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「Mr. コーマン」について

ジョセフ・ゴードン=レヴィット(以下「JGL」)は、俳優として子役からキャリアをスタートさせ、順調に出演作を重ねていくも、2000年にコロンビア大学に進学するために一度活動を休止し、その後、2004年頃から復帰を目指すものの殆ど仕事を得ることが出来なかったそうだ。 そういった閉塞した状況を打破すべく、自らが代表者となって立ち上げたのが、映画、音楽、書籍ほか様々なアートをネットを通じて配信するプラットフォームにしてオンライン・コミュニティである”HitRECord”であった。

    • 「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」EP5について

      ジョン・ウォーカーの「I am Captain America」はエンドゲームにおけるトニー・スタークの台詞「I am Ironman」と対となる悲痛さもあってやり切れない思いがした。 国のために最前線で命を懸けた帰還兵、特に不名誉除隊となった者の不遇さが新たな悲劇を生むというのは「21ブリッジ」でもテーマとなっていたが、例えばスティーブ・ロジャースのように正義を体現した英雄となるか、ジョン・ウォーカーのように国辱(ただしレマーの遺族からすれば未だ英雄だろう)の烙印を押される

      • 「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」について

         「エヴァンゲリオン」について、TVシリーズを通しで観たのは2回ほどだし、旧劇場版と新劇場版の各作品も一応劇場では観たけれど、何度も観返したり、あれこれと考察を読み解くほどの熱心さはなく、ファンと言えるレベルですらないのだが、それでもTV放送開始から約四半世紀に渡り紡がれてきた稀代のアニメ作品も本作「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」をもってようやっと然るべき着地をすることができた…という言葉では足りない、「エヴァンゲリオン」と名の付く全ての物語を引き受けた上で、ある種の福

        • 2020年ベストアルバム10選

          ・Jyoti/Mama, You Can Bet!  2020年を振り返ると世の殆どの人にとって良い報せより悪い報せ、悲しい報せの方が多かったのではないだろうか。それは音楽界においても例外ではなく、様々な訃報なども聞かれたが、個人的にはハル・ウィルナー逝去のニュースには驚かされた。  数多くの名盤をプロデュースしてきたウィルナーであるが、ウィリアム・S・バロウズやアレン・ギンズバーグといったビート作家による音楽的なリーディングアルバムの制作、あるいはルー・リードがエドガ

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          「春のハヤカワ電子書籍祭」お薦めタイトル

           2020年3月13日(金)~4月13日(月)の間に「春のハヤカワ電子書籍祭」が開催されて、1,000点以上のKindleタイトルが最大50%オフになってるということで、対象になっているもののうち、ツイッターで感想上げたお薦めタイトルを6点ほど纏めてみました。 Kindleストアの対象商品一覧ページ 対象著者の一覧ページ 〇ジョーダン・ハーパー/拳銃使いの娘 〇エレナ・フェッランテ/リラとわたし:ナポリの物語1 〇飛浩隆/零號琴 〇ハーラン・エリスン/死の鳥 〇

          「春のハヤカワ電子書籍祭」お薦めタイトル

          2019年ベストアルバム10選

          2019年に好きだったアルバムを10枚、順不同で選びました。 このほか、Hayes Carll、J.S.Ondara、Jah Wobble、Julian Lage、Leyla McCalla、The Long Ryders、The Rembrandts、Jessica Pratt、Christian Scottなども愛聴。  ・Joe Henry/The Gospel According To Water  「2018年ベストアルバム10選」のうち、ライ・クーダー「Th

          2019年ベストアルバム10選

          2018年ベストアルバム10選

          2018年に好きだったアルバムを10枚、順不同で選びました。 なお、ここで選んだ10枚以外でも Meshell Ndegeocello、Angelique Kidjo、Caitlin Canty、Kamasi Washington、Marcus Strickland、Gabriel Kahane、David Crosby、Jeff Tweedy、Lera Lynn、Mary Chapin Carpenter、The Nels Cline 4、Richard Thompson

          2018年ベストアルバム10選

          「レディ・プレイヤー1」について

           4月21日に「レディ・プレイヤー1(以下「RP1」)」観た直後の感想ツイートはこんな感じです。 " 「レディ・プレイヤー1」観てきた。予備知識ゼロで観た方がいいと思うんで内容書かないけど ・IMAX3Dが絶対オススメ ・情報量が相当多いんで吹替もいいけど字幕だと日本語が際立つシーンあり ・80 'sをコアとするポップカルチャー好きなら死ぬレベル ・結論としてやっぱスピルバーグにゃ敵わない "  本作は取りあえず予備知識なしにサプライズを楽しみながら鑑賞すべき映画かと思い

          「レディ・プレイヤー1」について

          2017年ベストアルバム10選

           2017年に好きだったアルバムを10枚、順不同で選びました。ここで選んだ10枚以外でも「2017年上半期ベストアルバム」で選んだものは全て甲乙付けがたく愛聴したし、ほかリズ・ライト「Grace」、それをプロデュースしたジョー・ヘンリー「Thrum」なんかも凄く良かった。あと最高の音楽体験は4月に京都メトロで観たサンダーキャットのライブでした。  ○Out of Silence/Neil Finn  前作「Dizzy Heights」から約3年ぶりのニュー・アルバム。その

          2017年ベストアルバム10選

          「ブレードランナー 2049」について

          「ブレードランナー2049」視聴直後の感想ツイートは下のとおりです。 ”「ブレードランナー2049」IMAX3Dで観た。開始一分程度でロジャー・ディーキンスの撮影とハンス・ジマーの音楽であちら側へと持ってかれる。ハードボイルドな語り口のプロットは個人的かつ神話的スケールも孕み、尺も必然。あの続編としても申し分なく、SF好きで良かったと心底思えた。” 何書いてもネタバレになりそうなんで、内容のことは全く触れずにツイートしたけど、内容に関しても色々と思うことが湧き上がってくる

          「ブレードランナー 2049」について

          ドラマ「ブラック・ミラー」について

           現在、Netflixで全3シーズン配信中の「ブラック・ミラー」は、もともと2011年12月から英国の公共放送局であるチャンネル4で放送が始まった1話完結のオムニバス形式のドラマです。  シーズン1が2011年12月放送の全3話。  シーズン2が2013年2月放送の全3話+クリスマス・スペシャルとして2014年12月に放送された1話。   シーズン2までがチャンネル4放送分で、シーズン3からはNetflixオリジナルドラマとして、2016年10月から配信されています。  な

          ドラマ「ブラック・ミラー」について

          2017年上半期ベストアルバム

           2017年上半期の好きだったアルバムを順不同で10枚選びました。各アルバムに対するコメントはツイッターに書いた感想をコピペしたものです。  ○Don't Give up on Love/Don Bryant  ドン・ブライアント「ドント・ギブアップ・オン・ラヴ」48年ぶりに出された2ndアルバムだそうで。にも関わらず声は全く衰えておらずソウルフルそのもの。チャールズ・ホッジス、ハワード・グライムスらによるバッキングも完璧なハイサウンド。今の時代にこんなサザンソウルが聴け

          2017年上半期ベストアルバム

          メッセージに関するネタバレ感想

          メッセージ観た直後の感想ツイートはこんな感じです。 「「メッセージ」観てきた。科学的にして詩的かつ小説ならではの感動があった原作の魅力を些かも損なうことなく、映画ならではの感動を体験させてくれた、ヴィルヌーヴの集大成とも言える傑作でした。確実に語りたくなるような映画だからネタバレ踏む前に観に行った方がいいと思うよ。」 「メッセージはブラッフォード・ヤングの撮影が凄く良かった。色調抑えつつ全体的に緑が印象的で。広大な緑の平原に例の巨大な宇宙船がヌーっと現れるあの高揚感と不安

          メッセージに関するネタバレ感想

          2016年ベストアルバム

          2016年の好きだったアルバムを順不同で10枚選びました。各アルバムに対するコメントはツイッターに書いた感想をコピペしたものです。なお、コモンに関しては、ドキュメンタリー映画「13TH」の感想と合わせて書いています。 ○STAY GOLD/ブッチ・ウォーカー 「ブッチ・ウォーカーのStay Gold一通り聴いた。静謐でメランコリックな印象強かった前作からガラッと印象変わって親しみやすいメロディと全盛期のスプリングスティーンを彷彿とさせるロケンロール魂が詰まったこれは大傑作

          2016年ベストアルバム