見出し画像

【シェア街住民インタビュー】東照宮だけじゃない!「生活の場としての日光を深掘りしたい」 2拠点居住する東京との「架け橋」目指す江田加奈枝さん

今回は、栃木県の日光と東京とで2拠点生活をしながら地方創生活動「モグローカル」を主催するカナエダさんこと江田加奈枝さんにお話を伺いました。実は、「地方創生」という言葉があまり好きではない、と語るカナエダさん。その理由は? シェア街を通じて見えてきた目標とは?

恩師との出会いで世界が広がった

現在の活動について、簡単に教えてください。

カナエダさん:今年2月から、職場がある東京と、地元である栃木県日光市とで2拠点生活を始めました。
東京では、設計事務所で設計アシスタントとインテリアコーディネーターの仕事をしています。また、副業で「食べチョク」というサイトのライターをしています。

日光では、地方創生活動である「モグローカル」という取り組みをしています。

シェア街に入ったのは、浅草橋のゲストハウス「Little Japan」のホステルパスがきっかけです。

シェア街では「くうそうcafe-bar_engawa」というオンラインきょてんにときどき参加していて、先月Little Japanで行われた七夕イベントにも関わっていました。

スクリーンショット 2021-08-29 16.20.22

幅広く活躍されているのですね。
ここに至るまで、カナエダさんはどんな人生を歩まれてきたのですか?

カナエダさん:小学校3年生で人生の転換期がありました。
それまで人と話すことや友達を作ることが苦手で、一人で遊ぶことが多かったのですが、ある先生に出会ったことが転機となりました。
その先生は、「はっちゃけちゃえ!」という感じの人で、そこから私も人前に出ておふざけをして、友達作りができるようになりました。それが今の私につながっていると思います。
それ以降は、クラスのサブの中心みたいな感じで、仲間外れになりそうな子を誘ったり、ツンツンしている子に「ねえねえ」と上手く話しかけたり、そういうポジションでしたね。

進路を考えるうちに、海外に興味が湧き、大学進学を機に上京しました。
東京出身の母親がかつてどんな暮らしをしていたのか知りたかった、というのも理由の一つです。
大学では国際関係を専攻し、ラテンアメリカについて学びました。留学や海外旅行も経験しましたね。
そして、卒業後も東京で就職し、福祉関係の仕事を経て今の会社に入りました。

スクリーンショット 2021-08-29 16.20.47

「生活の場」としての日光を深堀りしたい!

東京生活を満喫していたカナエダさんが、日光で活動を始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

カナエダさん:地方から東京に出てくる人の中に、「地元に何もないから」という人がいますよね。自分自身もそうやって東京に出てきた代表例です。
でも、帰省するたびに、日光を心のオアシスだと感じていて、それがなぜかを探りたかったんです。あと、自分の出身地について話す際に、東照宮しか語れなくて、それ以外の魅力を語ってみたいという思いもありました。

スクリーンショット 2021-08-29 16.21.18

そこで、4年前のゴールデンウィークに久々に幼なじみに会ったとき、街づくりをしたい、地域のことをもっと知りたい、と話したら、彼女も偶然にも同じことを考えていたんです。
まずは、自分の地域を知る上で、他の地域も見てみようと「モグタビ」と名前をつけていろいろな地域を回る活動を始めました。
そして、最終的に地元を深掘ろう、と日光に焦点を当て、2年前に「モグローカル」を始めました。

実は、地方創生という言葉はあまり好きではないんです。
他人事なイメージがありませんか?地域が元気になるって、まずはその地域に何があるのか、どんな人たちが地域を支えているのかを知らないと始まらないと思っていて。
観光地である日光に暮らす人たちが、何が楽しみで生きているのか疑問に思ったことも、この活動を始めたきっかけのひとつでした。

今は、私たちが面白いと思う人に会いに行き、いろんな人を掘り出す活動をしています(モグローカルのモグの意味は潜るを意味していて、地中に潜り込む生き物がモグラなので、それを掛け合わせてできたそうです)。
自分らしく生きている人や移住者に、「どうしてそう生きることを選択したの?」「なぜそこに住むの?」ということを聞いています。あとは、イベントに参加してお手伝いをすることも。

日光って、栃木県全体の4分の1くらいの広さなんです。広い分、他の地域が何をしているのか、それぞれの地域で高みの見物をしている状況でして、各々うまいことやっているのですが、繋がってはいないんですよね。繋がったら、もっと魅力ある街になるはずなので、私たちはその「架け橋」になれればと思っています。「何かあれば相談してください」という感じですね。

スクリーンショット 2021-08-29 16.21.46

地元について語れる人を増したい

日光の農家さんや移住されてきた方など、面白い活動をされている方同士の繋がりを作ることで、新しいことを生み出す取り組みをされているのですね。具体的に、「モグローカル」は誰に向けた取り組みなのでしょうか?

カナエダさん:誰に向けて、というと、一番は地元の方です。
以前の私みたいに、何もない、デパートや商業施設が欲しい、と思っている人ってたくさんいるんです。それ以外にも楽しみってあるんだよ、と知ってもらいたいですね。
自己紹介のとき、地元にあるものが東照宮だけではない、と話せる人が増えれば嬉しいですね。
地元の人が地元を好きになるきっかけを作っていきたいと思っています。

日光の課題としては、観光はすごく推しているのですが、暮らしについての情報発信が不足していることがあると思います。
移住に興味ある人がどしどし掘れるような入り口作りも「モグローカル」をきっかけにできたらな、と思っています。

スクリーンショット 2021-08-29 16.22.23

日光の良さを発信するような活動としては、どのようなことをされているのですか?

カナエダさん:ウェブサイトやSNSを運用していて、その発信を見た方が興味を持ってくれることがあります。

あと、今年の9月か10月に「モグローカル」プロデュースで、日光と東京を会場に、日光の食材を使った定食屋さんを1日限定でやりたいと思っています。
Little Japanの七夕イベントでお猪口に入れた味噌をお湯だけで溶かしたものをお出ししました。

美味しい味噌を作っている若い姉妹がいまして、そのことを伝えたいので、お味噌汁中心の定食を作ろうと考えています。日光街道はかつて宿場町であったことから、食のインフラが整っていました。その歴史も知ってもらいたいですね。

スクリーンショット 2021-08-29 16.22.41

日光にみんなのための居場所を作りたい

2拠点生活はどのような割合でされているのですか?

カナエダさん:平日は東京で仕事をしていて、帰れる時は毎週土日、日光に帰っています。
常に会うこと、常に顔を出すこともまちづくりの一つだと聞いたことがありまして、この街に真剣だということを伝えるために、何もなくても行くようにしています。

カナエダさんと「モグローカル」の今後のビジョンを教えてください!

カナエダさん:「モグローカル」では、人が集まる場所というか、困ったらここに行こう、というリアルな拠点を作りたいと思っています。
地元にいるけれど、地元に泊まる、という場所を作りたいです。
観光客やお嫁に来て街のコミュニティに入りづらい人が、地元の人とゆっくりでできる場所になったらいいな、と思っています。

スクリーンショット 2021-08-29 16.23.21

私のビジョンは、今はまだ迷い中ですが、目標のひとつとして、4年後、35歳になるまでに世界一周することや、ユーラシア大陸を自分の足で歩きたい、ということがあります。
自分の経験値や価値観、考え方を1回リセットし、いろんな考えを吸収したいなと。
きっかけのひとつには、Little Japanやシェア街に関わったことがあります。
ここにはそういった経験をされている方が多くて、話を聞いているうちにすごく興味を持ちました。
ワーキングホリデーには期限があるけれど、30歳を過ぎても年齢関係なくやってみたらいいじゃん、と気軽に言ってくれる人がシェア街には沢山いて、自分にもできると思えましたね。

スクリーンショット 2021-08-29 16.23.49

最後に、シェア街に興味を持っている読者に向けて、一言お願いします!

カナエダさん:私は、シェア街は一緒にチャレンジしたり、夢を気軽に語ったりできる場だと思っています。自分ではしょうもないと思っている夢でも、口に出すことは恥ずかしいことではないし、言わないのはもったいないです。
例えば、ラジオDJになるのはありえないと思っていても、シェア街に入ればそれに近いことができます。

シェア街は、夢を夢だけで終わらせず、チャレンジできる場であり、自分の挑戦を楽しんでくれる人がたくさんいます。ぜひ、気軽にシェア街に来てみてください!

スクリーンショット 2021-08-29 16.24.37 1

【クレジット】
編集:Atsushi Nagata Twitter / Note / Youtube
執筆:大谷菜月
写真:提供写真

この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?