見出し画像

そうだ 一揆、しよう。

2022年、「コモンズ」や「コミュニティ」はどのような変化が起こるだろうか。2021年のShare Villageの動きを振り返りながら、2022年の潮流を抱負も兼ねて書いてみたい。

執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表)

自律分散的に生まれていくコミュニティ群

Share Villageをリリースして8ヶ月が過ぎた。

お陰さまで2021年には、全国各地で16のコミュニティが公開。住宅・山・飲食・農業・まちづくり・子育て・関係人口から、新たな共同体の社会実験まで、様々な領域で“村”のようなコミュニティが生まれている。

現在キュレーターがやり取りさせていただいているコミュニティや、連携・支援しているコミュニティも含めると、20数村の仲間が各地(オンライン上にも)でつながりはじめた。

新型コロナウイルスの影響もあり、特に物理的な場をコモンズとするコミュニティにとっては、中々にフルスイングしにくい状況でもあった。けれど、コミュニティオーナー同士が集う場などで持ち寄られる、一つ一つの小さなコミュニティの中で生まれるドラマを聞くと、Share Villageを立ち上げてよかったと心から思う。

長い時間軸で「コモンズ」と向き合っていく

正直、ITを駆使したプラットフォームとしてみると、伸びはかなりゆるやかだ。コミュニティ数も、各コミュニティのメンバー数も、サブスク決済額をもとにしたプラットフォームとしての売上も。

取り組みの認知や、伝え方、届け方、アプリの使い勝手など、もっともっと試行錯誤していかなければいけないと思っている。

同時に、「コモンズ」というわかりにくい概念と向き合っていく以上、短期的な時間軸で成し遂げられるものではないという覚悟もできた。

その長い道のりは、時に通常のスタートアップの成長曲線と異なった道を這いずり回る(=楽しむ)ことも必要となってくるはずだ。

昨年12月には、「協同組合型株式会社」としての2回目の増資を行い、様々な領域で活動するコミュニティオーナー・法人と、心強いパートナーシップを開始することができた。出資者が、自らのコミュニティづくりを実践したり、Share VillageアプリのAPIを活用して独自の進化を図ったり、コモンズの概念を社会へ共有していくシンクタンク機能を担っていったりと、とても楽しみな展開がはじまっている。

引き続き、参加する一人ひとりのオーナーシップを基盤としたプラットフォームを志向する日本版「プラットフォーム・コーポラティズム」を模索、実践していきたい。(その先の、Share VillageのExitは?と問われた時、それは「コミュニティ」(「Exit to community」)なのだと想像している)

2022年、コモンズを自治する流れが広がっていく

2022年。これまでの土壌の上に、多種多様なコミュニティたちが花開いていく一年にしていきたい。

狭義のプラットフォーム(機能など)を越えて、コモンズやコミュニティと共にある暮らしが広がっていく兆しも見えてきた。

例えば、秋田の廃業となった地域の温泉を、常連を中心とした住民が出資した合同会社を通じて共同運営するプロジェクト。「地域の資源をコモンズ化し、コミュニティで自治していく」流れは 、これから本格的に広がっていくと感じる。

最後に、懐であたためていたプロジェクトたち。
今月より順次、お披露目していく予定。

■ネオ集落

五城目町(秋田)の遊休地に、「地域の森林資源×デジタルファブリケーション×コミュニティ」によるリアルな集落を、今春以降に建設予定。(デジタル建築集団VUILDさんとの共同事業)

画像1

■村づくりのニュースクール

村づくりや共創型コミュニティ、コモンズについて学び合う場を、この冬より開講予定。Share Villageのキュレーター達もキャラ全開で参戦。(昨年のnoteで最も読まれたのはキュレーター兼ラッパーの記事!)

■そろそろキャンペーン

今年こそ、“そろそろ”村つくってみませんか?!
・・・ということで、「妄想企画ブレスト」をはじめとしたコミュニティづくりに全身全霊で伴走。詳細は1月中に乞うご期待!

2015年に始まったシェアビレッジ・プロジェクトでは、毎年「一揆」をやっていた。古民家を解放して、土間でライブをしたり、焚き火をしたり、村民みんなで、集落のじっちゃんばっちゃん達も一緒に盛り上がる一日。全国に広がるコミュニティ達が、それぞれのスタイルで「一揆」したら、それは壮観だ!全国一揆巡りなんかもしてみたい。

いつかWikipediaあたりで、「令和4年一揆」みたいな一節ができるかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?