳しい情報は以下のリンクをチェックしてください!


テキスト・編集/神谷恭汰
書き起こし/神谷恭汰 氷上太郎
撮影協力/ケン 横田真紀
特別協力/神保慎一郎

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