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Share Villageキュレーターが「音楽とコミュニティ」についてしゃべってみた (その1)

Share Villageキュレーターのラッパーakapos(ケンタ)とクラシックバイオリン弾きせいた。プレイヤーでもありリスナーでもある2人が「音楽とコミュニティ」について、思いつくままにゆるゆるとしゃべってみた。

音楽性が合う人を見つけるのは、結婚相手を見つけるよりも大変

ラッパーakapos(ケンタ):
いちラッパーとして活動をしていますが、ひとりでやることにもやはり限界があって。
ラッパーなので、リリック(歌詞)を書いて、ビートやトラックのうえに乗せてうたうのですが、ビートやトラックも自身で制作している。
音楽経験がないので、ビートやトラックに関しては完全に素人そのもの・・・

仲間でビートやトラックを制作してくれる人がいたらいいな〜とか、その先にMVを撮影してくれる人がいたらいいな〜とか思いますが、まだまだヒップホップコミュニティとしても未熟なのでそこまではいけず。

音楽って「音を楽しむ」と書く通り、純粋に音を楽しむコミュニティがつくれればいいな〜なんて思いつつも、ヒップホップって人生そのものだったり、その人の生き様が表現されると思っているんですよね。
(akaposのnoteでもそんなことを少し語っています)

音楽性の共感で人が集まると考えると、ヒップホップの場合ってまさに人生そのものや生き様に対する共感がないとコミュニティ形成が難しいなと勝手に感じちゃってるんです。

もちろん部分的に共感するところがあったり、歌詞の一部分で「おお〜」となることもありますが、バシッとバイブスやパッションみたいな部分が完全一致することって本当に稀なのではないかと。

音楽活動をするなかで、この完全一致する瞬間やパートナーを求めてたりもするんですが、実は結婚相手を見つけることよりも難しいんじゃないか?なんて最近は思い始めてきました。
(もちろんまだ結婚はしていませんが笑)

ヒップホップでは共感したりアガるポイントで手をあげて盛り上げることを"ゴンフィンガー"といったりします(Photo by Hanny Naibaho on Unsplash)

クラシックせいた:
これは未婚だから言えることなんでしょうけれど、ある程度の時間を一緒に楽しく過ごせる人であれば結婚できるんじゃないだろうか、と思ったり(継続できるかは不明)。一方アマチュア音楽家として、楽しむだけのためにやっている音楽が楽しめないというのは、苦痛に近い。もちろん音楽性が100%合う人はいないと思いますが、相違を凌駕するほどのものを持っている人でないと、一緒にプレイし続けるのは難しいと思います。
そういう意味では、音楽性が合う人を見つけるのは結婚相手を見つけるよりも大変と言えますね。

確固たるコモンズとは

ラッパーakapos(ケンタ):
ヒップホップに表現される人生そのものや生き様みたいなもの。
こういうのって言語化されづらいものなのかな〜と思っていて。
ただ、「あの曲いいよね」とか「このパンチラインいいよね」みたいな会話がされるときって、その表現者の人生そのものや生き様みたいなものがバックグランドにあって、そこに「いいよね」と共感しているので、それ自体がコモンズになっている。
すごく簡単にコモンズを生み出したようにもみえるかもしれないけど、抱えているものが人生そのものや生き様なので、共に対する思いはめちゃ強い。

クラシックせいた:
一緒にプレイしていて、言葉がなくても音や体の動き、空気感でコミュニケーションが取れる人がたまに存在します。例えば「ここでちょっとゆっくり…そしてここからテンポを戻す!」とか「このへんから徐々に盛り上げて〜」というのを、弾きながら瞬時に読み取ってもらえるのは大変気持ちがよいものです。それができる人とは「確固たるコモンズ」を共有しているのだろうと思います。

1つのバンドを続けるのは難しい

確固たるコモンズを共有する人とバンドを組んでやっていけたら、それはそれは幸せなこと。
ケンタ、せいたともにファンであるsuzuki mamiko(chelmicoのmicoの方)が所属?しているPistachio Studioの表明がめちゃめちゃかっこいいのでご紹介。

(音楽よりも)生活優先
やりたくないこと、ダサいと思うことをお金のためにやってはいけません。
CBSは自分たちがハマらないと思ったトラックで絶対に無理にラップをしません。

音楽への姿勢や信念こんなにクリアに言語化できるってかっこいい!そしてそれをバンドのメンバーで共有できているってすてき!

音楽をやっていてちょっと収入が入ってきたりすると、欲が出てくるものだと思う。本気でやっているからこそ、音楽性や人間性の相違が致命的になることも。
これはコミュニティも同様。ずーっと同じ仲間でコミュニティを持続するって難しい。

確固たらなくてもいい?

コミュニティが持続するには確固たるコモンズがあるに越したことはないが、もう少しふわっとしたコモンズがあってもいいのではないか。その方がコミュニティに広がりが生まれるし、1人の人間がすべてのコミュニティに全力コミットし続けるのもしんどい。

どっぷり浸かるコミュニティがあり、片足だけつっこむコミュニティがあり、いろんなところを覗いて心地の良い場所と距離感を見つけるのが吉。

ときにはコミュニティに新陳代謝が必要かもしれないし、気分転換に他のコミュニティを覗いてみるのもいいかもしれない。

ジャンルは違えど、音楽は音楽。

「音楽とコミュニティ」をテーマに2人で語ってみましたが、なかなか難しかったので答えが見つかるまで連載します!

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