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摂津市3歳児虐待死事件を受けて~親の気持ち~

私たちは2010年の大阪市西区2児餓死事件の直後から、子育てで悩むママさんが「ぶっちゃけトーク」できる、通称「女子会」を毎月1回開催してきました。

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約10年間で沢山のマスコミ取材が入り、子育てで悩んでいる人が救われる方法を発信し続けてきました。

今回も摂津市3歳児虐待死事件をうけてマスコミ取材が続いたので、同じように悩んだ当事者に、児童相談所のどういうところに課題を感じていて、どうすればいいか、まとめてもらいました。

長文になりますが、とてもわかりやすくまとめてくれているので共有許可をいただきました。ぜひご一読を🙏
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もし可能でしたら記者さんへ送信していただけるとありがたいです。
内容としては、今の自分で振り返ってみた、解決を早める、進めていくための「理想の対応」と、「実際の対応」に分けて記載し、最後に児童相談所に期待することを書きました。
長文になってしまいすみません。

一時保護直後の母親の状況・困惑
→なぜ私の家だけがこんなことに? 
自分の幼少期に同じことをされたのに、なぜ子どもは守られて私の時は誰も助けてくれなかったのか?
・今後の生活への不安
→児童相談所に呼び出されると聞いていたが、どのような機関で何を聞かれるのか全く分からない
子どもの転校手続きも含め、自治体への届け出は必要なのか?
自分の仕事先に虐待による一時保護が知れてしまうのか?
自分は逮捕されるのか?

ーーーーー児童相談所から呼び出されるーーーーー

(平日の日中呼び出しのため、仕事を休んで児童相談所に行きました)
今振り返って思う「理想の対応」

・母親への寄り添いとケア
・児童相談所との信頼関係構築
→一時保護の行政処分を受け、その処分の対応で会う人全員に警戒心を抱いており、信頼関係を構築するまでは家庭内で起きていたプライベートな内容を話す気になれない
・母親が虐待を行なった原因を洗い出し、家庭復帰時に虐待を繰り返さないよう真因を特定して解決させる
→私の場合は私自身が幼少期に受けていた体罰が原因の一つだった
・今後の見通し、予定の説明
・母親の心の傷を癒やし、子の問題行動も含めて全てを受け止める「心の余裕」を増やす
・母親の生き辛さを解決することで、物事を楽観視することができるようになる(過去の事例を用いた説明や、かかる時間、手順など、希望を持ってイメージできる、段階を踏んだ具体的な説明)
・子どもとの関わり方レクチャー
・母親が全てを世話し続ける必要はない
・自分の「理想の母親」はどんな家でも存在しないハイレベルな理想であって、手を抜く、力を抜く、頑張りすぎず自分を休ませる時間も大切にすること
→自分のケアも、育児と同列に重要なことだと教えて欲しい
・正しいことじゃなくても、家の中が平和なら良い(宿題し忘れる、家事をサボって出前を取る、など

「実際の対応」

・親主体ではなく児童相談所主体の「提供可能な改善プログラム」しか提示してもらえない・↑が時間的に難しいと断ると、「親のケア方法は他に用意できない」と断言される
・保護に至った経緯を何度も何度も確認され、自責の念がどんどん膨らみ苦しむ
・虐待隠蔽を疑われる
・感情的になって口走った言葉は逐一メモされ、裁判所への提出書類に記載される
・専門的なスキルを持っている担当者に受け持ってもらえるとは限らない結果、児童相談所担当者への不信感が限界を突破した

子どもの家庭復帰と、将来的な家庭円満を支援するためには、母親が心の傷や、無自覚の問題点を抱えていないのかを見抜くスキルが必要です。真因を特定して、しっかりと解決させる。

母親の心の余裕を大きく広げて、子どもの言動にゆったりと対応できるように導くことが児童相談所に期待する「理想の対応」です。

親の問題解決には多大な時間がかかりますが、「一歩一歩、確実に改善してますよ」と励まし続けることも必要です。
誰かが応援してくれると、自分の足元が見えなくても前に向かって進む勇気が湧いてきます。
私は辻さんに励まし続けてもらえたおかげで停滞期も乗り越えて自分のケアを進めることができ、ようやく今の自分に辿り着きました。

本来なら児童相談所がその役割を担うべきだと思います。しかし児童相談所の最初の担当者は、母親のケアを置き去りにして「どのように子と向き合うべきか」だけを押し付けてきました。

「言われた通りに頑張れば子どもを怒ることもなく、自分は良い母親になれる」と信じて頑張りましたが、結果は伴わず、一時保護を繰り返し、強制的に長期保護に切り替えさせられました。

今思えば、子どもを預かってもらって自分のケアに集中することでようやく、子どもに家に帰ってきて欲しい、離れて暮らすことは寂しい、そう思えるようになりました。

しかし当時は、長期的に子どもと離れて暮らすことを裁判所の判決という形で受け入れるのは難しく、もっと親の同意を得られる話し合いの場を持って欲しかったと考えています。

虐待を繰り返す親が全員同じ気持ちになるかは分からないですが、自分のケアを進めることで気持ちに余裕ができ、落ち着いて子どもの存在を思い返した時に、会いたい、寂しいと思っている自分に気付きました。

子どもを愛せない親なのかと自分に絶望した時間もあったので、それに気付いた時は本当に救われました。
日常に追われてそんなことを思う余裕がなくなるほど追い詰められている親は多いと思います。

子どもを愛せない自分を責める親も多いと思います。

児童相談所には、そこに寄り添って親自身の問題解決と、子どもを受け止める親の心の余裕を広げる役割を期待します。

しかし残念なことに、スキルや経験の差が大きく、親子関係の修復をサポートできる担当者は多くはないと感じています。

言葉一つで受ける傷が軽くなるかもしれないし、前向きに解決に向かって頑張れると思いますが、その配慮ができない担当者がいるのも事実です。

私のように解決まで周り道をしたり、児童相談所以外の場所で解決の糸口を掴むしかないケースも多い気がしています。

親の問題解決の土台ができて初めて、子どもの安全を保障した家庭復帰ができると思っています。児童相談所には、親のケア手法の確立と、対応スキルの向上を望みます。

児童相談所は数年前と比べてずいぶん変わりました。何がきっかけなのかはわかりませんが、気持ちを込めて親子のために、と一生懸命サポートしてくださる方も増えてきました。

私は児童相談所をバッシングしたい(と思ってた時期も確かにありますが)訳では無くて、しんどい親子が助けを求めた先の受け皿であって欲しい、と思っています。

心理士さんや寄り添いの上手な人もいます。児童相談所=良くないのではなく、まだまだ発展途上であること、地域差はあるにしろ、進化中であることも合わせて伝えていただけたら、と思います🙏🍀

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